スイス連邦
柘植外務副大臣のスイス連邦訪問(結果)
柘植芳文外務副大臣は、10月16日から20日まで、ウクライナ地雷対策会議等に出席するためスイス連邦を訪問したところ、概要は以下のとおりです。
1 ウクライナ地雷対策会議出席
10月17日、柘植副大臣は、ローザンヌにおいて開催されたスイス政府及びウクライナ政府主催によるウクライナ地雷対策会議に出席しました。
(1)記者会見
柘植副大臣は、カシス・スイス外相(H.E. Mr. Ignazio CASSIS, Federal Councillor and Head of the Federal Department of Foreign Affairs of the Swiss Confederation)及びスヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相兼経済相(H.E. Ms. Yuliia SVYRYDENKO, First Deputy Prime Minister -Minister of Economy of Ukraine)と共に記者会見を行い、ロシアによる侵略の結果としてウクライナが世界で最も地雷が埋設された国のひとつとなったことについて憂慮する旨述べ、ロシアによる侵略は力による一方的な現状変更で国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、今後とも力強くウクライナを支援していく旨強調しました。
また、柘植副大臣は、地雷により人々が傷つき、地域の復旧・復興が困難になる事実を深刻に受け止めており、自らの経験からも、地域コミュニティを困難に陥らせる事態に強い憤りを覚える旨述べた上で、日本が本年7月に発表した「地雷対策支援に関する包括的パッケージ」及び「日カンボジア地雷イニシアティブ」に基づき、引き続きウクライナを力強く支援していく旨表明しました。
(2)クロージング全体会合
柘植副大臣は、クロージング全体会合に登壇し、カシス・スイス外相、スヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相兼経済相、ラドマン・クロアチア外務・欧州相(H.E. Mr. Gordan GRLIC RADMAN, Minister for Foreign and European Affairs of the Republic of Croatia)の挨拶に続いて、次期ホスト国として挨拶を行い、その中で、本会議が成功裏に実施されたことを歓迎するとともに、これまでの日本の貢献について紹介した上で、日本として来年、ウクライナ地雷対策会議を主催し、同会議をウクライナの復旧・復興に向けた最新の知見を共有する場とすべく準備を進めていく旨表明しました。
また、クロージング全体会合において、柘植副大臣は、今回の会議の共催者であるカシス・スイス外相及びスヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相から、今回の会議で採択された「ローザンヌ行動要請」の引継ぎを受けました。
2 地雷除去デモンストレーション視察
同日、柘植副大臣は、カシス・スイス外相、スヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相兼経済相とともに、地雷除去のデモンストレーションを視察しました。その中で、柘植副大臣は、地雷除去の模擬作業の様子を見ながら、専門家から詳細な説明を受けるとともに、カシス外相、スヴィリデンコ第一副首相兼経済相も交えて懇談し、地雷対策に関する最新の課題について理解を深めました。
3 スヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相兼経済相表敬
同日、柘植副大臣は、スヴィリデンコ・ウクライナ第一副首相兼経済相を表敬し、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、強力なウクライナ支援と厳しい対露制裁を継続していくとの我が国の方針を改めて強調するとともに、日本はこれまで力強いウクライナ支援を実施してきており、G7等とも連携しつつ引き続き支援を実施していく旨述べました。これに対し、スヴィリデンコ第一副首相兼経済相から、これまでの日本による支援に謝意が示され、両者は、来年日本がホストするウクライナ地雷対策会議の成功に向けて緊密に連携していくことで一致しました。
4 カシス・スイス外相表敬
同日、柘植副大臣は、カシス・スイス外相を表敬し、本年8月のアムヘルト・スイス大統領の訪日の機会に日スイス国交樹立160周年を共に祝うことができたことに触れつつ、ここ数年でカシス外相を含む現職大統領3名が訪日するなど、ハイレベルな人的交流を通じて日・スイス関係が発展していることを歓迎する旨述べました。これに対し、カシス外相からも、経済関係、人的交流等の二国間の取組に言及しつつ、引き続き、様々な分野で日本との協力を進めていきたい旨述べました。
また、両者は、ウクライナ情勢を始めとする地域情勢についても意見交換を行い、同志国が連携することの重要性を共有した上で、国際社会が厳しい挑戦に直面する中、価値や原則を共有する重要なパートナー国として連携を強化していくことで一致しました。
5 リー・トーイッ・カンボジア上級大臣兼地雷対策被害者支援庁第一副長官表敬
同日、柘植副大臣は、リー・トーイッ・カンボジア上級大臣兼地雷対策被害者支援庁第一副長官(H.E. Dr. Ly Thuch, Senior Minister of the Royal Government of Cambodia, First Vice President of the Cambodian Mine Action and Victim Assistance Authority)を表敬し、6月の自身のカンボジア訪問に触れながら、7月に発表された「日カンボジア地雷イニシアティブ」に基づき、ウクライナを含む第三国における地雷対策などに係る協力を強化していきたい旨述べました。また、柘植副大臣から、カンボジアが11月に開催するオタワ条約第5回検討会議の成功を祈念しており、同会議に向けて、カンボジアと緊密に連携していきたい旨述べました。これに対し、リー・トーイッ上級大臣兼地雷対策被害者支援庁第一副長官からは、日本の長年にわたるカンボジアの発展、地雷対策への支援に対する謝意が述べられたほか、新たに発表された「日カンボジア地雷イニシアティブ」を歓迎しており、国際社会全体の取組においても二国間でよく連携していきたい旨述べました。
また、両者は、ウクライナ情勢を始めとする地域情勢についても意見交換を行い、国際場裡における連携の強化に向けて協力していくことで一致しました。
6 グルリッチ=ラドマン・クロアチア外務・欧州相との懇談
同日、柘植副大臣は、グルリッチ=ラドマン・クロアチア外務・欧州相と短時間の懇談を行い、クロアチアが昨年「ウクライナにおける人道的地雷除去支援ドナー会合」をウクライナと共催したことに続いて、今年もウクライナ地雷対策会議に外務・欧州相が出席するなど、この分野で積極的に貢献していることに敬意を表しました。これに対し、グルリッチ=ラドマン外務・欧州相からは、クロアチアの取組について紹介するとともに、来年の日本でのウクライナ地雷対策会議の成果に期待している旨の発言があり、両者は、同会議の成功に向けて協力していくことを確認しました。
7 在スイス帰国留学生会「絆(きずな)」メンバーとの意見交換
10月18日、柘植副大臣は、ベルンの在スイス日本大使館広報文化センターを訪問し、在スイス帰国留学生会「絆(きずな)」(過去に日本で勉強した元留学生同士が交流やネットワーク化を行う組織)メンバーとの意見交換を実施しました。柘植副大臣は、自らの経験から人と人とのつながりの大切さを痛感しているため、若い方々が国と国との懸け橋になる留学交流の推進にも強い思い入れを持っている旨述べた上で、帰国留学生の方々の活躍ぶりを伺えるのを楽しみにしている旨述べました。続いて、出席者から、それぞれの日本での留学経験や現在の活動、「絆」の現状等について紹介があり、柘植副大臣と出席者との間で、日本留学の促進の在り方や、帰国留学生のネットワークの強化の方策等について、活発な意見交換が行われました。最後に、柘植副大臣からは、各人が日・スイス間の関係強化に一層寄与していくことを期待する旨述べ、出席者を激励しました。
8 目時万国郵便連合(UPU)国際事務局長による表敬
10月19日、柘植副大臣は、目時政彦万国郵便連合(UPU)国際事務局長と意見交換を行いました。柘植副大臣から、目時国際事務局長との再会を嬉しく思う旨述べるとともに、目時国際事務局長のリーダーシップを高く評価しており、目時国際事務局長が引き続き活躍されることを期待する旨述べました。これに対し、目時国際事務局長から、UPUの運営等に対するこれまでの日本政府の貢献に謝意を示しつつ、UPUの重要なパートナーである日本との関係を引き続き重視しており、協力を更に強化していきたい旨述べました。両者は、日・UPU間の一層の関係強化について意見交換を行い、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
さらに、柘植副大臣は、意見交換に同席したUPU日本人職員を激励しました。