欧州連合(EU)
日・EUハイレベル経済対話の開催
令和6年5月2日


現地時間5月2日午後1時43分(日本時間同日午後8時43分)から約50分、OECD閣僚理事会に出席するためパリ(フランス)を訪問中の上川陽子外務大臣は、齋藤健経済産業大臣と共に、ヴァルディス・ドムブロウスキス欧州委員会上級副委員長兼貿易担当欧州委員(Mr. Valdis Dombrovskis, Executive Vice President of the European Commission for an Economy that Works for People, European Commissioner for Trade)との間で、日・EUハイレベル経済対話を開催しました。
- 冒頭発言
- 冒頭、ドムブロウスキス上級副委員長から、日本のOECD加盟60周年への祝意が伝えられた上で、データの自由な流通に関する日EU・EPA改正議定書への署名をはじめとする前回対話以降の進展に言及がありました。
- 続いて、三者は、「透明、強靭で持続可能なサプライチェーン・イニシアティブ」の立ち上げや、WTOを中核とする法の支配に基づく貿易体制の維持・強化を含む共同プレス声明の発出を確認しました。
- 上川大臣からは、日・EU経済に関する喫緊のテーマについて率直に意見交換したい旨述べるとともに、データの自由な流通に関する日EU・EPA改正議定書の締結について日本の国会において承認されたことを説明しました。双方は、同改正議定書の早期発効に向け引き続き連携していくことで一致しました。
- 経済安全保障及び「透明、強靱で持続可能なサプライチェーン」
- 三者は、経済安全保障に関する日・EU双方の取組について意見交換を行い、日・EUを始めとする同志国間の連携の重要性を改めて確認しました。
- また、「透明、強靭で持続可能なサプライチェーン・イニシアティブ」の下で、透明性、多様性、安全性、持続可能性及び信頼性の原則の適用を通じ、戦略的依存関係及び構造的な脆弱性に対処し、強靱で信頼性の高いグローバルなサプライチェーンを確保するため連携していくこと等で一致しました。
- WTO
三者は、第13回WTO閣僚会議(MC13)の結果を踏まえ、WTOを中核とする自由貿易体制の強化等の課題に関し、積極的に取り組む必要性について一致し、また、紛争解決制度(DS)改革、漁業補助金交渉、電子商取引交渉等の個別分野 でも、引き続き日・EUで連携していくことを確認しました。 - EUの包装及び包装廃棄物規則
上川大臣から、EUの包装及び包装廃棄物規則について、日・EU間の経済関係に悪影響を及ぼさないよう、EUが適切な措置を講じるよう強く要請しました。
これに対し、ドムブロウスキス上級副委員長からは、技術の進展を期待しつつ、パ ートナーとの協議を続けていきたい旨の発言があった。 - 結語
上川大臣は、日・EU双方の協力と今後の方針を議論する有意義な機会となった旨述べました。三者は、日・EU間で、引き続き緊密に連携していくことを改めて確認しました。
(参考)別添
共同プレス声明(英文(PDF)/和文(仮訳)(PDF)
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