欧州連合(EU)

平成27年1月20日
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 1月19日14時30分から15時30分(現地時間)まで,ブリュッセルを訪問中の岸田文雄外務大臣は,セシリア・マルムストローム欧州委員(貿易担当)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,今回の会談は,昨年11月1日に就任したマルムストローム欧州委員との初めての会談となります。

1.冒頭

 マルムストローム欧州委員から,自身が任命を受けて直ぐに岸田大臣とお会いできたことに感謝する旨述べました。
 これに対し,岸田大臣から,マルムストローム欧州委員の就任に祝意を述べた上で,日EUは長年に亘り多角的自由貿易体制を推進してきたパートナーであるとともに,世界の貿易総額の約36%を占める二大先進市場経済圏であり,世界経済の更なる発展に責任を有しているとして,本年中の大筋合意を目指す日EU・EPAに加えて,世界経済の動向やWTOの現状といった点についても率直な意見交換を行いたい旨述べました。

2.日EU・EPA

 岸田大臣から,日EU・EPAは双方の経済の更なる発展のための推進力である,また,日EUが共に成長の果実を手に入れるだけでなく,世界経済における貿易・投資の新たなルール作りを共に主導していきたい旨述べました。
 これに対し,マルムストローム欧州委員から,日EU・EPAは双方にとって重要な協定であり,課題も多いが是非ともやり遂げたい旨述べました。
 岸田大臣とマルムストローム欧州委員は,本年中の大筋合意という昨年11月の日EU首脳会談で確認された目標は野心的ではあるが実現可能な目標であるとして,包括的かつ高いレベルのEPAの実現に向けて,交渉を更に加速させていくことを確認しました。

3.WTO

 岸田大臣から,WTOを中心とする多角的貿易体制は世界貿易の礎であり,昨年11月に貿易円滑化協定に関する議定書が採択され,WTOの作業が軌道に戻ったことを歓迎する旨述べました。
 これに対し,マルムストローム欧州委員から,ドーハ・ラウンドの速やかな進展は喫緊の課題であり,多角的貿易体制の信頼にも影響する旨述べました。
 岸田大臣とマルムストローム欧州委員は,本年12月の第10回WTO閣僚会議や情報技術協定(ITA)拡大交渉の早期妥結等に向けて,引き続き協力していくことで一致しました。

4.その他

 岸田大臣から,福島第一原発事故に係るEUによる日本産食品等に対する輸入規制に関し,科学的根拠に基づく規制の緩和・撤廃を働きかけるとともに,本年行われるミラノ国際博覧会に係る日本産食品の持ち込みについて協力を要請しました。


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