セルビア共和国

令和6年7月18日
ジューリッチ・セルビア外務大臣と握手をする上川外務大臣
上川外務大臣とジューリッチ・セルビア外務大臣との会談の様子

 現地時間7月18日午前11時35分(日本時間同日午後6時35分)から、セルビア共和国を訪問中の上川陽子外務大臣は、マルコ・ジューリッチ・セルビア共和国外務大臣(H.E. Mr. Marko ĐURIĆ, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Serbia)との間で、日・セルビア外相会談(約40分間)及びワーキング・ランチ(約65分間)を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭
    1. ジューリッチ大臣からは、上川大臣のセルビア訪問を歓迎するとともに、幅広い分野において二国間関係を更に発展させていきたい旨述べました。また、先般セルビア外相として初めてNATO首脳会合に出席した旨紹介がありました。これに対し、上川大臣から、ジューリッチ大臣の外務大臣就任への祝意を述べつつ、二国間関係の発展、西バルカンの安定、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向け意見交換したい旨述べました。
    2. 特に経済分野において、両大臣は、両国の経済関係を更に強化すべく、投資協定について交渉を開始することで一致しました。また、上川大臣からセルビアに進出している日本企業の支援を要請したのに対し、ジューリッチ大臣から、日本企業支援に力を入れたい旨発言がありました。
  2. 二国間関係(西バルカン協力イニシアティブ)
    1. 上川大臣から、数々の紛争を経た西バルカンが、今後も力強く発展し、平和と安定を享受していくためには、域内諸国の平和と安定と域内協力の推進及び欧州への統合が重要であり、このような問題意識の下、日本は「西バルカン協力イニシアティブ」により、同諸国の社会経済改革、和解と融和の努力を後押ししている旨述べました。
    2. ジューリッチ大臣からは、本年4月に日本の円借款を用いて完工した「ニコラ・テスラ火力発電所排煙脱硫装置」を始め、日本の「西バルカン協力イニシアティブ」によるセルビアへの支援に感謝が述べられました。
    3. また、上川大臣から、セルビアで女性問題を担当するタティヤナ・マツラ・セルビア共和国大臣(女性のエンパワーメント等担当)との意見交換では、有意義な議論を行うことができた旨述べつつ、女性・平和・安全保障(WPS)の観点からもジューリッチ大臣と連携したい旨述べました。ジューリッチ大臣は、NATO首脳会合の際のWPSイベントに自分も参加した旨述べ、双方は、WPSで協力していくことで一致しました。
  3. セルビア・コソボ問題
    1. 上川大臣から、ジューリッチ大臣がセルビア政府コソボ担当事務所長官として、コソボとの関係正常化のために努力してきたことに触れつつ、日本はEUが仲介する「ベオグラード・プリシュティナ対話」を通じた問題解決を支持しており、この対話の下で、全ての関係者がそれぞれの義務を誠実に履行していくことが重要である旨述べました。
    2. これに対して、ジューリッチ大臣からコソボ問題の経緯及びセルビア政府の立場について説明がありました。その上で、双方は、この問題における対話の重要性で一致しました。
  4. 地域情勢
     両大臣は、ウクライナ情勢、東アジア情勢等の地域情勢について意見交換を行い、今後も意思疎通していくことを確認しました。

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