APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)
石破総理大臣のAPEC首脳会議(第1セッション)への出席
令和6年11月15日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
現地時間11月15日、午前10時30分(日本時間16日午前0時30分)から約2時間半、APEC首脳会議第1セッション(テーマ:強固で均衡のとれた、安全で持続可能かつ包摂的な成長の実現方法、社会的弱者のニーズへの対応)がペルー共和国・リマにて開催されました。ディナ・ボルアルテ・ペルー共和国大統領(Dina Boluarte, President of the Republic of Peru)が議長を務め、日本から石破茂内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 石破総理大臣は、日本がAPECが掲げるビジョンに沿って、アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄の実現に引き続き貢献するために重視する点として、以下3点を述べました。
(1)第一に、アジア太平洋地域の安定と成長のため、ルールに基づく自由で開かれた、公正で透明性のある貿易・投資環境を維持強化することの重要性を強調しつつ、WTOを中核とする多角的貿易体制の維持・強化のため、紛争解決制度改革をはじめ、WTO改革を一層推進したい旨、発信しました。
(2)第二に、質の高いインフラ投資の推進の観点から、気候変動の影響と増大する自然災害リスクに晒される中、耐性に優れた強い社会経済システムの開発が求められていることを指摘しつつ、多くの災害対応を経験している日本は、災害への脆弱性の克服に貢献していく旨、協調しました。
(3)第三に、女性の経済的地位向上と能力構築の観点から、官民のあらゆる組織の意思決定の場に女性が参画することは、意思決定の質を劇的に向上させる上で重要であることを指摘しつつ、APECの枠組みを通じ、日本は、更なる女性の社会進出を後押しすべく、ジェンダー平等と女性の経済的地位向上と能力構築を推し進めていく旨、発言しました。 - 石破総理大臣は、最後に、日本のこれまでのAPEC議長の経験を活かし、2031年のAPEC議長に就任する意志があることを表明しました。
- 参加した多くの首脳からは、自由で開かれた貿易・投資環境及び多角的貿易体制の維持・強化が重要である旨、サプライチェーンの強靱化、エネルギー移行、デジタル・AI の活用等が全ての人に平等で包摂的な成長の実現に必要である旨発言があり、引き続き持続可能で包摂的なAPECの実現に向けた協力を推進することが確認されました。
(参考1)APEC参加国・地域(21エコノミー)
日本、ペルー(2024 年APEC議長)、豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、ホンコン・チャ イナ、インドネシア、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピ ン、ロシア、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、タイ、米国、ベトナム。
(注)APECには、香港は「ホンコン・チャイナ」、台湾は「チャイニーズ・タイペイ」の名称で参加。
(参考2)招待エコノミー
アラブ首長国連邦(UAE)、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)、 国連食糧農業機関(FAO)。