APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)
APEC非公式首脳リトリート会合の実施(結果)
令和3年7月16日

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
7月16日、午後8時(日本時間)から約2時間半、APEC非公式首脳リトリート会合がテレビ会議形式にて開催され、ニュージーランドのアーダーン首相(Rt. Hon. Jacinda Ardern, Prime Minister of New Zealand)が議長を務め、日本から菅義偉総理大臣が参加したところ、概要は以下のとおりです。
- 本会合では、新型コロナウイルスによる危機への対応や経済回復の加速のためのAPECの各エコノミーの間の連携強化について、議論を行いました。
- 菅総理大臣からは、まず、新型コロナウイルスの克服に向け、重要な局面を迎えている今こそ、多国間主義の重要性を再認識し、希望ある未来に向けて、連帯を強化していくべきとして、日本として、APECをはじめ、多国間の協力枠組みを重視しながら、パートナー諸国・地域と団結して、現在の危機を乗り越え、アジア太平洋地域、そして、世界を「より良い回復」に導いていく決意を述べ、そのためにも、ルールに基づく自由で開かれた秩序を実現していくことが重要であり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を戦略的に推進していくことを述べました。
新型コロナの収束に向けて、「切り札」となるのがワクチンだと考えているとした上で、先月、人間の安全保障の理念の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を念頭に、Gaviと共にCOVAXワクチン・サミットを主催し、ワクチンへの公平なアクセスの実現に向けて、必要とされる資金目標を大きく超える額を確保できたこと、具体策として、日本製ワクチン3,000万回分を目処として、COVAXなどを通じ、各国・地域に供給するとともに、ワクチンを一人ひとりに届けるために不可欠な「ラスト・ワン・マイル支援」を着実に進めていくことを述べました。
また、感染症との闘いに全力を尽くすと同時に、我が国は、APECをはじめとした多国間協力枠組みや、これまでに構築してきた経済連携ネットワークを基盤として、アジア太平洋における自由で公正な経済圏の拡大、多角的自由貿易体制の更なる強化に引き続きコミットすることを表明しました。また、本年、我が国が議長国を務めるTPP11の着実な実施と拡大に向け、議論を主導していく旨、さらに、昨年署名に至ったRCEP協定の早期発効と、発効後の着実な履行の確保に向けて、リーダーシップを発揮していく旨考えを述べました。そして、我が国自身が、グリーンやデジタルといった新たな「成長の原動力」を率先してつくり上げ、改革、イノベーション志向の国であり続けなければならないこと、地域の力強い成長の牽引役であることができるよう、絶えず自らの改革努力を続けていくことを約束する旨述べました。
最後に、来週に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会について、万全な感染対策を講じ、安全・安心な大会を実現する強い決意を述べました。また、「スポーツの力」を通じて未来を担う子供や若者にも夢と感動を伝えるとともに、世界が新型コロナウイルスという大きな困難に直面する今だからこそ団結し、人類の努力と叡智によって難局を乗り越えていけることを世界に向けて発信していきたいと強調しました。 - 今回の会合において、APEC首脳声明「新型コロナウイルスの克服と経済回復の加速」が発出されました。
[参考]APEC首脳声明「新型コロナウイルスの克服と経済回復の加速」(概要(PDF)
/仮訳(PDF)
/英語(PDF)
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(注)アジア太平洋地域の21の国と地域(エコノミー)
オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム
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