APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)

令和2年11月20日
APEC首脳会議で発言する菅総理大臣 APEC首脳会議1 (写真提供:内閣広報室)
APEC首脳会議に出席する菅総理大臣 APEC首脳会議2 (写真提供:内閣広報室)

 11月20日、日本時間午後9時から約3時間、APEC首脳会議がテレビ会議形式にて開催され、マレーシアのムヒディン・ヤシン(The Rt.Hon. Tan Sri Muhyiddin Yassin, Prime Minister of Malaysia)首相が議長を務め、日本から菅義偉総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 本会議では、ポストコロナに向けた対応と、今後のAPECの方向性を示す新たなビジョンについて議論を行いました。
  2. 菅総理大臣からは、ウィズコロナ・ポストコロナの経済成長に向け、特に重視する事項として以下の3点を述べるとともに、新たなAPECのビジョンの実現に向け、積極的に貢献することを強調しました。
  • (1)デジタル化の推進と脱炭素社会の実現
    • ア デジタル庁を司令塔として設立するとともに、民間の活力を積極的に活用。「信頼性のある自由なデータ流通」(DFFT)の考えの下、デジタル貿易に関する国際ルールづくりを主導。
    • イ 2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、「カーボン・ニュートラル」を実現するとの目標に向け、イノベーションを最大限活用して「環境と成長の好循環」を加速。エネルギー源の多様化や強靭性向上によるエネルギーの安定供給の実現の取組を主導。
  • (2)自由貿易の推進と連結性の強化
    • ア 国際的なルールの下、貿易・投資の自由化と連結性の強化が「自由で開かれたインド太平洋」を支えることを強調。自由で公正な国際経済ルールづくりや、多角的自由貿易体制の維持・強化が必要であり、日本としてWTO改革を引き続き重視するとともに、質の高い、包括的なアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けて、TPP11の着実な実施や拡大と、RCEP協定の早期締結を目指す。
    • イ 海外の生産拠点の多元化推進、デジタル技術の活用などを通じて、サプライチェーンの強靭化を進め、質の高いインフラ投資の普及・実践を牽引し、連結性の更なる強化に貢献。
  • (3)包摂的な経済成長
      「誰一人取り残さない」との考え方の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進など、「人間の安全保障」の概念に立脚した取組を強化。
  1. また、菅総理から、来年の夏、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を安全・安心な形で開催するため、全力で取り組む決意を表明しました。
  2. 今回の首脳会議では、2020年クアラルンプール宣言(首脳宣言)骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文 (PDF)別ウィンドウで開く)及び「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文 (PDF)別ウィンドウで開く)(注)が発出されました。

(注)1994年のAPEC首脳会議で決定された、「2020年までに自由で開かれた貿易・投資を実現する」ことを掲げた「ボゴール目標」の後のAPECの方向性を示す文書。


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