よくある質問集

地球環境

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問1.気候変動枠組条約と京都議定書は、それぞれどのような内容を定めているのでしょうか。

 気候変動枠組条約は、気候変動に対処するための国際的な取組を定めるものであり、大気中の温室効果ガス(地球からの熱放射を吸収して気温を高くする性質を持つ、二酸化炭素、メタン等の気体)の濃度を安定化させることを究極的な目的として、先進国における温室効果ガスの排出抑制削減措置の実施、途上国の取組への支援等を定めています。本条約は1992年5月9日に採択され、日本は1993年5月28日に締結しました。同条約は1994年に発効し、平成21年8月現在日本を含む191カ国及び欧州共同体が締結しています。
 京都議定書は、1992年に採択された気候変動枠組条約の目的である温室効果ガスの濃度を安定化させるため、先進国等が行う数量化された温室効果ガス排出削減約束等を定めたもので、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択されました。京都議定書は、1)先進国等が、全体で温室効果ガスの総排出量を2008~12年(第一約束期間)の間に1990年の水準から5%削減すること、2)先進国等はそれぞれ議定書に定められた排出削減の目標を達成すること(日本は第一約束期間に1990年の水準から6%削減)、3)この約束を達成するため、国内での排出削減努力に加えて、国内の森林等の吸収源による除去の増加分や、先進国と途上国が共同で排出削減事業を行う「クリーン開発メカニズム(CDM)」、先進国同士が共同で排出削減事業を行う「共同実施(JI)」、そして「排出量取引」という3つの制度を活用できること等を定めています。

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問2.気候変動枠組条約と京都議定書のこれからの課題はなんでしょうか。

 世界全体での温室効果ガス排出量は依然増加傾向にあり、中・長期的な地球温暖化対策の実効性を確保しなければなりません。このため、現在交渉中である2013年以降の次期枠組みは、世界全体の排出量のそれぞれ約2割を占める米国や中国をはじめ、全ての主要経済国が責任ある形で参加する枠組みとする必要があります。このような枠組みの構築に向け、日本は、国連交渉をはじめとし、あらゆる場を通じて引き続き積極的に各国に働きかけていきます。

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問3.気候変動枠組条約、京都議定書の下での対話の他にも地球温暖化問題について国際的な対話があると聞きましたが、それはどのようなものでしょうか。

 気候変動枠組条約、京都議定書の下での国際交渉の他に、地球温暖化問題に取り組む枠組み、会合として、例えば以下のものが挙げられます。

(1)エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)
 MEFは、先進国のみならず新興経済国を含むプロセスとして、2009年3月オバマ大統領の提案でスタートしました。G8各国に加え、中国、インド、韓国、メキシコ、豪州、南アフリカ、インドネシア、ブラジルの8ヵ国、EU、国連、COP15の議長国であるデンマークが参加し、率直な対話を通じて、2009年末の気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)の成功に向けての国連交渉を活性化し側面支援すること、環境・気候変動や低炭素化に向けた技術面での協力を強化することを主な目的としています。2009年4月、5月、6月に計3回の準備会合が開催され、7月にはG8ラクイラ・サミット(イタリア)の際に首脳会合が開催されました。

(2)「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合
 京都議定書の第一約束期間が終わる2013年以降の排出削減及び抑制の約束について各国の考えを聴取することを目的とし、日本とブラジルの共同議長の下で、主要先進国及び開発途上国約20か国の政府高官等の参加を得て、2002年以降東京で毎年開催されています。本件会合は、各国の率直で自由な発言を促すため非公開とし、発言内容は必ずしも各国の公式の見解ではないとの前提で意見交換を行っています。

(3)クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ
 このパートナーシップは、クリーンで効率的な技術の開発・普及を通じた環境汚染、エネルギー安全保障、気候変動問題への対処を目的とし、2005年7月に米国、豪州、中国、インド、韓国、日本の6か国により、発足しました。このパートナーシップは米、中、印といった京都議定書上の削減義務を負っていない国々を実質的な温室効果ガス削減努力に参加させていく上で有意義な取組みと考えられ、京都議定書を補完するものと位置づけられています。2007年にはカナダもメンバーに加わり、計7か国で官民を支えたパートナーシップを築き、様々な協力を推進しています。

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