ザンビア共和国

基礎データ

令和6年9月10日
ザンビア共和国国旗

一般事情

1 面積

752.61千平方キロメートル(日本の約2倍)

2 人口

2,057万人(2023年:世銀)

3 首都

ルサカ (海抜1,272メートル)

4 民族

73部族(トンガ系、ニャンジャ系、ベンバ系、ルンダ系)

5 言語

英語(公用語)、ベンバ語、ニャンジャ語、トンガ語

6 宗教

8割近くはキリスト教、その他 イスラム教、ヒンドゥー教、伝統宗教

7 国祭日

10月24日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
1964年 独立(旧宗主国英国)、カウンダ大統領就任
1973年 第二共和制(一党制施行)
1990年 第三共和制(複数政党制移行)
1991年 チルバ大統領就任(第2代大統領)
1996年 チルバ大統領再任
2002年 ムワナワサ大統領就任(第3代大統領)
2006年 ムワナワサ大統領再任
2008年 ムワナワサ大統領逝去、バンダ大統領就任(第4代大統領)
2011年 サタ大統領就任(第5代大統領)
2014年 サタ大統領逝去
2015年 ルング大統領就任(第6代大統領)
2016年 ルング大統領再任
2021年 ヒチレマ大統領就任(第7代大統領)

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ハカインデ・ヒチレマ大統領(His Excellency Mr. Hakainde Hichilema
2021年8月24日就任(任期:2026年8月まで)

3 議会

国民議会(一院制、議員任期5年)、166議席(選挙区選出156、大統領指名議員最大8、議長、第一副議長)

4 政府

  • 副大統領:ムタレ・ナルマンゴ(Her Honour Mrs. Mutale Nalumango
  • 外務・国際協力大臣:ムランボ・ハマクニ・ハインベ(Hon. Mulambo Hamakuni Haimbe

5 内政

  • (1)1964年の独立以来、概して内政は安定的に推移している。1991年10月には複数政党制による選挙が実施され、チルバ氏がカウンダ初代大統領に圧勝し第2代大統領に就任した。2001年12月にはムワナワサ元副大統領が大統領選で当選した。
     ムワナワサ第3代大統領は、自らの政権を「ニューディール政権」と称し、汚職の追放と専門家登用による実務重視の政治を実践し、チルバ前政権時代の汚職に厳しく対応した。
     2006年9月の総選挙において、ムワナワサ大統領が再選。同国の最大の課題といえる貧困削減及び経済構造改革に取り組んだが、2008年6月、AU総会出席のためエジプトを訪問中に同大統領は脳卒中で倒れ、8月に仏で死去。
  • (2)2008年10月、大統領補欠選挙によりバンダ副大統領(当時)が第4代大統領に選出された。バンダ大統領は故ムワナワサ政権の路線を継続し、経済成長政策を重視。2030年までの長期的国家戦略「ビジョン2030」を打ち出し、2011年2月策定した「第6次国家開発計画」(SNDP)の下、2030年の中進国入りを目指して取り組んだ。
  • (3)2011年9月の総選挙において、複数政党制導入以来、政権を担ってきたMMD(複数政党制民主主義運動)に代わってPF(愛国戦線)が政権を握り、サタPF党首が第5代大統領に就任した。サタ大統領は、選挙公約に掲げた雇用創出、産業開発、経済多角化等に取り組んだが、2014年10月、病気療養のため滞在していた英国で死去。
  • (4)2015年1月、補欠選挙にて、与党PFのルング国防大臣兼法務大臣(当時)が勝利し、第6代大統領に就任した。ルング大統領は産業構造改革や貿易投資誘致に取り組み、2016年8月の大統領選挙にも勝利。2021年までの5年の任期で再び大統領に就任した。
  • (5)2021年8月12日に総選挙(大統領選挙、国民議会選挙、地方選挙)が行われ、野党第一党の国家開発統一党(UPND)のヒチレマ候補が与党候補である現職のルング大統領に勝利。8月24日に就任式が行われ、平和裡に政権移行が実現した。ヒチレマ政権は、経済再建を最重要課題としつつ、反汚職、民主主義、法の支配及びグッドガバナンスを重視。

外交・国防

1 外交

  • (1)伝統的に近隣諸国との善隣関係と平和外交に努めており、紛争の多発する周辺地域の中で中立政策を維持しつつ、地域和平の構築に尽力。1994年にはアンゴラ和平合意を仲介、1999年にはコンゴ(民)和平合意を成立させた。
  • (2)南部アフリカ開発共同体(SADC)、東南部アフリカ市場共同体(COMESA、本部はルサカに所在)の主要メンバーであり、地域の安定・共存を外交の基本に据える。
  • (3)民主的改革を掲げるヒチレマ政権は、発足以来、米・西欧諸国との協調を強めている。

2 軍事力

  • (1)予算 326百万米ドル(2022年)
  • (2)兵役 志願制
  • (3)兵力 16,000人(2020年)

(世銀)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

鉱業(銅、コバルト等)、農業(トウモロコシ、綿花、タバコ、大豆)、観光

2 GDP

281億米ドル(2023年:世銀)

3 一人当たりGNI

1,320米ドル(2023年:世銀)

4 経済成長率

5.8%(2023年:世銀)

5 物価上昇率

10.9%(2023年:世銀)

6 失業率

5.9%(2023年:世銀)

7 総貿易額

  • (1)輸出 111.41億米ドル
  • (2)輸入 70.96億米ドル

(2021年:WTO)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 銅、コバルト、セメント、たばこ等
  • (2)輸入 化学製品、石油製品、薬剤等

9 主要貿易相手国

  • (1)輸出 スイス(42.0%)、中国(18.9%)、シンガポール(13.5%)、コンゴ(民)(9.7%)
  • (2)輸入 南アフリカ(31.3%)、中国(12.6%)、インド(6.3%)、UAE(5.7%)

(2021年:世銀)

10 通貨

ザンビア・クワチャ(ZMW)

11 為替レート

1米ドル=20.21ZMW(2023年:Bank of Zambia)

12 経済概況

  • (1)独立以来、銅の生産に依存するモノカルチャー経済である。農業や観光等を中心とした産業構造改革を最優先の政策の一つとして掲げる。
  • (2)銅の国際価格上昇による銅生産増大を背景に、6%前後の経済成長率を維持していたが、2014年秋以降、国際価格下落に伴う鉱業セクターの低迷に始まり、現地通貨安、降雨量不足を背景とした計画停電など、経済は悪化。2020年11月、ユーロ債の利払いを履行できず、新型コロナウイルスの感染拡大以降、アフリカ初の債務不履行国となった。
  • (3)2016年以降、財政赤字を始めとする諸問題への対応のため、財政基盤の健全化のためのIMF支援を要請し、IMFと協議を行っていたが、2022年8月、同国に対する支援プログラムがIMF理事会において承認された。
  • (4)G20共通枠組の下、債務再編を進めるための公的債権者委員会(共同議長:仏・中国)で協議の結果、2023年6月、公的債権者委員会が再編案の枠組みを提示し、ザンビアと合意。2024年5月末時点で債務の約75%について再編案の合意に達している。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度までの累積)

  • (1)有償資金協力 464.75億円
  • (2)無償資金協力 1,211.84億円
  • (3)技術協力実績 695.32億円

2 主要援助国(2020年、単位:百万米ドル)(DAC)

  • (1)米国(394.30)
  • (2)ドイツ(57.20)
  • (3)スウェーデン(56.35)
  • (4)英国(52.94)
  • (5)日本(21.00)

二国間関係

1 政治関係

1964年10月24日
ザンビアを独立と同時に承認
1970年1月
在ザンビア日本大使館を開設
1975年8月
在日ザンビア大使館開館

2 経済関係

日本の対ザンビア貿易
(ア)貿易額(2023年:財務省貿易統計)
輸出 167.6億円
輸入 15.9億円
(イ)主要品目
輸出 車両及び部品、ゴムタイヤ、化学製品等
輸入 コバルト、銅、貴石及び半貴石、タバコ等

3 在留邦人数

193人(2023年10月現在:外務省)

4 在日当該国人数

207人(2023年12月現在:法務省)

5 要人往来(主に2010年以降)

(1)往訪
年月 要人名
1983年3月 皇太子・同妃両殿下
1984年11月 安倍外務大臣
1999年12月 高円宮・同妃両殿下
2012年1月 加藤外務大臣政務官
2012年2月 参議院ODA調査団(団長:友近聡朗参議院議員)
2014年6月 秋篠宮同妃両殿下
2014年10月 中根外務大臣政務官(独立50周年記念式典出席)
2015年12月 黄川田外務大臣政務官
2016年3月 第134回IPU会議日本国会代表団(団長:鈴木俊一衆議院議員)
2016年5月 大岡財務大臣政務官(AfDB年次総会)
2017年1月 末松国土交通副大臣
2017年6月 武井外務大臣政務官
2018年7月 堀井外務大臣政務官(アフリカ貿易投資促進官民合同ミッション)
2023年8月 西村経済産業大臣
2023年9月 参議院ODA調査団(団長:舞立昇治参議院議員)
2024年7月 AU議連(山際大志郎衆議院議員他)
(2)来訪
年月 要人名
1980年9月 カウンダ大統領夫妻(国賓)
1993年10月 ペンザ蔵相(アフリカ開発会議)
1998年10月 ナワクイ蔵相(第2回アフリカ開発会議)
2003年9月 ムワナワサ大統領(TICAD III)
2005年1月 ムワナワサ大統領夫妻(公式実務訪問賓客)、随行閣僚3名(ムワンザ内務相、マガンデ財務・国家計画相、ンシンゴ建設・調達相)
2008年5月 ムワナワサ大統領夫妻(TICADIV)、随行閣僚4名(パンデ外相、マガンデ財務・国家計画相、ムタティ商業・貿易・産業相、サイフワンダ農業・協力組合相)
2010年1月 ムソコトワネ財務・国家計画相(21世紀パートナーシップ招へい)
2010年7月 シンバオ保健相(徳州会招へい)
2010年10月 チトゥウォ科学技術・職業訓練相(第二回日アフリカ科学技術大臣会合)
2010年10月 ナムガラ環境相(COP10ハイレベル・セグメント)
2011年3月 ムタティ商業・貿易・産業相(21世紀パートナーシップ招へい)
2012年10月 サタ大統領(実務訪問賓客)
2012年12月 ルビンダ外相(原子力安全に関する福島閣僚会議)
2013年5月 ムカンガ鉱物・エネルギー・水開発相(日アフリカ資源大臣会合)
2013年6月 サタ大統領(TICAD V)
2013年10月 シムウサ外相及びカラバ国土天然資源環境保護相(水銀に関する水俣条約外交会議)
2015年3月 ウィナ副大統領(第3回国連防災世界会議出席)
2015年5月 ヤルマ鉱物・エネルギー・水開発相(第2回日アフリカ資源大臣会合)
2018年10月 マランジ外相(TICAD閣僚会合)
2018年12月 ルング大統領(実務訪問賓客)、シカズウェ大統領府担当相、マランジ外相、ムワナカトウェ財相、ヤルマ商業貿易産業相、チトテラ住宅インフラ開発相(以上、ルング大統領の訪日に随行)
2019年8月 ルング大統領(TICAD7)、シカズウェ大統領府担当相、マランジ外相、ヤルマ商業貿易産業相(以上、ルング大統領の訪日に随行)
2019年10月 マランジ外相(即位の礼)
2024年4月 カブスウェ鉱山・鉱物開発相(鉱業投資セミナー)
2024年8月 ムソコトワネ財務・国家計画相(TICAD閣僚会合)

7 二国間条約・取極

  • 1965年8月 貿易協定発効
  • 1970年4月 青年海外協力隊取極
  • 1971年1月 租税条約発効
  • 2006年6月 技術協力協定

8 外交使節

(1)ザンビア駐箚日本国大使
竹内 一之 特命全権大使 (2022年12月着任)
(2)本邦駐箚ザンビア共和国大使
トバイアス・ムリンビカ 特命全権大使 (2023年5月着任)
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