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キエム・ベトナム副首相兼外相の来日(結果概要)

平成19年5月28日

【ポイント】

  • 昨年11月の日越首脳会談の合意に基づき、両国の諸問題に総合的に対処する閣僚レベルの「日越協力委員会」の第1回会合を開催。
  • 関係省庁次官やビジネス関係者が同行し、積極的に日程をこなし、二国間の「戦略的パートナーシップ」構築を促進。
  • 2008年国連安保理非常任理事国選挙に関し、越側より日本の支持を表明。
  • 越側が杉良太郎氏を「特別友好大使」に任命。また、日越両国で、明年の外交関係樹立35周年を祝うことに一致。

1.ベトナム側代表団

 キエム副首相にとり外相就任後初の訪問。キエム副首相夫人の他、関係省庁次官6名、企業関係者15名を含む代表団で来日し、対日関係重視の姿勢を示した。

2.日程(5月22日-27日)

(1)23日、麻生大臣とキエム副首相を共同議長として、関係省庁幹部同席のもと、日越協力委員会第1セッションを実施。同委員会第2セッションは、25日、浜田大臣政務官とトゥアン官房副長官を共同議長代理として実施。

(2)23日、日越協力委員会に引き続き、日越外相会談を実施。

(3)安倍総理表敬、扇参議院議長や関係大臣等との会談を通し、我が国要人との関係を構築。

(4)日経「アジアの未来」での講演、越側主催の経済セミナーの実施、経済団体等との会談、またビジネス関係者の同行を通じ、経済関係の更なる強化に取り組んだ。

(5)越側による杉良太郎氏の「特別友好大使」任命式を実施。越にとって、外国人の「特別友好大使」任命は初めて。

3.日越協力委員会

(1)経緯

 昨年11月の安倍総理のベトナム公式訪問時に、両国外相を共同議長として日越協力委員会を実施することに合意。
 本件委員会は、両国間の互恵的協力関係全体について意見交換を行うことが出来る枠組。原則として、1年に1回、日越両国において交互で開催。

(2)第1セッション(23日、麻生大臣及びキエム副首相出席)

(イ)冒頭、両外相間で協力委員会設立に関する覚書に署名。

(ロ)日越双方で、EPA交渉の重要性につき一致。

(ハ)越側より、2020年までの工業国化の目標において、ズン首相要請の3案件(南北高速道路、南北高速鉄道、ホアラック・ハイテクパーク)が重要である旨説明。日本側より、2月に調査団を派遣し、現地関係者の協議会を開催しており、今後とも真剣に対応していきたい旨説明。

(3)第2セッション(25日、浜田大臣政務官及びトゥアン官房副長官出席)

(イ)日越双方でガバナンスの重要性に一致。日本側より、今後とも法整備や制度整備を積極的に支援する旨表明。

(ロ)日越双方で、平和維持への協力が重要であり、2008年から越が安保理非常任理事国入りする予定である中、積極的に協力を進めることで一致。

(ハ)日越双方で、軍縮・不拡散や原子力の平和利用で協力することに一致。

(ニ)日越双方で、本年3月に日越科学技術協力の第1回合同委員会が開催され、協力が進展していることを評価。越側より、原子力、宇宙技術を含む分野で協力を推進したい旨言及。

(ホ)越側より、資源・エネルギー分野の協力を評価しつつ、経済成長を考え、引き続き協力を促進して頂きたい旨言及。日本側より、石油・天然ガス、発電、石炭、省エネ、原子力等の具体的協力を進めていきたい旨言及。

(ヘ)日越双方で、環境保護への配慮の重要性に言及しつつ、引き続き協力していくことで一致。

(ト)日越双方で、交通運輸分野で引き続き協力することに一致。日本側より、東西回廊を活用するためにも通関手続きの簡素化を求めた。越側より、日本人観光客を年間50万人に拡大するため協力して頂きたい、また本年中に日本で第2回日越観光協力委員会を開催したい旨言及。

(チ)日越双方で、近年の活発な交流を評価しつつ、明年の外交関係樹立35周年で交流を促進することに一致。日本側より、越で日本語教育が進展しているが、日本研究でもオピニオンリーダーを育成頂きたい旨言及。

4.日越外相会談(23日)

(1)日越双方で明年の外交関係樹立35周年を然るべく祝うことで一致。

(2)日本側より、拉致問題を含む北朝鮮問題の重要性を説明しつつ、協力を要請。越側より、北朝鮮の核実験、ミサイル開発や拉致問題に反対、先般日朝国交正常化作業部会をハノイで開催したが、今後とも必要な協力を行いたい旨言及。

(3)越側より、日本の国連安保理常任理事国入りをこれまでどおり支持し、2008年の非常任理事国選挙についても支持する旨表明。

(4)越側より、6月の大陸棚限界委員会選挙で日本の候補者支持を表明。

(5)越側より、アフリカ支援に関する日本との三角協力の要請があり、日本側より前向きに検討する旨言及。

(6)日越双方で、石油価格の上昇を背景とし、原子力を含む代替エネルギーや省エネについて意見交換を実施。

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