バチカン

バチカン(Vatican)

基礎データ

平成28年7月13日

  • バチカン国旗

 (注)バチカンとは,「法王聖座(Holy See)」と「バチカン市国(Vatican City State)」の総称。「法王聖座」とは,カトリック教徒の総本山,また「法王の国」を意味し,宗教機関でありながら,国としての側面も持つ(国連を含めた多くの国際機関に「法王聖座」として加盟(ないしオブザーバー参加)している)。一方,「バチカン市国」とは,「法王聖座」に居場所を提供している領域としての国家を指す。

法王聖座(Holy See)

1 定義

 ローマ法王及びローマ法王庁(政府に相当)を総称した概念。約12億3千万人とも言われる信者を擁するカトリック教会の最高機関であり,国家としての側面も持つ。

2 元首

フランシスコ法王(第266代、2013年3月13日即位、アルゼンチン出身)

3 議会

無し。(世界カトリック司教団を代表する司教代表会議が,集団指導体制の手段として法王の諮問役を果たしている。)

4 政府

  •  法王の公務執行中央機関であるローマ法王庁(Curia Romana)が政府に相当する。その最高機関は国務省で、内務省に相当する総務局と外務省に相当する外務局が設置されている。この他に経済省,広報省など10聖省及び12評議会等が設置されている。
  • (1)首相名 ピエトロ・パロリン国務長官
  • (2)外相名 ポール・リチャード・ギャラガー外務長官

5 略史

年月 略史
64年頃 ネロ皇帝の迫害のため殉教したキリストの使徒ペテロが、バチカンの丘に葬られる。
349年 ペテロの墓の上に、聖ピエトロ聖堂建設。
756年 カロリング朝ピピンが、ラヴェンナ等の都市をローマ法王に寄進(法王領の始まり。)。
1870年 イタリア軍、法王領ローマに侵入(「ローマ問題」)。
1929年 イタリアとローマ法王庁との間でラテラノ条約締結(イタリアは、バチカン市国を独立した主権国家として承認)。

バチカン市国(Vatican City State)

1 人口

809人(2016年4月)

2 面積

0.44平方キロメートル(日本の皇居は1.15平方キロメートル)
この他、市国外のイタリア領土内に治外法権を有する施設あり。

3 言語

公用語はラテン語。また、一般に外交用語はフランス語、業務用語はイタリア語。

4 元首

ローマ法王(立法、行政、司法の全権を行使)

5 宗教

キリスト教(カトリック)

6 政治機関

バチカン市国委員会が統括し、市国政庁が執行。

外交・防衛

1 外交基本方針

  • (1)軍事力を全く持たないバチカンの外交目標は、キリスト教精神を基調とする正義に基づく世界平和の確立、人道主義の昂揚にある。そのための武力紛争の回避、人種的差別の廃止と人権の確立、発展途上国に対する精神的・物質的援助等、もっぱら人道的立場による平和提唱がバチカン外交の特色である。
  • (2)現在約180か国と外交関係を有する。特に、1989~1991年にかけ東欧諸国と相次いで外交関係を開設又は再開し、1994年6月、イスラエルとも歴史的な外交関係樹立を達成した。
  • (3)キリスト教各派の一致促進(エキュメニズム)運動を推進するとともに、世界諸宗教対話会合を1986年より開催。
  • (4)欧州安全保障協力機構(OSCE)、万国郵便連合(UPU)、国際電気通信連合(ITU)、国際移住機関(IOM)等に加盟し、国連等に常駐オブザーバーを派遣している。

2 軍事力

 軍は存在せず、スイス衛兵が法王身辺と法王宮殿を、市国警察がその他の警備に当たる。

経済

1 通貨

ユーロ

2 経済概況

 主としてイタリアを始めとするEU諸国からの輸入に依存。2014年の法王庁財政収支は2562万ユーロの赤字であった。法王庁64機関の職員2880人の人件費は1億2660万ユーロ。ただし、歳入、歳出の数値は発表されなかった。今まで発表されていなかった法王庁純資産は9億3900万ユーロ。バチカン市国財政収支は6351万ユーロの黒字であった。同市国の純資産は6350万ユーロ。バチカン市国職員数は1930人。

二国間関係

1 歴史

  • 1549年 フランシスコ・ザビエル、鹿児島に上陸。
  • 1585年 九州のキリシタン大名が派遣した伊藤マンショら天正遣欧少年使節が法王グレゴリウス13世及びシスト5世に拝謁。
  • 1615年 伊達政宗が派遣した支倉常長ら慶長遣欧使節が法王パウロ5世に拝謁。
  • 1942年 日本とバチカン、外交関係樹立(終戦後一時途絶)
  • 1952年 日本とバチカン、外交関係再開。

2 日本におけるカトリック信者数

約45万人(司教17名(その内、大司教3名)

3 要人往来

(1)往
年月 要人名
1953年 皇太子殿下(当時)
1965年 常陸宮同妃両殿下
1984年 皇太子殿下
1993年 天皇皇后両陛下
2005年 川口特派大使(元外務大臣。法王ヨハネ・パウロ2世の葬儀出席)
武藤特派大使(元外務大臣。法王ベネディクト16世の就任式出席)
2009年 麻生総理大臣
2013年 森特派大使(元総理大臣。法王フランシスコの就任式出席)
2014年 安倍総理大臣
2016年 秋篠宮同妃両殿下
岸田外務大臣
(2)来
年月 要人名
1981年 ローマ法王ヨハネ・パウロ2世
1989年 オッディ枢機卿(大喪の礼)
1990年 カプリオ枢機卿(即位の礼)
2008年 マルティンス枢機卿、ディアス法王庁福音宣教省長官
2009年 マンベルティ外務長官(外務省賓客)
トラン諸宗教対話評議会議長
2011年 サラ開発援助促進評議会議長
2012年 タークソン正義と平和評議会議長
2013年 タークソン正義と平和評議会議長
2013年 ファリーナ・バチカン図書館名誉館長(法王特使)
2015年 モンテリーズィ枢機卿
ブルーゲス・バチカン図書館長

4 在留邦人数

0名(2015年10月)

5 外交使節

  • (1)バチカン国駐箚特命全権大使 中村 芳夫
  • (2)本邦駐箚ローマ法王庁大使 ジョセフ・チェノットゥ
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