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日米外相会談(概要)

平成24年7月8日

  • 日米外相会談1
  • 日米外相会談2

 8日12時30分頃から約45分間,玄葉外務大臣は,来日中のクリントン国務長官との間で日米外相会談を行ったところ,概要以下の通り(先方:ルース駐日米国大使,キャンベル国務次官補,ラッセルNSCアジア上級部長,ヌーランド国務省報道官ほか,当方:藤崎駐米大使,横井外務報道官,松富中東アフリカ局長,伊原北米局長ほか同席)。
 
1 アフガニスタン
 玄葉大臣から,今回,国際社会より多くの協力が得られ,アフガニスタンが開発面で2015年以降も持続可能とのメッセージを発出できそうである,日本としては概ね5年間で開発分野及び治安維持能力向上に最大約30億ドル規模の支援を行う予定である旨説明するとともに,今後,定期的なレビュー・プロセスの下,東京会合を確実にフォローしていきたく,日米で協力していきたい旨述べた。
クリントン長官は,日本が東京会合を開催し,組織立った素晴らしい会議運営をし,多大な成果を上げていることに敬意を表する,日本のリーダーシップと協力へのコミットメントを高く評価する,東京会合の枠組みを前進させていきたいと応じた。

2 日米関係
(1) 総論
 玄葉大臣から,先般の総理訪米は,同盟の意義や長期的な日米関係のあり方について「共通のビジョン」を発出する等有意義なものであったと述べ,双方は,先般の野田総理訪米の成果をフォローアップしていくことで一致した。
(2)日米安保
 米軍再編について玄葉大臣から,「2+2」共同発表にしたがって,年内に成果をあげるよう,在沖縄海兵隊のグアム移転,嘉手納以南の土地の返還,日米動的防衛協力を具体化するグアム及び北マリアナ諸島での訓練場整備,等に関する協力を加速していきたい旨述べた。双方は,普天間飛行場の辺野古移設へのコミットメントを改めて確認し,米軍再編について具体的な成果を得ていくことで一致した。
 オスプレイに関し,玄葉大臣から,沖縄,岩国の反応は厳しく,日本国民が安心できるよう,事故についての十分かつ迅速な情報提供を求めた。クリントン長官は,日本の懸念についてはしっかり留意し,調査の結果を日本側と共有していくとの反応があった。
(3)TPP
玄葉大臣から,日米が協力してアジア太平洋における貿易・投資のルール作りをしていく意味は大きく,日米間の協議を前進させるようお互い更に努力していきたい旨述べた。クリントン長官は,日本のTPP交渉参加への関心の表明を歓迎している,日本の参加は大変重要との認識を示した。
(4)エネルギー
 玄葉大臣からは,米国からのLNG輸入に対する日本の高い関心について改めて提起したのに対し,クリントン長官は,日本の関心はよく理解しており前向きな結論がでることを期待しているとの反応があった。

3 地域情勢・グローバルな課題
(1) 南シナ海
 双方は,関係国が国連海洋法条約等の関係国際法に従い,対話を通じ問題を平和的に解決すべきであるとの認識で一致した。また,ASEANが作成を進めている行動規範(COC)の動きを後押しすべく日米で引き続き協力していくことでも一致した。
(2) 北朝鮮
 双方は,日米,日米韓で引き続き緊密な連携をとっていくこと,北朝鮮が非核化等に向け具体的行動をとり,根本的な姿勢の変化を示すことが必要であるとの認識を共有した。
(3) シリア
 玄葉大臣から,シリア情勢について懸念を示すとともに,日本として,制裁措置,人道支援等で協力していく姿勢について説明した。
(4) イラン
 玄葉大臣から,日本はイランの核問題の平和的・外交的解決に向けたEU3+3の取組みを引き続き支持しており,「対話」と「圧力」のアプローチに基づき米国と協力していきたいと述べた。クリントン長官は,日本の協力を評価した。

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