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APECにおける日米外相会談の概要

平成21年11月11日

(写真)

 シンガポール時間11日16時05分から約1時間、APEC出席のためシンガポールを訪問中の岡田大臣は、クリントン国務長官との間で日米外相会談を行ったところ、概要以下のとおり。

1.冒頭

 冒頭、岡田大臣から、フォートフッド陸軍基地における銃乱射事件に関するお見舞いを伝達するとともに、オバマ大統領の訪日の成功に向け努力していきたい、今日の会談では、二国間関係、アジア太平洋地域情勢及びグローバルな課題につき協議したい旨述べた。
 これに対し、クリントン長官から、今回のオバマ大統領の訪日は、これまでの準備からすれば、成果を期待できるものになるであろうとの発言があった。

2.日米関係

(1)日米同盟総論

 岡田大臣から、オバマ大統領の訪日の際には、来年が日米安保条約改定50周年であることを念頭に、日米同盟が更に深化されることが重要である旨述べた。これに対し、クリントン長官から、同大臣に同意する旨の発言があった。

(2)米軍再編

 岡田大臣から、過去の経緯や日米合意の重みは認識している、普天間飛行場移設問題についてはできるだけ早期に結論を得ていくことが必要であることは国会でも発言している旨述べるとともに、普天間飛行場の移設については、二国間のワーキング・グループで迅速に解決したい旨述べた。その上で、岡田大臣から、沖縄の歴史について説明しつつ、沖縄県民の気持ちを大切にすることも重要である、総理もこのことを強調している旨を説明した。
 これに対し、クリントン長官から、新政権が検証することの必要性は理解する、一方で、不確実な状況が続くことは好ましくなく、できるだけ早期に結論を出すことが重要である旨述べた。

(3)沖縄読谷村におけるひき逃げ事故

 岡田大臣から、既にルース大使より事件の解明に向けて日本側に全面的に協力することを保証していただいたが、クリントン長官に対しても捜査への全面的協力を重ねてお願いしたい旨述べた。これに対し、クリントン長官から、人命が失われたことは非常に遺憾である、米国としてはしっかりと協力していく旨述べた。

3.アジア太平洋地域情勢

(1)北朝鮮

 クリントン長官から、北朝鮮を六者会合に戻すための道筋を作るためボズワース特別代表を平壌に派遣することを決定した、米国は引き続き安保理決議第1874号に基づく制裁措置の実施を継続する、また、同特別代表の訪朝中及びその後の対応についても日米で緊密に協議を行いたい旨の発言があった。これに対し、岡田大臣から、日米間で緊密に連携しながら対応したい、我が国は貨物検査法案を国会に提出しており、同法案の早期成立を目指したい旨を発言した。

(2)APEC

 岡田大臣から、APECはアジア太平洋を挟んだ唯一のフォーラムであることからこれを重視している、来年は日本が議長国であり、再来年は米国が議長を務めることから、今後、APECの将来の方向性について日米間で協議していきたい旨述べたのに対し、クリントン長官から大変良い考えである旨発言があった。

(3)ASEAN(ミャンマー含む)

 岡田大臣は、近々、米ASEAN首脳会合が予定されていることに言及しつつ、米国がアジアに積極的に関与する姿勢を示していることは我が国にとり非常に有り難いことである旨述べ、ミャンマーについては、先般行われた日ミャンマー首脳会談及びキャンベル国務次官補のミャンマー訪問に言及し、2010年の総選挙が国際社会の期待に沿った形で実施されるよう日米で協力していきたい旨述べた。

4.グローバルな課題

(1)アフガニスタン

 クリントン長官から、アフガニスタンに対し概ね5年間で最大約50億ドル程度までの規模の支援を行うことを決定したことに感謝する、この支援に含まれる、警察支援、元タリバーン兵士の再統合及びアフガニスタンの持続的・自立的発展のための支援はいずれも非常に重要である旨発言し、改めて謝意の表明があった。これに対し、岡田大臣から、アフガニスタンの平和と安定は、日本にとり、また世界にとり重要である、米国と緊密に連携してアフガニスタン支援を進めていきたい旨発言。

(2)イラン

 クリントン長官から、EU3+3のプロセスの下、低濃縮ウランの第三国移送の実現に向け努力をしている旨の説明があり、イランが合意事項を履行するよう日本側からも働きかけてほしい旨の発言があった。これに対し、岡田大臣から、9月のニューヨークでの日イラン外相会談でも働きかけを行ったことを紹介しつつ、今後も米国等と協力していきたい旨述べた。

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