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日米首脳会談(概要)

平成22年9月23日

 23日午後5時10分(日本時間24日午前6時10分)から約1時間,ニューヨーク訪問中の菅総理はオバマ大統領と日米首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり(先方同席:クリントン国務長官,ジョーンズ国家安全保障担当大統領補佐官ほか,日本側同席:前原外務大臣,福山官房副長官,藤﨑駐米大使ほか)。

1.日米関係

  1. (1)日米同盟

     オバマ大統領より,日米関係は二国間のみならず,アジア太平洋の安定,世界の平和と繁栄にとって重要であり,21世紀にふさわしい日米同盟に向けて強化する方策を議論したい,経済についても日米両国民の繁栄のために関係を強化したい,この地域を越えて,世界の各地域の問題や,核不拡散及び気候変動といった日本がリーダーシップを発揮しているグローバルな課題についても議論していきたい旨述べた。

     菅総理より,日米同盟はアジア太平洋のみならず世界の平和と安定のためのインフラストラクチャーである,日米同盟を 1)安全保障,2)経済,3)文化・知的・人的の交流,の三本柱で深化させていきたい,自分の内閣では日米同盟が外交の基軸である旨述べた。

     これに対し,オバマ大統領より,総理が言及された安全保障,経済,人的交流の重要性については完全に同意する旨述べた。

  2. (2)横浜APEC

     オバマ大統領より,11月のAPECに向けて,現在両国のチームが,持続可能な成長やグリーン成長などの分野でいかなる協力が可能か作業を行っている,自分(大統領)が11月に訪日するのを楽しみにしている旨述べ,菅総理より,大統領の訪日をお待ちしている旨述べた。

  3. (3)普天間飛行場移設問題

     菅総理より,5月の日米合意に基づいて前に進めていきたい,他方,沖縄との関係など難しい課題もあり,沖縄の負担軽減に向け努力していきたい旨述べた。オバマ大統領より,難しい問題があることは理解している旨述べた。引き続き,両国で緊密に協力していくことになった。

2.アジア太平洋地域

  1. (1)アジア太平洋地域のアーキテクチャー

     菅総理より,オバマ大統領はアジア太平洋を重視していると承知しており,東アジア首脳会議(EAS)への参加を歓迎する,自分(総理)も鳩山総理が提唱した「東アジア共同体」構想に賛成しているが,米国を含めた共同体として構想したいと考えている旨述べた。

     オバマ大統領より,アジア太平洋の安全保障につき日米間で協力していきたい,EASは,日米が協力すれば,地域の平和と安定にとって非常に強力なツールとなり得ると考える旨述べた。これに対し,菅総理より完全に賛同する旨述べた。

  2. (2)中国

     両首脳は,対中関係についても議論し,東シナ海での事件を含む昨今の海洋を巡る問題について関心を持って注視するとともに,今後,日米で緊密に連絡を取っていくことで一致した。また,中国との協力関係の重要性でも一致した。

  3. (3)北朝鮮

     オバマ大統領より,六者会合再開には朝鮮半島の非核化も含め,北朝鮮がより真剣な姿勢を示す必要がある旨述べ,これに対し,菅総理より,同じ認識であり,天安艦沈没事件のほか,拉致・核・ミサイルといった諸懸案について北朝鮮の前向きな対応が必要である旨述べた。

3.グローバルな課題

  1. (1)総論

     オバマ大統領より,日本は世界的な大国であり,地域を越える諸課題について日本の役割は不可欠である,テロ対策,核不拡散,気候変動等の分野での菅総理の外交政策を高く評価する,米国としても日本と協力していきたい旨述べた。

  2. (2)イラン

     オバマ大統領より,日本による国連安保理決議第1929号に付随する措置につき謝意が表明された。

  3. (3)アフガニスタン・パキスタン

     オバマ大統領より,アフガニスタンに対する警察訓練をはじめとする支援及びパキスタンへの洪水支援などに感謝の意が表明され,菅総理より,官邸にアフガニスタン支援チームを設置し,アフガニスタン支援の具体的内容も固まってきた,民生支援を中心に支援していきたい旨説明した。これに対し,オバマ大統領より,近年の紛争は軍事面だけでは対応できず,軍民双方の協力が必要なものが多く,この観点から日本の民生支援は重要である旨発言があった。

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