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平成19年4月27日
(英語版はこちら)
1. 参照:地位協定
2. この覚書は、災害準備及び災害対応を目的とした都道府県又は他の地方の当局による在日合衆国軍隊(以下「在日米軍」という。)が使用する施設及び区域(以下「在日米軍の施設及び区域」という。)への限定された立入りを許可するための手続を定めるものである。
3. 日本国政府及び合衆国政府は、以下の理解の下、在日米軍が、上記パラグラフ2.にいう災害準備及び対応のための都道府県又は他の地方の当局の人員及び他の人員による在日米軍の施設及び区域への限定された立入りを許可することができることに合意する。
a. 在日米軍の活動は、すべての在日米軍の施設及び区域において第一に優先される。合衆国政府は、いかなる特定の限定された立入りの申請を許可又は不許可とし、下記サブパラグラフc.に揚げられたいかなる特定の人員の立入りを許可又は不許可とし、又は、ある特定の立入申請が許可された場合でも、当該立入りをいつでも終了する唯一の裁量権を有する。
b. 災害準備及び災害対応のための限定された立入りは、次のとおり定義される:災害準備のための訓練を行うため、又は、救助、医療サービス、緊急輸送、避難、食料及び水並びに他の生活必需品の確保を含む災害時の活動を行うため、在日米軍の施設及び区域を使用することを必要とする、自然又は人的要因による災害に対応するため又は準備するためにのみ許可される立入り。この人的要因による災害には、日本国又は在日米軍の施設及び区域に対する攻撃は含まない。
c. 在日米軍の施設及び区域への立入りを許可され得る人員は、次の者を含む:日本国政府の人員、災害準備及び災害対応活動を行う都道府県又は他の地方の当局の人員、並びに災害準備及び災害対応活動によって直接影響を受ける他の特定の人員。
この覚書の下で在日米軍の施設及び区域への災害準備及び災害対応のための立入りを申請する都道府県又は他の地方の当局(以下「申請者」という。)は、立入りを許可されたすべての当該申請者の人員の行為について責任を有する。日本国政府は、立入りを許可されたすべての日本国政府の人員の行為について責任を有する。
d. 日本国政府は、申請者が下記パラグラフ4.に規定する手続に従って事前に現地実施協定を作成することを確保するため、すべての可能な措置をとる。現地実施協定が作成されなければ、この覚書の下で立入りは許可されない。かかる現地実施協定は、この覚書に準拠する。
e. 申請者は、都道府県又は他の地方の当局による在日米軍の施設及び区域への立入りのための申請者の申請に起因する又は付随するいかなる人身傷害又は財産損害について責任を負う。上記は、地位協定第18条の関係規定に影響を及ぼすものでなく、影響を及ぼすものと解されない。
f. 申請者は、必要な災害準備及び災害対応活動を行うために利用可能な代替の区域がない場合、又は、申請者が、在日米軍の施設及び区域を使用することが、在日米軍の施設及び区域外の公共施設を使用することよりも明らかに効果的であることを十分に正当化できる場合にのみ、かかる申請を行う。
g. 災害準備及び災害対応のための限定された立入りは、現地の合衆国政府基地司令官の全般的な監督に服し、また、現地の在日米軍の規則の適用を受ける。
4. 在日米軍は、上記パラグラフ2.にいう災害準備及び災害対応のための限定された立入りを、以下の手続を用いて許可することができる。
a. 申請者は、災害準備及び災害対応のための在日米軍の施設及び区域への限定された立入りのため、現地の防衛施設局等の日本国政府の代表者に対し現地実施協定を作成するための申請を提出する。沖縄においては、かかる申請は、外務省沖縄事務所又は那覇防衛施設局に提出される。
b. 日本国政府は、現地基地司令官又は指定された代表者に申請を提出する前に、当該申請がこの覚書の規定に適合するものであるかを慎重に審査する。
c. 申請を受理するに当たって、合衆国指揮官(又は指定された代表者)は、申請された災害準備及び災害対応のための在日米軍の施設及び区域への限定された立入りが、施設の任務、保安又は有効性に影響を及ぼすことなく許可できるか判断するため、当該申請を審査する。
d. 現地実施協定を作成するための申請が合衆国政府に受け入れられるものである場合、米軍構成部隊指揮官又は現地基地司令官及び申請者は、責任規定、立入条件、立入期間、避難区域案の境界及び個々の特定の立入申請の承認を得るために必要な調整手続を特定する現地実施協定を作成する。
e. 申請者は、この覚書に従って作成される現地実施協定に基づき、災害準備及び災害対応のための在日米軍の施設及び区域への限定された立入りの申請を行う。
f. 申請者(又は日本国政府)が、潜在的な避難区域としての使用に適したものにするために、臨時的な設備を在日米軍の施設及び区域に設置することを望む場合、設置及び除去にかかるすべての費用は申請者(又は日本国政府)が負担する。すべての整備計画案は、当該整備計画案が実施される前に、米軍編成部隊指揮官、現地基地司令官又は指定された代表者に提出され、承認される。
g. 申請者が、在日米軍の施設及び区域においてより恒常的な設備を造ること、又は災害準備及び災害対応のための物資を備蓄することを望む場合、地位協定第2条4(a)の下での共同使用の合意の検討が行われる。
5. 在日米軍の施設及び区域を災害時の避難場所として指定する米軍構成部隊指揮官又は現地基地司令官と申請者との間の既存の合意は、この覚書に従って作成される現地実施協定によって代替される。
6. 日本国政府は、現地実施協定に含まれるすべての特定の立入条件、調整及び承認手続、並びに責任条項の履行を確保するため、すべての可能な措置をとることに同意する。
7. 日本国政府は、合衆国政府に対し、この手続の適用が日本国の法令に十分に合致するものであることを保証する。
8. この覚書の実施に関する事項は、必要に応じて日本国政府及び合衆国政府との間で協議される。