問2:日米地位協定は、在日米軍の特権を認めることを目的としたものですか。
- (答)
- 米軍は、日本と極東の平和と安全の維持に寄与する目的で日本に駐留していますが、この米軍の円滑な活動を確保するとの観点から、日米地位協定は、米軍による日本における施設・区域(一般には、米軍基地と呼ばれています。)の使用と日本における米軍の地位について規定しています。ある国家が自国内に別の国家の機関である外国軍隊の駐留を受け入れる場合、例えばNATO諸国間や日米間、米韓間の場合のように、軍隊を派遣する国との間で駐留に関する様々な事項についての条約が結ばれてきています。日米地位協定は、他国におけるこの種の条約の例も踏まえて作成されたものであり、外国軍隊の扱いに関する国際的慣行からみても均衡のとれたものです。
具体的には、日米地位協定では、米軍に対する施設・区域の提供手続、我が国にいる米軍やこれに属する米軍人、軍属(米軍に雇用されている軍人以外の米国人)、更にはそれらの家族に関し、出入国や租税、刑事裁判権や民事請求権などの事項について規定しています。このような取扱いは、日本と極東の平和と安全に寄与するため、米軍が我が国に安定的に駐留するとともに円滑に活動できるようにするために定められているものです。一方、米軍や米軍人などが我が国に駐留し活動するに当たって、日本の法令を尊重し、公共の安全に妥当な考慮を払わなければならないのは言うまでもなく、日米地位協定はこのような点も規定しています。