アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
平成17年5月23日
(注)米軍北部訓練場における本件捕獲事業の実施については、環境分科委員会の勧告を受け、日米合同委員会において以下のとおり承認された上で実施されている。
(1)沖縄島北部(通称やんばる)の亜熱帯雨林は、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、ヤンバルテナガコガネなどの希少種が生息する重要生態系地域である。しかしながら、近年これらの種は個体数が減少し、保護の努力がなされなければ絶滅さえ危惧される状況にある。なかでも、外来種であるマングースや野生化したノネコによるヤンバルクイナの捕食は、本種の存続の脅威となっている。最近の調査結果では、マングースが侵入した地域では以前生息したヤンバルクイナが確認できなくなったことが報告されている。
(2)これら希少種保護のためには、ヤンバルクイナなどが生息する地域のマングース等の除去が効果的であり、このため日米合同委員会は、環境分科委員会の勧告を受け、米軍北部訓練場におけるマングース及び野生化したノネコ捕獲プロジェクトの実施について承認し、環境省の監督の下、沖縄県は、在日米軍の協力を得て、北部訓練場における本件捕獲プロジェクトを実施することになった。この努力は、北部訓練場における絶滅の危機に瀕した種の保護という観点のみならず、沖縄全島における環境保護の努力に寄与するものである。同訓練場のマングース等をこのまま放置すると希少種を捕食するだけでなく繁殖した個体が外部地域へ分散し、より広範囲の地域における生態系を脅かす恐れがある。沖縄における絶滅危惧種の保護の重要性につき日本政府と米国政府が共通の認識を有することが、この捕獲プロジェクトの成功に不可欠と考えられた。
(3)環境分科委員会の枠組において、平成16年1月から3月にかけて北部訓練場において、マングース及びノネコ捕獲事業を実施することについて合意し、係る捕獲事業は、平成16年1月20日及び同年2月26日の日米合同委員会において承認された。さらに、この捕獲事業の前向きな結果を受けて、再度、環境分科委員会の枠組において、平成16年6月から平成17年3月にかけて北部訓練場において、マングース及びノネコ捕獲事業を実施することに合意し、平成16年6月3日、日米合同委員会において右捕獲事業が承認されている。