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日米規制改革及び競争政策イニシアティブ・5年目の報告書
(概要)

平成18年6月29日

 6月29日にワシントンで開催された日米首脳会談にあわせて公表された、「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」5年目の対話に関する両国首脳への報告書(和文(PDF)PDF / 英文(PDF)PDF)の主な記載事項概要は以下のとおり。

【日本側措置】

I.電気通信

(1)通信と放送の今後の方向性及びIP化の進展に対応した今後の競争政策等について、専門家を集め検討。

(2)新規移動体通信事業者3社に対し、1.7GHz帯と2GHz帯の周波数を割り当て。

(3)ユニバーサルサービス関連省令を改正。また、NTT東日本及びNTT西日本をユニバーサルサービス制度の適格電気通信事業者として指定。

II.情報技術(IT)

(1)2006年1月にIT新改革戦略を策定。

(2)個人情報保護、迷惑メール対策、オンライン・セキュリティ対策が進展。

(3)調達担当官の研修等によりIT調達改革を推進。

(4)(日米共通事項)日米両政府は、世界の知的財産権保護の強化のため引き続き協力。模倣品・海賊版の拡散に対処するための国際約束に関する小泉総理の提案を引き続き議論。

III.医療機器・医薬品

(1)医療機器・医薬品の価格制度改革において、画期的製品の価値を考慮。また、関係業界との意見交換等により、引き続き透明性を確保。

(2)医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、薬事承認審査能力を向上させ、引き続き薬事承認プロセスを迅速化させるべく努める。

IV.金融サービス

(1)「貸金業制度等に関する懇談会」の「座長としての中間整理」等を踏まえ、貸金業制度の見直しを検討。

(2)ノーアクションレター制度に関して、更なる利便性の向上および補完的制度の充実化を実施。

(3)2006年6月に成立した「証券取引法等の一部を改正する法律」等の制定プロセスの透明性を確保する様々な措置を実施。

V.競争政策

(1)公取委は、2006年1月より、課徴金減免制度を導入。同制度を最大限効果的に運用するために、「課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則」を制定。

(2)2006年2月、国交省は、課徴金減免制度が適用された事業者に対する指名停止期間を短縮する行政上の措置軽減を導入。

VI.透明性及びその他の政府慣行

(1)パブリック・コメント手続について、改正行政手続法においてこれを法制化し、最低30日間の意見募集期間を原則義務づける等の制度改正を2006年4月1日より実施。

(2)構造改革特別区域(特区)を引き続き日本経済再活性化の重要な要素と位置づけ、特区認定や全国化を透明な形で行うとともに、内外無差別の原則を維持。

(3)保険契約者保護機構(PPC)制度の見直しや「無認可共済」に関する新規制の導入を含む改正保険業法が4月に施行。

(4)2005年12月に銀行における保険商品の窓口販売を部分的に解禁。2007年12月までの間モニタリングを行った上で、全面解禁への移行を目指す。

VII.民営化

(1)特殊法人等整理合理化計画に基づき、2006年3月末までに、対象163法人のうち136法人について改革を実施。

(2)郵政民営化に関し、郵政民営化委員会を2006年4月に設置。郵政民営化後の日本郵政株式会社、郵便事業会社、郵便局会社、郵便貯金銀行、及び郵便保険会社の財務、会計については、他の民間企業と同様の規制の下で開示される。郵政民営化の過程における透明性の重要性を認識。

VIII.司法制度改革

(1)法務省は、必要に応じ、外弁法の適切な実施に関し日弁連等と協議。

(2)裁判外紛争解決手続において、外弁は、外弁法に矛盾しない限りにおいて、当事者を代理することができることを確認。

IX.商法

(1)三角合併に関する法務省令を改正する場合には、パブリック・コメントを実施する。また、三角合併に関する税制措置について、会社法の関連部分の施行までに結論を得る。

(2)2006年6月、株式公開買付の撤回や条件変更の柔軟化を認める証券取引法の改正法案が成立。

X.流通

 2006年5月、リース会社等の大量に自動車を所有している者の変更登録・移転登録の手続きの負担の軽減に資する道路運送車両法の改正法案が成立。

【米側措置】

I.貿易・投資関連措置

(1)ダンピング防止関連法規制がWTO上の義務に合致するよう確保。2006年2月、バード修正条項の廃止を含む2005年赤字削減法が成立(但し、一定期間同条項に基づく分配を継続)。

(2)対米外国投資委員会(CFIUS)審査手続きの見直しに関する最近の議論が米国に対する外国の投資を阻害するおそれがあるとの日本政府の懸念に留意。

(3)米国政府は、米国の特許制度に関する日本の懸念を考慮し、特許制度の問題に関し、米国議会と適切に協力を継続。

(4)保険関連規制に関し、米国は連邦監督制度に関する米国内での動きに対する日本の強い関心に留意するとともに、州別規制の調和等に向けた努力を継続。

(5)州別の建設業許可の調和・統一化に関し、米国州建設業者許可団体協会が本年末までに全国建設業者許可試験の創設に向け努力。

II.領事事項

(1)米国内での査証更新手続きに関し、米国内の日本のビジネス・コミュニティーが直面する困難に関する日本政府の深刻な懸念を理解し、手続き再開の可能性を引き続き検討。

(2)日本政府の要望に応え、2006年4月より、在札幌米国総領事館における非移民査証の申請受付を試験的に開始。このプログラムが成功すれば、日本国内及び世界の他の地域に拡大することを検討。

III.流通

(1)貨物情報の事前提出義務の緩和に関する日本政府の要請を踏まえ、十分なセキュリティー措置と効率的な物流の整合性を高めるため引き続き努力。また、C-TPAT(Customs-Trade Partnership against Terrorism)参加企業の目に見える利益を拡大するための適切な措置をとる。

(2)個人による米国への食品発送に係る負担軽減につき引き続き検討。

IV.制裁法

 米国の制裁法についての日本政府の問題意識を認識し、米国政府の考え方を説明。

V.競争政策

(1)連邦反トラスト法の適用制限及び適用除外の範囲が適切なものとなるよう、連邦反トラスト委員会や州政府等に働きかけた。

(2)司法省及び連邦取引委員会による連邦反トラスト法に基づく刑事訴追及び民事執行行為について公表していく。

VI.法律サービス及びその他の法律関連事項

(1)2005年12月、テキサス州は外国リーガルコンサルタント規則を自由化した。米国政府は、外国リーガルコンサルタント制度に関する日本政府の要望を引き続き検討。

(2)米国政府は、不当な製造物責任訴訟や不合理な損害賠償額によって被っている経済界の負担の軽減を図ってきている。

VII.電気通信

(1)商用通信衛星の輸出許可等の手続の遅れの最小化、透明性の最大化のための努力を継続。

(2)デジタルテレビ方式への移行過程における端末機器市場の競争状況について、日本政府との対話を継続。

VIII.情報技術(IT)

(1)米国政府は、生の実演に関する権利、人格権、利用可能化権等の保護の重要性を認識。またアクセスコントロールの保護が著作物の公正利用を妨げることのないよう適切な措置を取る。

(2)迷惑メール対策に関し、多面的な取り組みを継続。

IX.医療機器・医薬品

(1)在米日本企業との定期会合の開催に関し、引き続き、意見交換の場を提供。

(2)米国における治験相談実施期間等、技術的・専門的な事項について、引き続き日米の規制当局間で協議を継続。

X.金融サービス

 全米証券業協会(NASD)は、外国投資信託による新規公開株投資を制限する規則(規則2790)に関して提起された懸念について引き続き検討を行い、同規則改正の適否に関し業界と議論。

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