中東

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ムハンマド・アブダビ皇太子の訪日
(概要と評価)

平成19年12月19日

1.日程

(1)ムハンマド・アラブ首長国連邦アブダビ首長国皇太子は、12月16日(日曜日)から18日(火曜日)まで公式実務訪問賓客として来日し、17日に天皇陛下との御会見及び宮中午餐、福田総理との首脳会談及び総理主催夕食会に出席した。また、同17日に甘利経産大臣、18日に若林農林水産大臣が表敬を行った。このほか、同18日、日本・アラブ首長国連邦友好議員連盟及び日本アラブ首長国連邦協会共催の昼食会が行われた。

(2)高村大臣とムハンマド皇太子に随行して訪日したアブダッラー外務大臣との間で17日に日・アラブ首長国連邦外相会談を行った。また、本年4月に創設された日・アラブ首長国連邦合同経済委員会の第1回会合が、高村外務大臣、甘利経産大臣及びアブダッラー外務大臣を共同議長として同17日に開催された。

2.概要

(1)首脳会談

(イ)二国間関係

 福田総理より、中東・アフリカ地域最大の在留邦人社会があるアラブ首長国連邦(UAE)との緊密な関係を一層発展させるものとして、ムハンマド皇太子の訪日を歓迎し、教育協力について可能な限り協力を行っていきたい旨述べた。ムハンマド皇太子は、日・ア首連関係は理想的な関係であり、教育協力、クリーン・エネルギー導入のための技術移転を含む、石油・ガスに留まらない二国間関係の発展を希望する旨述べた。

(ロ)政治・安全保障

 福田総理から、インド洋における給油活動再開に向け最大限努力している旨述べ、ムハンマド皇太子から、日本の「テロとの闘い」に対する貢献に感謝する、日本のインド洋、アラビア海でのプレゼンスはその重要な要素であり、日本が世界の安定に果たしている役割は大きいとの発言があった。

(ハ)地域情勢

 イラン核問題、イラク情勢、中東和平に関する意見交換を行った。

(2)署名式

 首脳会談後、福田総理とムハンマド皇太子のほか、関係者の立ち会いの下、両国外相及び甘利経産大臣による日・UAE合同経済委員会第1回会合に際しての共同声明(骨子)をはじめ、計6件の文書(署名文書概要)への署名式が行われた。

(3)総理主催夕食会

 我が方から高村外務大臣、甘利経産大臣等、先方からディヤブ・アブダビ水電力庁長官、アブダッラー外相、ユーセフ・オメール・アブダビ石油公社(ADNOC)総裁等が出席し、夕食会が行われた。

(4)宮中行事

 天皇陛下との御会見及び宮中午餐が行われた。

3.評価

(1)国賓としての1990年の故ザーイド大統領(当時)に次ぐハイレベルの要人訪日であり、両国関係において極めて重要。

(2)合同経済委員会に関する共同声明に加え、経済面での協力・契約に関する各種の文書が署名されたことは、両国間の経済関係の一層の緊密化を強く印象づけるものとなった。これは本年4月に安倍総理大臣(当時)がUAEを訪問した際に打ち出された「重層的な関係」の構想を具体的に前進させるものである。

(3)天皇陛下との御会見及び宮中午餐が行われ、我が方皇室とUAE、特にアブダビ首長家との間の関係が深められた。

(4)本年4月の安倍総理大臣(当時)のUAE訪問時に創設決定が発表された同委員会の第1回会合が開催され、3つの小委員会の設立決定など、具体的な成果に至った。

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