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日本国とトルクメニスタンとの間の友好、パートナーシップ及び協力の一層の発展に関する共同声明

骨子

 グルバングルィ・ベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領は、日本国政府の招待により、2009年12月16日から18日までの日程で日本国を公式訪問し、12月16日に鳩山由紀夫日本国内閣総理大臣と会談した。
 鳩山日本国内閣総理大臣とベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領(以下「双方」という。)は、
 日本国とトルクメニスタンとの間の友好関係が良好に発展してきたことに満足の意を表し、
 トルクメニスタン大統領の今回の訪日が、両国間の友好関係を拡大し、より高い水準に引き上げる重要な歩みとなったことを指摘し、
 伝統的な友好と相互理解の精神にのっとって行われた会談の結果を肯定的に評価して、
 以下のとおり表明する。

1.政治分野における協力

 双方は、最高レベル及び高いレベルの政治対話が、政治、経済、科学技術、文化・人文分野等における両国の協力の発展にとって大きな意義を有することを強調する。
 双方は、両国間に存在する友好の絆と相互の信頼を再確認しつつ、両国関係の更なる強化を図るため、様々なレベルにおける両政府間の対話を強化するとともに、二国間の諸課題、国際情勢等について、外務省間政務協議等の種々の会合・協議を今後とも活発に行っていくことを確認する。また、両国民の代表たる両国議会の議員間の交流の拡大を含む政治対話が促進されることを期待する。

2.「中央アジア+日本」対話の下での協力

 双方は、「中央アジア+日本」対話が、日本国と中央アジア諸国との間の協力及び中央アジアにおける地域内協力の促進に資する有益な枠組みであることを認識する。
 双方は、中央アジア地域の持続的かつ未来志向の発展の重要性を踏まえ、「中央アジア+日本」対話を充実させるよう努めていく。

3.両国経済関係の一層の進展のための協力

 双方は、貿易・経済関係の強化のために必要な環境整備に努める意図を表明するとともに、トルクメニスタンにおける活動への日本企業の積極的な参加に対する期待を表明する。この関連で、双方は、企業活動の発展に向けた一層のビジネス環境の整備に努める意図を表明する。
 双方は、両国の貿易・投資関係の拡大に資する日本貿易振興機構(JETRO)及びロシアNIS貿易会(ROTOBO)の取組の有効性を確認する。
 また、双方は、2009年12月16日に東京において開催された日本・トルクメニスタン及びトルクメニスタン・日本両経済委員会の第8回合同会議の成果を高く評価するとともに、両国企業が両国関係を強化するためのプロジェクトの実施に合意したことを歓迎する。
 この関連で、双方は、二国間経済関係の重要な調整メカニズムである両委員会の枠組みにおける協力に大きなポテンシャルがあるとの認識を共有し、貿易投資環境の整備を始めとする協力の効率性を向上させる意向を表明する。

4.政府開発援助(ODA)による協力

 トルクメニスタン側は、日本国政府がODAを通じた二国間協力を一層拡大することへの希望を表明した。
 日本側は、地震国としての経験を活かし、技術協力プロジェクト「地震モニタリング改善プロジェクト」の実施の可能性に向けた検討を開始することを表明した。

5.文化・人的交流の促進

 双方は、両国間の相互理解の増進並びに相互信頼及び友好の強化に向けて、両国間の文化・人的交流を一層促進することが重要であるとの認識を共有し、文化、教育・科学、観光、スポーツその他の分野における交流を促進していく意向を表明する。
 双方は、アザディ名称世界言語大学における日本語学科の設立が、今後の両国民間の相互理解の一層の促進に果たす役割の大きさを確認する。これに関し、トルクメニスタン大統領は、同学科設立以来、日本から派遣されてきた日本語講師の功績を高く評価するとともに、同大学における日本語教育環境の更なる整備に向けて今後も支援していくことを確認した。

6.国際場裡における協力

 双方は、貧困、麻薬、環境汚染、感染症等の地球規模の課題に効果的に対処するためには、人間の安全保障の考え方が重要であるとの認識の下、同概念の推進に向け、国連を始めとする国際場裡において協力する。
 双方は、地球環境問題の解決に向けた努力の必要性につき認識を共有し、気候変動、生物多様性の保全等の分野における取組を強化していくことで一致した。
 双方は、国際連合改革の早期実現のため協働して積極的に取り組んでいく決意を表明する。
 双方は、国際テロリズム及び麻薬の不正取引が国際の安全と安定に対する深刻な脅威であるとみなし、これらの脅威に共同で対処するため、二国間及び多国間の協力を強化する。
 双方はまた、大量破壊兵器の問題を含む軍縮・不拡散に向けた取組についても、来るNPT運用検討会議を含め、国際場裡で連携していくことで一致した。

 トルクメニスタン大統領は、温かい歓迎に感謝の意を示すとともに、日本国内閣総理大臣が、都合の良い時期にトルクメニスタンを公式訪問するよう招待した。日本国内閣総理大臣は、これに対し感謝の意を表した。

2009年12月16日、東京


日本国内閣総理大臣
鳩山 由紀夫
トルクメニスタン大統領
グルバングルィ・ベルディムハメドフ
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