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日本・トルコ共和国共同声明

平成20年6月6日

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    (写真提供:内閣広報室)


 アブドッラー・ギュル・トルコ共和国大統領閣下は、2008年6月4日から8日の日程で、日本を公式訪問した。福田康夫日本国内閣総理大臣閣下は、トルコの大統領として初めての二国間公式訪日となる今般訪日を歓迎した。両首脳間は、幅広い未来志向の会談が行い、二国間関係の更なる発展に向けて、以下の共同声明を発出した。

I.両国関係の戦略的重要性

  1. 両首脳は、アジア大陸の両端に位置する日本とトルコの両国が、1890年の有名なエルトゥールル号事件という劇的な出会いを含め、19世紀後半、近代における友好関係を開始し、その友好関係を、20世紀を通じて現在に至るまで、両国民の親近感と互いへの敬意に基づいて、着実に発展させてきたことを確認した。
  2. 両首脳は、21世紀に起きている国際社会の根本的変化は、日本・トルコ関係がより強固でダイナミックな関係に発展し、両国が協力して国際社会が直面する様々な課題の解決に貢献することを求めているとの認識を共有した。
  3. トルコ側は、グローバリゼーションの時代におけるアジアのダイナミックな発展に注目し、「Look East」の名の下に、東の世界との新しいパートナーシップを模索していること、また、多くのトルコ国民は、独自の文化を維持しながら近代化に成功した日本の経験から学ぶべき点は多いと感じていることを強調した。
  4. 日本側は、トルコを、欧州、アジア、中東を結び、幾多の文明や文化の十字路となってきた戦略的に重要な役割の観点から、地域の平和、安定と繁栄の鍵を握る国と認識しており、特に近年、日本が重視する中東、コーカサス、中央アジア、バルカン、黒海地域を含む地域の安定及び発展において、トルコの果たす役割がより一層重要になってきていることを一層深く認識してきていることを表明した。
  5. 両首脳は、グローバリゼーションが進展する中、このような双方向的な関心の高まりは、政治、経済、文化を含むあらゆる分野において日本とトルコの二国間関係強化のための絶好の機会を提供していることを確認した。また、両国が、自由、人権、民主主義、法の支配、市場経済といった普遍的価値観を共有し、地球環境、平和構築、大量破壊兵器の不拡散、テロ対策、アフリカ開発といった国際社会共通の課題への取り組みにおいて、パートナーシップを強化する意志を有することを確認した。
  6. 両首脳は、両国の間に存在する潜在力を最大限に活用するためにはより一層の協力が重要であり、ギュル大統領の訪日は両国間の協力関係を新たな次元に高める絶好の機会となることを確認した。

II.政治関係

  1. 両首脳は、2004年4月のレジェップ・タイップ・エルドアン・トルコ首相の訪日、及び、2006年1月の小泉純一郎日本国内閣総理大臣のトルコ訪問をはじめ、両国間のハイレベルの要人往来が活発化していることを歓迎した。また、両首脳は、両国の議員連盟の活動を歓迎し、議員連盟が二国間関係の発展に貢献していることを評価した。両首脳は両外相間を含め、閣僚レベルでの頻繁な協議の機会を増加させる意思を表明した。
  2. 両首脳は、2007年5月にアンカラにおいて外務次官協議が開催されたことを歓迎しつつ、二国間関係、国際情勢を協議するために、既存の局長級協議を含め、高級事務レベルの会合を続けていくことで一致した。両首脳は、両国において交互に原則年一回、次官級協議を開催することで一致した。

III.経済関係

  1. 両首脳は、若く優秀な労働力を豊富に有する有望な新興国経済の一角であり、エネルギー輸送の要衝であるトルコの経済的潜在力を認識し、貿易や直接投資を含む両国間の経済交流の一層の発展のために、民間企業の活動や取組を引き続き支援する意向を表明した。両首脳は、日本・トルコ・ビジネス・フォーラムが東京にて6月5日に開催されたことを歓迎するとともに、日本トルコ経済合同委員会が1987年の設立以来果たしてきた重要な役割を評価した。また、両首脳は官民による対話が重要である点で一致した。
  2. 両首脳は、観光が両国民の相互理解と友好関係のために重要であると認識し、2007年にトルコを訪問した日本人が過去最多の16万人を超えたことを歓迎した。日本側は、トルコが日本で行う観光プロモーションを支援し、トルコ側は、日本政府が実施している訪日外国人旅行拡大政策(ビジット・ジャパン・キャンペーン)を理解し、訪日トルコ人の増加に向けた協力を図っていくことを表明した。この点で、両首脳は、2010年を、日本とトルコの観光交流年とすることで一致した。両首脳は、観光促進において両国間直行便が果たしている役割の重要性を強調した。この観点から、トルコ側は、関係当局がトルコ航空の東京行き便の増便を検討するよう要請し、日本側は、この要請に留意した。また、両首脳は、環境性能に優れた次世代の日本のリージョナル・ジェット・プロジェクトの成功に対する期待を表明した。

IV.経済協力

 トルコ側は、日本政府がこれまでに「ボスポラス海峡横断地下鉄整備計画」等の大型円借款や震災対策分野等の支援を積極的に実施してきていることに感謝の意を表明した。日本側は、今後の経済協力の方向性をトルコ側と協議するために、日本政府の経済協力政策ミッションをトルコへ派遣することと伝えた。

V.文化交流

 両首脳は、両国民間の一層の相互理解の促進のため、文化交流、留学生交流及び青少年交流の重要性を強調した。この文脈で、アンカラにおける土日基金文化センターが果たしてきた積極的な役割を評価した。また、両首脳は、カマン・カレホユック遺跡における20年以上に及ぶ日本の発掘調査隊の活動を評価し、財団法人中近東文化センターアナトリア考古学研究所が整備を進めている施設計画、及び日本政府の資金協力による「カマン・カレホユック考古学博物館」建設計画がともに順調に進展していることを歓迎した。

VI.国際場裏での協力

  1. 両首脳は、中東地域の安定と繁栄のため、特に、中東和平、イラク復興支援、アフガニスタン復興支援、アフガニスタン・パキスタン協力、テロとの闘い等の分野で、協力していくことを確認した。中東和平について、両首脳は、2007年11月のアナポリス会議において再開され、継続中のイスラエルとパレスチナ間の交渉に対する強い支持を表明した。また、両首脳は日本の「平和と繁栄の回廊」構想やトルコの「タルクミヤ産業団地」構想を含め、対パレスチナ支援の面でも情報共有と協力を進めていくことに同意した。両首脳は、これら構想が、自立可能なパレスチナ経済を創設する上でも、また、2007年12月のパリ支援国会議で構想された将来のパレスチナ国家の社会経済的なキャパシティ・ビルディングを促進する上でも重要であることを強調し、関係者に対し、これら構想の実施を促進するために最大の努力を払うよう要請した。更に、日本側は、イスラエルとシリア間の交渉に関するトルコの最近の仲介努力を高く評価した。
  2. アフリカ開発について、日本側は本年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)へのトルコのオブザーバーとしての参加を歓迎した。トルコは今年8月にトルコ・アフリカ協力サミットを開催する予定であり、両首脳は、アフリカ開発の分野でも協力を強化することで一致した。
  3. 両首脳は、地球環境問題、特に気候変動問題の重要性につき認識し、両国が国際社会においてふさわしい形で責任を果たすべく、実効性のある2013年以降の枠組みの構築に積極的に参加し、また、そのような枠組みの下で、温暖化対策について相応の努力を行い、協力していくことで一致した。この文脈において、トルコ側は、2007年5月に発表された日本政府のイニシアティブ「クールアース50」、及び2008年1月に発表された「クールアース推進構想」を歓迎し、支持を表明した。
  4. 両首脳は、大量破壊兵器等の拡散の危険性が、中東や東アジアをはじめ、国際社会の平和と安定を脅かす深刻な脅威であるとの認識を共有するとともに、核兵器不拡散条約(NPT)体制をはじめとする軍縮・不拡散レジームを強化する国際的な努力、及び「拡散に対する安全保障構想(PSI)」のような取組において協力を強化していくことで一致した。両首脳は、北朝鮮に関し、六者会合の合意に基づく朝鮮半島の非核化、ミサイルによる脅威の除去、及び拉致問題を含む人権に関する懸念への対処に関して引き続き協力していくことを確認するとともに、北朝鮮に対し、これらを達成するための具体的行動を取るよう要請した。

VII.2010年トルコにおける日本年

 両首脳は、「2003年日本におけるトルコ年」の成功を想起しつつ、エルトゥールル号事件から120年目の節目を迎える2010年に、文化、経済、スポーツ、青少年等の幅広い分野での記念事業が実施される「2010年トルコにおける日本年」の成功への高い期待を表明した。両首脳は、張富士夫トヨタ自動車会長を委員長とする実行委員会が発足したことを歓迎し、両国政府として「日本年」の成功に向けて全面的な支援を行うことを表明した。

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