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TICAD V推進官民連携協議会第3回会合
議事要旨

平成25年1月30日

1.日時

 平成25年11月30日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

 外務省講堂

3.出席者

  1. (1)官側 阿部俊子外務大臣政務官(共同座長代理)
       民側 坂根正弘経団連副会長(共同座長)
  2. (2)関係省庁・機関(外務省,財務省,経済産業省,JICA,JBIC,JOGMEC,JETRO,NEXI)
  3. (3)民間企業18社の代表

4.議題

  1. (1)官民連携によるインフラ整備の推進
  2. (2)TICADV推進官民連携協議会提言の骨子

5.議事概要

(1)冒頭,出席者全員でアルジェリア事件の犠牲者に対し黙とうを行った後,阿部外務政務官より,アルジェリアで起きたテロ事件の犠牲者に対し,哀悼の意を表するとともに,国際社会と協調してアフリカを平和と安定の大地に変えていく決意を表明。次いで,外務省が設置した「安全対策の強化のための対策チーム」及びアルジェリアの事件を受けた外交政策の3本柱((ア)国際テロ対策の強化,(イ)サヘル・北アフリカ,中東地域の安定化支援,(ウ)イスラム諸国・アラブ諸国との対話・交流の促進)について説明し,あらゆる政策ツールを用いて,安全対策を含め,日本企業のアフリカ・ビジネスにおける支援を強化していく旨述べた。

(2)坂根共同座長より,アルジェリアで発生した事件の犠牲者に対して哀悼の意を表し,TICADVにおいても安全と治安について議論を深めるべきである旨述べた。また,基幹インフラの整備を官民一体となって支援することの必要性について言及するとともに,本協議会で取りまとめる提言に,日本企業の活動やアフリカ諸国の発展段階,特性に即した戦略的支援の実施及び日本政府による邦人保護体制の強化について反映させていきたい旨述べた。

(3)加瀬座長代理(経団連サブサハラ地域委員長)より,経団連が発表した「サブサハラ・アフリカの持続可能な成長に貢献するために~TICADVに向けた経済界のアフリカ戦略」について説明。

(4)続いて,外務省より,アルジェリアで発生したテロ事件を受けた政府の取組について説明。

(5)官民連携によるインフラ整備の推進

(ア)インフラ整備支援の基本方針

 外務省より,アフリカにおけるインフラ整備支援の基本方針について説明。

(イ)自由討議

【広域インフラ】

-アフリカは一か国では,我が国企業が進出するには経済規模が小さい国が多い。ODAによる支援を通して,RECs(地域経済共同体)のような単位で広域インフラを整備し,経済圏を構築していけば,貿易や投資の活性化に繋がり,新たなビジネス・チャンスも生まれる。その際に,税関手続きや法制度等を均一化していくための支援も重要。

【マスタープランからの参画】

-我が国が官民一体となって,アフリカ各国の開発に関するマスタープラン作成段階から参入していくことができれば,その国の開発に対して主導的に協力することができる。

【ソフト・インフラの整備】

-投資規模が大きくなるとロイヤリティの問題等が発生する可能性がある。その際に,投資を保護する二国間投資協定の締結などソフト・インフラが整備されているかが鍵となる。税関手続きの簡素化のようなソフト面での支援もアアフリカ側に行う必要性がある。

(6)TICADV推進官民連携協議会提言の骨子案

(ア)外務省より,TICADV推進官民連携協議会提言の骨子案について説明。

(イ)自由討議

【アフリカにおける安全確保】

-アルジェリアの事件を受け,危険地域には近付くべきではないといった主張が一部に見られるが,我が国はむしろアフリカに積極的にコミットし,アフリカの平和と安定に貢献することが,安全の向上に繋がるのではないか。

【フォローアップ】

-各国又は地域レベルでマスタープランの作成の段階から日本の官民と相手国との対話の枠組を作ってフォローアップすることが必要。進捗が遅れている国に対しては,後押ししていくことも必要。

【安全確保と情報】

-安全を確保するためには,情報収集を適切に行うことが重要。

【人的交流の重要性】

-日・アフリカ間の人的交流を官民一体となって継続的に進めることが相互理解の増進に有効である。特に,我が国を訪れてもらうことは,日本の優れた技術も含め,日本理解を深める機会となり,知日派が増える観点で重要。

【現地駐在員の円滑な受入れ支援】

-査証取得の問題や現地のコミュニティが抱える感染症の問題等,我が国企業の駐在員が,アフリカで暮らしやすいようにするための支援を行っていくべき。

【消費地としてのアフリカ】

-日本企業にとってもアフリカは資源だけでなく,市場としても重要であり,投資促進のためにはまず市場参入の支援を行う必要がある。

【その他】

-円借款等の積極的活用に関しては,数値目標の枠ありきではなく,積上げが重要。

-マクロ経済統計や国の基礎データを収集することが困難な国があり,ビジネスに支障が出ている。こうした統計データを充実させることが重要。

-日・アフリカ関係を考える際に,成功した日・ASEAN関係を参考にして,経済連結性を推進するための対話の枠組み等を設けてはどうか。

(7)閉会

 坂根共同座長より,アフリカにおいて広域インフラを官民で戦略的に支援し,広域経済圏の形成を促進していく必要がある。また,アフリカへの支援については,国益を踏まえた形で,官民連携の成功例を積み上げていくことの重要性が指摘された。最後に,阿部外務政務官より,第3回会合での議論に対して,出席者に謝意が表明され,本協議会の提言をTICADVに反映させ,官民が連携してアフリカ開発に取り組んでいく決意が表明された。


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