アフリカ

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

福田総理夫人挨拶
TICAD IV 配偶者プログラム
総理夫人主催ワーキングランチ

平成20年5月28日(水曜日)

 王妃陛下、王女殿下、アフリカ各国元首・首脳夫人の皆様、首席代表夫人の皆様
 本日はようこそおいで下さいました。福田貴代子でございます。
 この度は第4回アフリカ開発会議に際しまして、ここ横浜に皆様をお迎えすることとなり、大変嬉しく思っております。

 私ども日本人が普通「アフリカ」と言う場合には、大きく「アフリカ大陸」をイメージします。その中には50を超える国々と多種多様な気候・風土や言語が含まれていますので、ここにおいでの皆様のお国全てに触れますと、丸一日あっても話し尽くせません。また、こちらにはヴェンネマン・ユニセフ事務局長始め国連機関の専門家の皆様が揃っておいでですので、専門的なお話は皆様にお任せいたしましょう。

 (事務局長側に向かって)本日はこの昼食会にご参加いただきありがとうございます。国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)、世界銀行、そして国連世界食糧計画(WFP)。世界各国で活発に活動されている国際機関の幹部の皆様にお集まり頂き、こうしてアフリカ各国の皆様との懇談の場を提供できますことは、私の人生にとっても記念すべき日になると思います。皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。

 私自身は3人の子供を持つ1人の母親でございます。日本で生まれ、現在も女性と子供達の健康と命を守るために大変大きな役割を果たしている「母子健康手帳」について、この場をお借りして簡単にご紹介したいと思います。
 (母子手帳を手にして)これは母子保健手帳と申します。皆様のお手元にその英語版をお配り申し上げておりますので、どうぞご覧下さい。これは、横浜市のご協力によってご用意いただきました。
 日本の母親は子供を授かった時に、届けを出すと横浜市などの地方自治体からこうした母子健康手帳をもらえます。ここには母親が出産までの自分と胎児の健康状態を記入したり、出産後の赤ちゃんの成長を記録することができます。前の方のページに胎児の健康状態を記入します。赤ちゃんの定期検診の結果や予防接種の記録なども書き込む欄がありますし、母子の健康を守るために必要な知識も書いてあります。
 私の手にありますこれは、私自身が子供を授かった時のもので、40年ほど前の古いものですが今回皆様にお見せしようと思って持ってまいりました。全てが私の手で書き込んであります。最初の子どもの時はうれしくてごく細やかに何グラム増えたなど書き込みました。

 今から約60年前、日本は第二次世界大戦後の混乱の中にありました。食糧が不足し、衛生状態も悪い時代に、母胎の健康を守り、乳幼児の死亡率を下げるために、この母子健康手帳が活躍しました。そして今でも日本の母親と子供の命と健康を守るために大切に使われています。
 私は思います。このようにみどりごの成長を書きつけた手帳を大切に持ち続ける母親は、誰もがその子が無事に成長して、平和な世界に生きていってほしいと願っているはずです。

 日本政府はユニセフなどの国際機関や地元の保健機関、NGOなどの協力を得て、インドネシアやアジア諸国での母子手帳の普及に努めてまいりました。識字率の低い地域や多くの種類の言語を持つ国では、絵を使うことによって、より多くの人に理解してもらえるように工夫もしています。現在はパレスチナの西岸地区で、移動制限のために同じ保健所に通えない場合でも、別の保健所で適切な検診や治療を受けられる「命のパスポート」として、この母子手帳を広めようとしています。

 皆様方のお国と日本との間には地理的には大きな距離があります。皆様来日された時には、長いフライトにお疲れになったことと思いますので、実感されていらっしゃることでしょう。そういう物理的な隔たりや、環境や習慣の違いを越えて、女性と子供達の命と健康を守りたいと願う気持ちは皆同じだと私は信じております。

 本日は「母子健康手帳」という一つのアイデアを皆様に紹介させていただきました。そして、私どもはこれからも色々なアイデアをご紹介していきたいと思っております。こうしたアイデアや知恵をお互いに出し合いながら、私どもは、皆様と一緒に、アフリカの発展のために努力していきたいと考えております。

 この度の第4回アフリカ開発会議では「元気なアフリカを目指して」というメッセージが掲げられています。私が今までお会いしたアフリカの方々、多くはそちらのテーブルにおいでの在京大使夫人や大使館の皆様ですが、皆様とても生き生きと目を輝かせて、世界の中のご自分の国の発展のために努力しているお姿に感銘を覚えております。私はそんな皆様とこれからも友好を深め、「元気なアフリカ」を応援して参りたいと思っております。

 最後になりましたが、ここ横浜は来年開港150周年を迎える港町です。このホテルのある「みなとみらい地区」はご覧の通り高層ビルと最新技術が集まっておりますが、明日のプログラムにご参加頂ける方には、「三渓園」という日本庭園で伝統的な日本の文化をご覧いただくことができます。本日は何人かの皆様が素晴らしい民族衣装を着ておいでになっておりますが、明日三渓園では、私と外務大臣夫人の高村治子様ともども日本のナショナル・ドレスである「着物」を着て皆様をお迎えする予定ですので、どうぞ楽しみにおいでください。
 皆様の日本滞在が楽しく、意義のあるものになりますよう、心からお祈りしております。
 ありがとうございました。

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る | 目次へ戻る