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アフリカ開発会議に際して開催された昼食会では約20名のアフリカ元首夫人および大臣大使夫人と、ユニセフ、国連人口基金、世界銀行、世界食糧計画のトップが一同に会し、活発で建設的な意見交換がなされた。演説のなかで福田首相夫人や国連機関のトップ, さらに途中参加されたリベリア大統領は、アフリカの元首夫人がアフリカにおいて母子保健を推進するために活躍することを奨励した。また、アフリカにおける母子保健についてのワーキングランチ開催にむけて、ブラウンイギリス首相婦人より福田首相夫人に宛てた激励の書簡が届いた。参加者も今回のワーキングランチはアフリカの発展における重要な問題について語り合う、非常に有意義な場であったとしている。
福田総理夫人:
国連児童基金:
国連人口基金:
世界銀行:
世界食糧計画:
マリ(Mrs. Toure L. Traore): ここ数年母子保健やHIV/エイズの分野でいくらかの前進がありましたが、乳幼児や妊婦の死亡率がアフリカでは、とくに中央や西部アフリカでは、依然高いままです。ビジョン2010を通じて、アフリカ元首夫人は民間組織や地方政府、中央政府と協力し、死亡率の削減へ向けて母子保健サービス、緊急産科ケア、マラリアの予防と治療サービス、抗レトロウイルス剤の投与等を提供しています。この活動に国連機関の多大な支援も受けてきました。日本政府がこの問題をG8の主要項目として取り上げることを要請します。また、彼らの採択した決定は速やかにメディアを通じて広く周知されるべきです。技術のあるパートナーと組んで、妊婦と子どもの死亡率削減に向けてよりいっそうの努力をしなくてはなりません。わたしも努力を惜しみません。
リベリア (President Ellen Johnson-Sirleaf): 今日のトピックである母子の保健はわが国にとって、とても大きな課題です。というのも、リベリアは内戦によっていまだ統計上最悪の数値を出しているからです。しかしながら、国連機関とのすばらしいパートナーシップによって、リベリアは基本的なヘルスケアや経済成長、教育の普及等、貧困の撲滅に向けて歩んでいます。アフリカと日本のパートナーシップの象徴であるTICADではこのパートナーシップをどのように推し進めようかといった議論が始まりました。また、アフリカの経済的な課題をこなすためへの支援を継続していただけるよう、私たちアフリカの国々がどのように適切な経済政策や良い統治を実施するかといった議論もしています。私は皆さんが女性の参画と福祉を促進するため一致協力して努力をすることを奨励します。
レソト (Mrs. Mathato Mosisili): 新しいタイプの薬剤耐性結核が問題になっていますが、どのようにして、またどのくらい迅速に対処することができるのでしょうか?
世界銀行: 結核はHIV/エイズとともに取り組まなくてはなりません。世界銀行の地域研究所でも統合的な取り組みを必要としています。また、結核患者にサービスが提供されるためには保健システムを強化することも同様に不可欠です。
ナイジェリア(Mrs. Patience Jonathan): 開発のパートナーは母子の死亡率削減のためにどのような援助をしていますか。また開発後進国においては妊婦が出産で死亡した場合、医療従事者の医療責任が問われることはありませんが、このような問題はどのように対処できますか。
国連人口基金: 妊産婦死亡率が高い原因は、医療的な過失というよりはむしろ保健サービスが提供されていないことにあります。政府が国全体にサービスを普及させられない現状の中、コミュニティーにサービスを提供するための資金をいかに調達するか。例えばナイジェリアでは、このようなサービスの需要が高い。ですから、元首夫人がビジネスセクターに声をかけ、企業の社会的責任の遂行を奨励することが大切です。ナイジェリアでは、大きなビジネスセクターがあるので、良き協力体制を築き、資金調達を推進してください。
国連児童基金: 保健サービスの提供には保健システムの強化も同様に大切です。コミュニティーに基づいた統合的な保健システムは不可欠です。ユニセフは女性と子どもに対する暴力の問題にも取り組んでいます。
ブルキナファソ(Mrs. Chantal Compaore):妊婦と子どもの死亡率削減へのユニセフの取り組みに感謝します。資金不足によって、政府はリプロダクティブヘルスの提供をいくらか断念しましたが、国際機関の支援で私たちはビジョン 2010を立ち上げることができました。いまや政府は母子のためのロードマップを持っています。そして状況もいくらか改善されました。しかしながら、すべては資金次第で、特に農村部における深刻な医師不足やHIV/エイズが課題として残っています。政府はビジョン 2010について関係者が対話を持つことを奨励していますが、私たちはビジョン 2010をこえてビジョン2020を立ち上げるべき必要性を感じています。
世界食糧計画: 現在は食糧価格高騰にあり、母子の健康が優先的に配慮されなければなりません。皆さまがお国で、この栄養不良の問題にどのような取り組みをされているのかお聞かせください。
レソト(Mrs. Mathato Mosisili): ワールドビジョンなどのドナーの支援でレソトでは費用対効果の高い野菜の生産方法が推進されています。
ブルキナファソ(Mrs. Chantal Compaore): ブルキナファソではWFPの学校給食を含むさまざまな方法がとられています。また、ビジネスセクターに向けた啓発活動もしています。学校給食を全国的に広げようと努力もしています。
世界食糧計画: 学校給食プログラムは最もコストが低い人道支援活動のひとつです。この活動をより持続的なものにするために、私たちは現地調達した食糧を学校給食に利用ように努めています。例えばガーナでは学校給食に使われる食糧は通常地元で収穫されたものです。子どもたちが学校に通うことは、その国の経済成長に直接繋がっていくため、学校給食プログラムへの投資は各国の財務省が率先して行うべきではないかと私たちは考えております。そういう意味で、学校給食プログラムが社会福祉の一部としてでなく、国の未来の経済成長のための活動と認識されるよう努力しております。すべての子どもにが毎日食事を取れるようにするには何をすべきかについて世界規模での対話がますます必要となってきています。
福田総理夫人: 今から60年前、日本の家庭が貧しく、子どもたちの栄養を十分に確保できなかった時代、私も含めた日本の子どもたちは学校給食に大きな恩恵を受けました。また日本は結核で大変な時期も経験しました。7月24日に日本で結核のシンポジウムが開かれますが、ここで結核への取り組みがさらに促進されることでしょう。そして最後になりますが、現在も母子の健康促進に大きく貢献している母子手帳のような日本の経験を皆様の国でも参考にして頂ければ幸いです。また、我が国は、2005年に、保健分野において5年で50億ドルの支援を行うことを表明し、順次実施しています。