アフリカ

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

第四回TICAD閣僚級フォローアップ会合(概要)

平成24年5月7日

  • (写真)第四回TICAD閣僚級フォローアップ会合-1
  • (写真)第四回TICAD閣僚級フォローアップ会合-2

 玄葉光一郎外務大臣は,5月5日(土曜日)と5月6日(日曜日)の両日,モロッコのマラケシュにおいて,第四回TICAD閣僚級フォローアップ会合を主催し,共同議長を務めたところ,概要以下のとおりです。

1.参加者及び議題

(1)参加者

 78か国(うち,アフリカから49か国,34名の閣僚級首席代表が参加),31の地域・国際機関,NGO団体,民間セクターなど計約470名が参加。我が国より,玄葉光一郎外務大臣が出席し,開催国モロッコのエル・オトマニ外務・協力大臣とともに共同議長を務めました。

(2)議題

5月5日(土曜日)
議題1:横浜行動計画の進捗状況
議題2:現下のアフリカの経済成長と課題
議題3:ミレニアム開発目標(MDGs)の達成と2015年以降(ポストMDGs)
5月6日(日曜日)
議題4:国内及び国境を越える課題への対応
(1)平和の定着とグッドガバナンス
(2)気候変動

(3)議論の主な内容

 今回の会合は,2013年6月1日~3日に横浜で開催されるTICAD Vを約1年後に控え,TICAD Vに向けた準備プロセスの出発点として,TICAD Ⅳの横浜行動計画が順調に実施されていることを確認するとともに,TICAD Ⅴで重点を置くべき課題に向けた議論を行い,TICAD Ⅴの成功の為に全ての参加者が協力していく旨を確認しました。

2.各セッションの概要

(1)開会式

 冒頭,玄葉大臣より,今回の会合は,明年6月のTICAD Vに向けた出発点であり,TICAD Vの成功に向け,民間企業,市民社会等幅広いステークホルダーとの協力を一層推進することを表明。

(2)各セッションの概要

議題1:横浜行動計画の進捗状況

 横浜行動計画の進捗状況と,TICAD Vで重点を置くべき分野について議論。参加者からは,日本が震災を乗り越え,TICAD IVの公約を誠実に履行していることを賞賛する意見が多くみられた。

 TICAD Vでは,現下のアフリカを取り巻く環境を踏まえ,更なる成長の加速化に重点を置くと同時に,格差の是正をはじめ,より包摂的な成長を実現するための方途について議論すべきとの認識が共有された。

 玄葉大臣は,「横浜行動計画」の着実な実施を報告。また,TICAD Vでは,(1)「成長の加速化」に重点を置くこと,(2)自然災害をはじめ,多様な課題に応える必要があること,(2)成果物はTICAD IVの枠組みを維持しつつ,アフリカ側のオーナーシップに基づく取組を次期行動計画に反映することを提案し,各国から賛同を得た。

議題2:現下のアフリカの経済成長と課題

 参加者は,現下のアフリカがめざましい経済成長を遂げる一方,下方リスクも存在しているとの認識を共有。成長を強固なものとするため,民間資金の動員が不可欠であり,アフリカ自身の取組に対し,開発パートナーの一層の支援が必要との意見がみられた。

 玄葉大臣は,アフリカの最優先課題はインフラ整備であり,円借款の効果的活用とともに,PPPを通じた民間資金の活用が重要である点を指摘し,民間投資の拡大に向けた協力の方途を検討することを表明。また,食料安全保障の観点から農業の重要性に言及しつつ,日本企業の対アフリカ・ビジネスを積極的に支援することを表明。

 また,民間企業を代表し,土橋昭夫経団連サブサハラ地域委員会委員長より,日本企業としてアフリカに引き続き強い関心を持っており,官民連携してビジネスを拡大していく意図を表明。

議題3:ミレニアム開発目標(MDGs)の達成と2015年以降(ポストMDGs)

 参加者は,現行のMDGsについて,アフリカでは雇用創出及び初等教育における就学率向上などの進展がみられる一方,妊婦,乳児死亡率及びマラリアなどの指標において未だ課題が多く残されており,2015年に向けた取組を加速化させる必要があるとの点で一致。そのためには,アフリカ側の努力に限らず,開発パートナーによる支援を一層期待するとの意見がみられた。
 また,ポストMDGsについては,「人間の安全保障」をはじめとする包括的な指針を設定すべきとの認識を共有。さらに,雇用や防災など現行のMDGsが十分に対処できていない課題を包含すべきとの点も含め,ポストMDGsの策定に向けた日本の取組を支持する意見が多くみられ,TICAD Vに向けて議論を深めていくべきとの点で一致した。

議題4:国内及び国境を越える課題への対応
1)平和の定着とグッドガバナンス

 参加者は,平和と開発の関連性を強調し,かつて多くの紛争を経験したアフリカにおいて,現在では紛争の数が大幅に減少していることを評価。

 その一方,依然として様々な原因で紛争や政治的混乱が存続していること,平和が脆弱な地域があることを指摘するとともに,最近では国境を越えた問題や外部的要因に起因する問題が生じていることへの懸念を表明。これらの問題の解決には,アフリカの集団的努力,アフリカ自身の取り組みが重要であり,これに対する国際社会の支援が必要である旨強調。

 TICADVにおいては,このような平和・安定の達成のための議論が必要であり,日本を始めとする国際社会がアフリカの努力を引き続き支援するための項目が必要である点で一致。

 また,海賊問題については,沿岸諸国の海上保安及び司法能力を強化しつつ,断固たる姿勢で臨むべきとの点で一致した。

2)気候変動

 参加者は,アフリカにおいて,気候変動がもたらす洪水や干ばつが脅威となっているとの認識を共有。同時に,主に,水,食料,農業等での適応分野での取組と再生可能エネルギーを含む緩和分野での取組の必要性が共有され,「グリーン成長」を通じ,アフリカが更なる成長を遂げる機会ともなり得るとの発言がみられた。

 我が国は,昨年のTICAD閣僚級フォローアップ会合で策定を発表した「アフリカ・グリーン成長戦略」の中間報告を提示し,玄葉大臣より,今後,最終報告策定に向け,アフリカと緊密に協議をしていきたい旨発言。これに対し,参加者から,気候変動分野における日本の支援への謝意が表明されるとともに,戦略策定に向けた日本の取組を評価し,TICAD Ⅴにおいて,本戦略の具体化に向けた期待が表明された。

3.コミュニケの採択

 TICAD Vの方向性として,また,G8,G20サミットやリオ+20をはじめとする国際場裏の議論にアフリカの立場をアピールする観点から,本会合の成果としてコミュニケを採択しました。

4.二国間会談の実施

 玄葉大臣は,本会合出席の機会を捉え,スーダン,南スーダン,ベナン,ジンバブエ,セネガル,タンザニアの閣僚と二国間会談を行い,二国間関係の強化や,TICADVに向けた協議を行いました。また,玄葉大臣は,その他多くの出席関係者との間で立ち話や挨拶を行いました。


Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータに対応したソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
第四回TICAD閣僚級フォローアップ会合 |  TICADフォローアップ関連会合 | 目次へ戻る