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日本の伝統的な踊りには日本舞踊がありますが、タイにも様々な伝統舞踊があります。タイの伝統舞踊は、地域によって種類、特色は違いますが、演劇ととても密接に結びついており、演劇を構成する重要な要素となっています。タイの小学校では、タイ舞踊の授業があるところもあります。
タイ舞踊の特徴は、繊細な美しい指の動きとしなやかな腕の動きで感情を表現し、木琴や笛、太鼓などタイ独特の楽器で編成された楽団の演奏を伴奏にして踊ることにあります。また、タイ舞踊は宗教と密接に関わっており、古くは神に感謝を表す儀式で踊りを捧げるのを目的として踊られてきました。
「コーン(仮面舞踊劇)」、「ラコーン(舞踊劇)」という踊りが中心で、「ラバム・ボーラーンカディー(古典舞踊)」、「ラバム・ノッパラット(九種珠玉の舞踊)」といった舞踊があります。「コーン」はほとんど男性だけで演じられ、ラーマキエン物語における主人公、女主人公、鬼、猿等の役があります。テンポもゆっくりな場面や速い場面等色々なスタイルがあります。
(コーン)
(バム・ボーラーンカディー)
(フォーン)
北部の中心都市チェンマイを中心とした「フォーン」という踊りが有名です。北部の踊りは音楽も踊りもゆっくりしており、上品な印象を与えます。
東北部は、テンポが速く、軽快なリズムに合わせて楽しく歌い踊られるものが中心です。その理由として、厳しい乾季等気候に恵まれない土地柄であるので、歌や踊りなどで気持ちを明るくするためとも言われています。例えば、もち米を入れる竹駕籠などを手に持ってコミカルに踊る郷土芸能の「スーング」というものがあります。
(マノーラー)
現地に伝わる物語を題材とした「マノーラー」という踊りが代表的です。衣装、音楽は地理的に近接したマレーシアやインドネシアの舞踊で用いられる様式の影響が見られます。
(衣装)
タイ舞踊の衣装は、金糸、銀糸で刺繍し、宝石をちりばめたように豪華絢爛です。踊りによっては、頭に仏塔をイメージさせる金の冠をかぶったりもします。