タンザニア連合共和国
タンザニア連合共和国(United Republic of Tanzania)
基礎データ


一般事情
1 面積
94.5万平方キロメートル(日本の約2.5倍)
2 人口
6,550万人(2022年:世銀)
3 首都
ドドマ(法律上の首都であり、国会議事堂が置かれている)
(政府官庁が存在するなど、事実上の首都機能を有し、経済面でも中心となっているのはダルエスサラーム)
4 民族
スクマ族、ニャキューサ族、ハヤ族、チャガ族、ザラモ族等(約130)
5 言語
スワヒリ語(国語)、英語(公用語)
6 宗教
イスラム教(約40%)、キリスト教(約40%)、土着宗教(約20%)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1881年 | ドイツ領となる。 |
1920年 | 英国委任統治領となる。 |
1961年 | タンガニーカ共和国独立(ニエレレ首相) |
1962年 | 共和制移行(ニエレレ大統領) |
1964年 | タンガニーカ・ザンジバル合邦、タンザニア連合共和国成立 |
1985年 | ムウィニ大統領選出 |
1990年 | ムウィニ大統領再選 |
1995年 | ムカパ大統領選出 |
2000年 | ムカパ大統領再選 |
2005年 | キクウェテ大統領選出 |
2010年 | キクウェテ大統領再選 |
2015年 | マグフリ大統領選出 |
2020年 | マグフリ大統領再選 |
2021年 | マグフリ大統領逝去 |
2021年 | サミア大統領就任 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
(タンガニーカ共和国(本土)とザンジバル(島嶼)が合邦してできた連合共和国。連合共和国大統領は本土および島嶼ザンジバルの有権者の直接投票により選出される。一方で、島嶼ザンジバルには、連合共和国政府とは別の独自の司法・立法・行政自治権があり、独自の大統領を有する。本土タンガニーカのみの自治政府はない。)
2 元首
サミア・スルフ・ハッサン(SAMIA Suluhu Hassan)大統領
(2021年3月19日就任、任期は次回選挙(2025年)まで)
3 議会
一院制(任期5年)
4 政府
- (1)首相 マジャリワ・カシム・マジャリワ
- (2)外務・東アフリカ協力相 マフムド・タビト・コンボ
5 内政
1961年のタンガニーカ共和国独立、1964年のタンガニーカ共和国とザンジバルの合邦以降、ニエレレ大統領を中心とした強力な指導体制がとられ、非同盟外交を展開し、「アフリカ型社会主義」を追求した。20年以上にわたり大統領を務めたニエレレ大統領が引退表明後、1985年に選出されたムウィニ大統領は、社会主義的政策の緩和、経済自由化を推進し、1992年に複数政党制を導入した。1995年の複数政党制の下での初の大統領選挙では、与党革命党(CCM)のムカパ候補が第3代大統領に選出され、2000年の選挙でも再選された。三選を禁じた憲法に従い、ムカパ大統領は勇退し、2005年12月に行われた連合共和国の大統領選挙では、与党CCMのキクウェテ候補が選出され、2010年の選挙でも再選された。
2015年10月に実施された連合共和国大統領選挙の結果、2期10年を務めたキクウェテ大統領の後任として与党CCMのマグフリ候補が選出され、11月に大統領に就任し、その後2020年の選挙でも再選された。マグフリ大統領は、タンザニアの産業化の推進、雇用の拡大、経済開発等に優先的に取り組んだ。2021年3月、マグフリ大統領が急逝したことから、憲法の規定により、サミア副大統領が大統領に就任した。
外交・国防
1 外交基本方針
独立以降、近隣諸国の独立解放闘争支援を外交政策の中心に据えてきたが、アフリカ諸国の独立及び南アのアパルトヘイト崩壊後は、経済外交を推し進めており、幅広い諸外国との関係構築に努めている。特に、地域の平和と安定を目指し、コンゴ民主共和国及びブルンジ等大湖地域情勢の安定促進やスーダンへのPKO派遣、海賊対策等に尽力している。また、東アフリカ共同体(EAC)の経済統合推進、南部アフリカ開発共同体(SADC)の活動促進に一定の役割を果たしている。
2 軍事力
- (1)予算
- 801百万ドル
- (2)兵力
- 総兵力 27,000人(陸軍23,000人 海軍1,000人 空軍3,000人)
(ミリタリー・バランス2021)
経済(単位 米ドル)
1 主要産業(2020年:タンザニア中央銀行)
- 農林水産:
- GDPの26.9%
- 鉱業・製造・建設等:
- GDPの30.3%
- サービス:
- GDPの37.2%
2 GDP
678億米ドル(2021年:世銀)
3 一人当たりGNI
約1,200米ドル(2022年:世銀)
4 経済成長率
4.3%(2021年:世銀)
5 物価上昇率
3.3%(2021年:世銀)
6 失業率
2.6%(2021年:世銀)
7 貿易額(2020年:タンザニア中央銀行)
- (1)輸出 6,061百万ドル
- (2)輸入 8,517百万ドル
8 主要貿易品目(2020年:タンザニア中央銀行)
- (1)輸出 金、カシューナッツ、タバコ、サイザル麻、コーヒー等
- (2)輸入 石油、機械類、運輸機材、建築資材等
9 主要貿易相手国(2020年:タンザニア中央銀行)
- (1)輸出 南ア、スイス、アラブ首長国連邦、インド、中国
- (2)輸入 中国、インド、アラブ首長国連邦、日本、南ア
10 通貨
タンザニア・シリング(TSH)
11 為替レート(タンザニア中央銀行)
1ドル=約2,295タンザニア・シリング(2020年3月)
12 経済概況
独立後、社会主義経済政策を推進していたが、1980年代に入り経済は危機的状態に陥り、1986年以降、世銀・IMFの支援を得て、社会主義経済から市場経済へと転換。規制緩和等を通じ経済改革を推進したが、90年代は経済が停滞。その後2000年頃より経済成長。鉱業、情報通信、運輸、建設等の産業が順調に伸び、一定程度バランスのとれた成長がみられる。また、貧困削減に向け、労働人口の約7割を占める農業分野の成長と生産性向上に努めている。
経済協力
1 日本の援助実績(2020年度までの累計)(単位 億円)
- (1)有償資金協力(E/Nベース) 800.84
- (2)無償資金協力(E/Nベース) 1,849.33
- (3)技術協力実績(JICAベース) 972.68
2 主要援助国(2019年、単位:百万ドル)
- (1)米国(477.44)
- (2)英国(175.12)
- (3)カナダ(79.74)
- (4)スウェーデン(70.78)
- (5)日本(59.09)
二国間関係
1 政治関係
- 1961年12月
- タンガニーカ共和国独立と同時に承認
- 1966年2月
- 駐タンザニア日本大使館開設
- 1970年2月
- 駐日タンザニア大使館開設
2 経済関係
日本の対タンザニア貿易(2021年、財務省貿易統計)
- ア 貿易額
- 輸出 425.80億円
- 輸入 100.75億円
- イ 主要品目
- 輸出 自動車等輸送機械、鉄鋼、機械製品
- 輸入 金属鉱、コーヒー、ゴマ、タバコ、魚介類
3 文化関係
- (1)文化無償資金協力:視聴覚機材(1986年度)、映画制作用機材(1985年度)、理科実験機材(1981年度)、ザンジバルテレビ局への番組ソフト供与(1997年度)、国立博物館へ展示用機材(1999年度)、タンザニア国営テレビ局への番組ソフト供与(2002年度)、ンゴロンゴロ自然保護区ビジターセンター展示及び視聴覚機材整備(2010年度)
- (2)草の根文化無償資金協力:ペンバ島多目的スポーツ施設建設(2013年度)、タンザニア野球ソフトボール連盟野球グラウンド整備計画(2016年度)
- (3)日本・タンザニア協会(1978年9月28日設立)、日本タンザニア友好協会(2006年4月18日設立)
4 在留邦人数
234名(2023年10月、外務省海外在留邦人数調査統計)
5 在日当該国人数
433人(2021年12月、法務省在留外国人統計)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1974年 | 木村外務大臣 |
1979年 | 園田外務大臣 |
1982年 | 辻外務政務次官 |
1983年 | 皇太子同妃両殿下 |
1991年 | 鈴木外務政務次官 |
1997年7月 | 小泉厚生大臣 |
1999年5月 | 武見外務政務次官 |
1999年8月 | 鈴木官房副長官 |
1999年10月 | 愛知衆議院議員(特派大使) |
1999年12月 | 高円宮同妃両殿下 |
2001年4月 | 櫻田外務大臣政務官 |
2003年9月 | 矢野外務副大臣 |
2004年9月 | 日AU友好議連(自見団長) |
2005年7月 | 河井外務大臣政務官 |
2005年11月 | 日AU友好議連(矢野団長) |
2005年12月 | 矢野参議院議員(特派大使)(キクウェテ大統領就任式典) |
2006年7月 | 日AU友好議連(岩永団長) |
2007年1月 | 田中財務副大臣 |
2007年2月 | 浜田外務大臣政務官 |
2008年1月 | 高村外務大臣 |
2008年9月 | 御法川外務大臣政務官(東部アフリカ・貿易投資促進合同ミッション) |
2010年5月 | 岡田外務大臣(第二回TICAD閣僚級フォローアップ会合) |
2012年11月 | 村越外務大臣政務官 |
2013年3月 | 参議院ODA調査団 |
2013年8月 | 茂木経済産業大臣 |
2014年1月 | 三ツ矢外務副大臣 |
2014年7月 | 秋篠宮同妃両殿下 |
2014年8月 | 石原外務大臣政務官(アフリカ貿易・投資促進合同ミッション) |
2015年12月 | 木原外務副大臣 |
2017年8月 | 日AU議連(逢沢会長) |
2018年7月 | 日AU議連(三原会長代行、山際事務局長) 佐藤外務副大臣 |
2020年1月 | 参議院ODA調査団(宇都隆史参議院議員(団長)、太田房江参議院議員、鈴木宗男参議院議員) |
2024年1月 | 國場国土交通副大臣 |
2024年5月 | 辻󠄀外務副大臣 |
年月 | 要人名 |
---|---|
1981年 | ニエレレ大統領夫妻(国賓)、ムカパ情報文化相 |
1987年 | ムカパ外相 |
1989年 | ワリオバ首相・ルブバ法相(大喪の礼参列) |
1989年 | ムスヤ蔵相 |
1989年 | ムウィニ大統領夫妻(国賓)、ムカパ外相 |
1990年 | アムール第二副大統領(即位の礼参列) |
1991年 | キボナ蔵相 |
1993年 | マレチェラ首相兼第一副大統領、ムスヤ商工相(アフリカ開発会議出席) |
1994年 | キウラ公共事業・運輸・通信相 |
1996年9月 | メグジ保健相 |
1998年2月 | キクウェテ外相(EAC閣僚使節団団長) |
1998年10月 | スマイエ首相、シィムバ産業・貿易相(TICAD II) |
1998年12月 | ムカパ大統領(公式実務訪問賓客)、メグジ観光相 |
2001年10月 | マシリンギ良き統治担当国務相(非公式) |
2001年12月 | キゴダ大統領府計画・民営化担当国務相(TICAD閣僚レベル会合) |
2002年4月 | ロワサ水・家畜開発相(ナイル流域水閣僚円卓会議) |
2002年5月 | シャレフ外務・国際協力副大臣(オピニオン・リーダー) |
2003年3月 | ロワサ水・家畜開発相(水フォーラム閣僚会合) |
2003年9月 | ムカパ大統領、キゴダ大統領府計画・民営化担当国務相(TICAD III) |
2004年2月 | ムランバ大蔵相(高級実務者招聘) |
2004年3月 | キクウェテ外務国際協力相(外賓) |
2004年9月 | ンガソングワ産業貿易相 |
2004年12月 | ムカパ大統領(第18回国際自由労連世界大会出席) |
2005年5月 | シェニ副大統領(愛・地球博賓客) |
2006年10月~11月 | キクウェテ大統領(実務訪問賓客) |
2007年5月 | メンベ外務国際協力相(外賓) |
2008年5月 | キクウェテ大統領、メンベ外務国際協力相、ムクロ財務経済相(TICAD IV) |
2008年7月 | キクウェテ大統領、ムクロ財務経済相(G8サミット・アウトリーチ) |
2009年10月 | ンゲレジャ・エネルギー・鉱物相(ICEP招聘) |
2010年3月 | ピンダ首相(実務訪問賓客) |
2010年4月 | ムカパ前大統領(インターアクション・カウンシル(OBサミット)総会出席) |
2012年5月 | マキンダ国民議会議長(衆議院招聘) |
2012年12月 | ムバラワ通信科学技術相(原子力安全に関する福島会議) |
2013年3月 | ムワキエンベ運輸相 |
2013年6月 | キクウェテ大統領、ムワキエンベ運輸相他(TICAD V) |
2014年5月 | ビラール副大統領 |
2014年11月 | カワンブワ教育・職業訓練相 |
2015年3月 | ピンダ首相(第3回国連世界防災会議出席) |
2016年7月 | キクウェテ元大統領 |
2018年8月 | ムカパ元大統領(「アフリカ賢人会議」コアグループ会合) |
2018年10月 | マヒガ外務・東アフリカ協力相(TICAD閣僚会合) |
2019年8月 | マジャリワ首相、カブディ外務・東アフリカ協力相、ムピナ畜産・漁業相、ジャフォ地域行政・地方政府担当相(TICAD7) |
2019年10月 | ムクチカ大統領府公共サービス・行政機能強化担当相(即位の礼) |
2022年9月 | マジャリワ首相(安倍元総理国葬儀出席) |
2024年8月 | チュミ外務・東アフリカ協力副大臣(TICAD閣僚会合) |
7 二国間条約・取極
- 1966年 青年海外協力隊派遣取極
- 2004年 技術協力協定
8 外交使節
- (1)タンザニア連合共和国駐箚日本国大使 三澤 康 特命全権大使(2022年8月信任状捧呈)
- (2)本邦駐箚タンザニア連合共和国大使 バラカ・ハラン・ルヴァンダ大使(2021年12月信任状捧呈)