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安全保障理事会は、
同理事会の2004年6月11日の決議第1547号(2004)、2004年7月30日の決議第1556号(2004)、2004年9月18日の決議第1564号(2004)、2004年11月19日の決議第1574号(2004)、2005年3月10日の決議第1585号(2005)、2005年3月17日の決議第1588号(2005)、2005年3月24日の決議第1590号及びスーダンに関する安保理議長声明を想起し、
スーダンの主権、統一、独立及び領土の保全に対する同理事会の約束を再確認するとともに、善隣友好、不干渉及び地域協力の諸原則の重要性を想起し、
4月8日のンジャメナ停戦合意並びにスーダン政府、スーダン解放運動・軍(以下「SLM/A」という。)及び「正義と公正運動」(以下「JEM」という。)の間の2004年11月9日のアブジャ人道・治安議定書の当事者により示された約束を想起するとともに、スーダン政府及び事務総長との間の2004年7月3日の共同声明を想起し、
2005年1月9日のケニアのナイロビにおけるスーダン政府及びスーダン人民解放運動・軍(以下「SPLM/A」という。)との間の包括的和平合意の署名を歓迎し、
包括的和平合意の当事者が、全土に平和及び安定をもたらすために合意を強化しなければならないことを認識し、すべてのスーダンの当事者、特に包括的和平合意の当事者に対し、ダルフール紛争の平和的解決を達成するため速やかに措置をとること並びに人権及び国際人道法の更なる違反を防ぐため及びダルフール地域におけるものを含め処罰を免れることを終止させるためあらゆる必要な行動をとることを要求し、
ダルフール地域及びスーダン全土において、長期にわたる紛争が文民たる住民に悲惨な結果をもたらしていること、特に難民及び国内避難民の数が増加していることに重大な懸念を表明し、
難民及び国内避難民の自発的で持続可能な帰還が、和平プロセスの定着にとって決定的な要素となることを考慮し、
また、人道支援要員の安全及び支援を必要としている住民(難民、国内避難民及び戦争による影響を受けているその他の住民を含む。)へのこれら要員によるアクセスについて重大な懸念を表明し、
ダルフール地域におけるすべての当事者による2004年4月8日のンジャメナ停戦合意及び2004年11月9日のアブジャ議定書の継続的な違反、並びに治安状況の悪化並びにこれが人道支援活動に及ぼした否定的な影響を非難し、
ダルフール地域における人権及び国際人道法のすべての違反、特に決議第1574号(2004)の採択以降の文民に対する暴力並びに女性及び少女に対する性的暴力の継続を強く非難し、すべての当事者に対し、更なる暴力を防ぐため必要な措置をとることを要求するとともに、これらのすべての違反に責任を有する者を特定し、遅滞なく法に照らして処罰することを確保する決意を表明し、
包括的和平合意の実施に対する国際的な支持が、その成功にとって決定的に重要であることを認識し、ダルフールにおける紛争の解決に向けた進展が、そのような支援の供与を容易にする条件を作り出すことを強調するとともに、それにも拘わらず、ダルフールにおける暴力が継続していることを危険な事態として受け止め、
決議第1556号(2004)、決議第1564号(2004)及び決議第1574号(2004)において、ダルフールにおける紛争のすべての当事者が、文民に対するいかなる暴力も差し控え、アフリカ連合(以下「AU」という。)ダルフール・ミッションに完全に協力することを要求していることを想起し、
2005年2月16日のダルフールに関するンジャメナ・サミット、すべての点においてダルフールにおける紛争の解決を促進する上で主要な役割を果たしていくとのAUの継続的な約束並びにダルフールのラバド、カリファ、マルラからの部隊の撤退及びダルフールからのアントノフ社製航空機の撤去をも含め、直ちに措置をとるとの2005年2月16日のスーダン政府による声明を歓迎し、
AUの努力、特に議長の努力を賞賛し、AUによる国際保護部隊、警察、軍事監視員の展開が進捗していることを認識するとともに、すべての加盟国に対し、AUダルフール・ミッションに寛大かつ速やかに貢献することを要請し、
女性、平和及び安全保障に関する決議第1325号(2000)、武力紛争における児童に関する決議第1379号(2001)及び決議第1460号(2003)並びに武力紛争における文民の保護に関する決議第1265号(1999)及び決議第1296号(2000)及び人道要員と国連職員の保護に関する決議第1502号(2003)を再確認し、
2005年1月31日(S/2005/57)、2004年12月3日(S/2004/947)、2005年2月4日(S/2005/68)、及び2005年3月4日(S/2005/140)の事務総長報告、並びに国際調査委員会の2005年1月25日の報告書(S/2005/60)に留意し、
スーダンにおける事態が、引き続き国際の平和と安全に対する脅威を構成することを決定し、
国際連合憲章第7章の下で行動して、
(a) 安全保障理事会仮手続規則の規則二十八に従って、同理事会のすべての理事国により構成される同理事会の委員会(以下「委員会」という。)を設置し、委員会は次の任務を遂行する。
i このパラの(d)及び(e)、決議第1556号(2004)のパラ7及びパラ8並びに下記パラ7に規定する措置の実施を監視すること。
ii このパラの(d)及び(e)の規定により課される措置の対象となる個人を指定し、(f)及び(g)に従って、措置の適用除外に関する要請を検討すること。
iii (d)及び(e)の規定により課される措置の実施を促進するため必要な指針を作成すること。
iv 少なくとも90日毎にその作業について同理事会に対し報告すること。
v 下記パラ7に従って、ダルフール地域への軍用装備及び軍事補給品の移動に関し、スーダン政府からの要請を検討し、適切な場合は、同政府に対し事前の承認を与えること。
vi 下記(d)及び(e)並びにパラ7の規定により課される措置を実施するため加盟国がとっている特定の措置に関し、このパラの(b)により設置される専門家協議会及び加盟国、特に地域の加盟国から提出される報告書を評価すること。
vii 措置の実施について委員会と討議するため関心を有する加盟国、特に地域の加盟国の代表を招請することを含め、委員会とそのような加盟国との間の対話を奨励すること。
(b) 事務総長に対し、委員会と協議して、この決議の採択から30日以内に、4名の委員から構成され、エチオピアのアジスアベバを根拠地とし、スーダンのアルファーシル及びその他のスーダンの各場所に定期的におもむき、委員会の指導の下、次の職務を遂行するため、6箇月の期間、専門家協議会を任命することを要請する。
i 委員会が下記(d)及び(e)、決議第1556号(2004)のパラ7及び8、並びにこの決議のパラ7の措置の実施を監視するに際して支援を行い、同理事会が検討を考慮する行動について委員会に対して勧告を行うこと。
ii その作業に関する中間説明を委員会に対して行うとともに、この決議の採択の後90日以内に中間報告書を、また、その権限の終了の30日前までに、所見及び勧告を添えた最終報告書を委員会を通じて同理事会に提出すること。
iii 適当な場合には、その活動をAUスーダン・ミッション(以下「AMIS」という。)により実施中の作業と調整すること。
(c)上記(a)の規定により設置された委員会によって、加盟国、事務総長、人権高等弁務官又はこのパラの上記(b)の規定により設置される専門家協議会によって提供された情報及び他の関連する情報源からの情報に基づいて、和平プロセスを妨げ、ダルフール及び地域の安定への脅威を構成し、国際人道法若しくは人権法の違反又はその他の残虐行為を行い、決議第1556号(2004)のパラ7及び8並びにこの決議のパラ7に従って加盟国により実施される措置に違反し、又はこの決議のパラ6に述べられている攻撃的な軍の上空飛行に責任を有する者であると指定された者は、下記(d)及び(e)で定められる措置の対象となる。
(d) すべての国は、上記(c)に基づき委員会により指定されたすべての者の入国及び領域の通過を防止するため必要な措置をとる。ただし、このパラのいかなる規定も、国に対し、自国の国民の入国を拒否することを義務づけるものではない。
(e) すべての国は、この決議の採択時に又はその後いつでも自国の領域に存在するすべての資金、金融資産及び経済資源であって、上記(c)に基づき委員会により指定された者により直接的若しくは間接的に所有若しくは管理され、又はそれらの者、彼らの代理として若しくは彼らの指示により行動する者により直接的若しくは間接的に所有又は支配される団体により保持されるものを凍結すること。さらに、すべての国はいかなる資金、金融資産又は経済資源が、自国の国民又はその領域内にいる者により、そのような者又は団体の利益のために利用可能となることのないよう確保することを決定する。
(f) 上記(d)の規定により課される措置は、上記(a)の規定により設置される委員会が、個別の事例毎に、そのような移動が宗教的な義務を含む人道的な必要性を理由として正当化されると決定する場合、又は委員会が、免除がスーダン及び地域の平和と安定の創出に向けた同理事会の決議の諸目的を達成することになると結論する場合には、適用しない。
(g) この決議の(e)の規定により課される措置は、次の資金、その他の金融資産及び経済資源には適用しない。
i 関係国により、食料、賃料又は抵当、医薬品及び医療、租税、保険料及び公共料金のための支払いを含む基礎的な経費、あるいは、妥当な専門手数料又は法的役務の提供に関連して生じる費用の払戻しのために充てられる支い、あるいは、凍結された資金、その他の金融資産及び経済資源の日常の保有又は維持のための国内法に基づく手数料又はサービス料として必要であると決定されたものであって、関係国より委員会に対し、適当と認められる場合に、そのような資金、その他の金融資産及び経済資源へのアクセスを認める意図が通知され、かつ、委員会がそのような通知がなされてから2作業日以内に否定的な決定を行わない場合。
ii 関係国により、臨時経費として必要であると決定されたものであって、そのような決定が、関係国より委員会に対し通知され、かつ、委員会によって承認された場合。
iii 関係国により、司法、行政又は仲裁上の担保又は判決の対象であると決定され、当該資金、その他の金融資産及び経済資源が、その担保又は判決を充足させるために利用されるものであって、この決議の日よりも前に記録され、委員会より指定される個人又は団体の利益のためではなく、かつ、関係国により委員会に対し通知された場合。