ソロモン諸島
ソロモン諸島(Solomon Islands)
基礎データ
一般事情
1 面積
2万8,900平方キロメートル(岩手県の約2倍)
2 人口
724,273人(2022年、世界銀行)
3 首都
ホニアラ
4 民族
メラネシア系(約94%)、その他ポリネシア系、ミクロネシア系、ヨーロッパ系、中国系
5 言語
英語(公用語)の他、ピジン英語(共通語)を使用
6 宗教
キリスト教(95%以上)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1568年 | スペイン人メンダナ、サンタ・イザベル島に来航 |
1893年 | 英国、南ソロモン諸島領有を宣言 |
1900年 | 英国、独より北ソロモン諸島を取得 |
1942年 | 日本軍、ソロモン諸島を一時占有 |
1943年 | 激戦の末(戦死者約2万人)米軍に奪取され、日本軍撤退(1950年まで米軍が駐留) |
1976年 | 「ソロモン諸島」として自治政府樹立 |
1978年7月7日 | 英国から独立 |
政治体制・内政
1 政体
立憲君主制
2 元首
チャールズ三世国王(英国国王)、デビッド・ブナギ(H.E. Sir. David VUNAGI)総督(2019年7月就任)
3 議会
一院制、議員数50名、任期4年
4 政府
- (1)首相
- ジャーマイア・マネレ(Hon. Jeremiah MANELE)
- (2)外務大臣
- ピーター・シャネル・アゴヴァカ(Hon. Peter Shanel AGOVAKA)
5 内政
1997年8月の総選挙の結果、ウルファアル自由党党首を首相とする連合内閣が結成されたが、1998年末より首都ホニアラがあるガダルカナル島において先住民ガダルカナル人と移民マライタ人との間で部族対立が激しくなり、2000年6月、マライタ人武装勢力による同首相拘束事件が発生し、同首相は辞任に追い込まれた。7月にはソガバレ政権が発足、10月にはソロモン政府、ガダルカナル、マライタ両武装勢力代表の3者間で和平協定が結ばれた。
2001年12月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が実施され、ケマケザ政権が発足。ケマケザ首相は、法秩序の回復と財政再建に取り組んだが、その後も事態は深刻化し、2003年4月にオーストラリアに支援を求めた。7月、太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国の警察・軍隊からなるソロモン地域支援ミッション(RAMSI)が、ソロモンの法と秩序回復のために派遣され、2006年4月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が平和裡に実施された。しかし、首相指名選挙でリニ首相選出後、首都ホニアラ市で騒擾が発生し、ソロモン政府は同騒擾沈静化のためPIF諸国へ支援を要請。オーストラリア軍・警察要員がRAMSIへ増派された。その後、リニ首相は辞任。RAMSIが監視する中、首相指名再選挙が行われ、同年5月にソガバレ政権が発足した。治安の安定によりRAMSIは2017年6月に撤退した。
ソガバレ政権は少数5政党による連立政権であったが、同首相の政治運営に対する与野党からの不満等が高まり、2007年11月、総督に対し首相辞任要請が提起され、同年12月、同首相に対する内閣不信任案が可決された。その後行われた首相指名選挙で、野党統一候補として立候補したシクア前教育相が首相に任命された。
2010年8月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が平和裡に実施され、フィリップ政権が発足した。我が国は、同総選挙に人的及び資金的貢献を行った。
2011年11月、不信任決議動議が議会に提出されフィリップ首相の辞任により、リロ政権が誕生。
2014年11月、任期満了に伴う総選挙の結果、過去2回の首相経験を持つソガバレ氏が首相に再就任した。
2017年11月、同首相に対する不信任案が採択され、ソガバレ政権を継承するホウエニプウェラ元財相が選出された。
2019年4月、任期満了に伴う総選挙の結果、過去3回の首相経験を持つソガバレ氏が首相に再就任した。
2021年11月、ホニアラでソガバレ首相の退任を求める抗議活動が発生し、一部が暴徒化。その後、ソロモン政府の要請を受けて入国したオーストラリアオーストラリア、パプアニューギニア、フィジー、ニュージーランドの軍隊・警察が治安維持に当たり、事態が沈静化。また、中国は暴動対策警備用物資を提供するとともに警察を派遣。
2024年4月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が実施され、マネレ政権が発足。
外交・国防
1 外交
PIF等地域協力機構に積極的に参加。英、オーストラリア等英連邦諸国及び近隣諸国との友好関係推進。2019年9月、中国と国交樹立。2022年4月、中国と安全保障協力協定締結。2023年7月、中国と警察協力協定を締結。
2 国防
軍隊はない。
経済
1 主要産業
農業(コプラ、木材)、漁業
2 GDP
15.9億米ドル(2022年、世界銀行)
3 一人当たりGNI
2,210米ドル(2022年、世界銀行)
4 経済成長率
-4.1%(2022年、世界銀行)
5 物価上昇率
7.0%(2022年、世界銀行)
6 総貿易額
- (1)輸出 378.4百万米ドル
- (2)輸入 638.6百万米ドル
(2022年、アジア開発銀行)
7 主要貿易品目
- (1)輸出 木材、魚類、ココア
- (2)輸入 燃料、食糧、機械・車両
8 主要貿易相手国
- (1)輸出 中国、イタリア、インド
- (2)輸入 中国、オーストラリア、シンガポール
(2022年、アジア開発銀行)
9 通貨
- ソロモン・ドル(SI$)
- 1ソロモン・ドル=約18円(2024年5月)
10 経済概況
主要な産業は農業、林業、漁業。国家財政収入の柱の一つである林業のほか、ニッケルや金の採掘などの鉱業も低調。一部の一次産品を除き多くを輸入に依存しているため経済基盤は脆弱であり、2020年の経済成長は、マイナス4.1%であり3年連続のマイナス成長となっている。財政はオーストラリア・ニュージーランド等からの財政支援に大きく依存。
経済協力
1 日本の援助
2021年度 | 2021年度までの累計 | |
---|---|---|
(1)有償資金協力 | なし | 25.00億円 |
(2)無償資金協力 | 22.17億円 | 371.92億円 |
(3)技術協力 | 3.32億円 | 141.53億円 |
2 主要援助国
- (1)オーストラリア(112)
- (2)日本(32)
- (3)ニュージーランド(25)
- (4)米国(1)
(単位:百万米ドル、2021年、DAC)
二国間関係
1 政治関係
- 1978年7月7日
- ソロモン独立と同時に同国を国家承認
- 1980年2月
- 在ソロモン兼勤駐在官事務所を開設。在パプアニューギニア大使館が兼轄
- 1980年11月
- 臨時代理大使がホニアラ常駐
- 1990年3月
- 在京ソロモン名誉領事館を開設
- 2016年1月
- 在ソロモン大使館を開設
- 2016年4月
- 特命全権大使がホニアラ常駐
2 経済関係
- (1)貿易額(2023年 財務省貿易統計)
-
- ソロモンへの輸出 27.4億円
- ソロモンからの輸入 2.0億円
- (2)進出日本企業数 1社(2022年10月現在、外務省海外進出日系企業拠点数調査)
3 在留邦人数
63名(2023年10月現在外務省海外在留邦人数調査統計)
4 在日ソロモン人数
48名(2023年6月、法務省在留外国人統計)
5 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1978年 | 山中貞則 特派大使 |
1988年 | 上村千一郎 特派大使 |
1991年 | 鈴木宗男 外務政務次官 |
1992年 | 柿澤弘治 外務政務次官 |
2003年 | 矢野哲郎 外務副大臣 |
2010年 | 西村智奈美 外務大臣政務官 |
2011年 | 菊田真紀子 外務大臣政務官 |
2013年 | 城内実 外務大臣政務官 |
2014年 | 宇都隆史 外務大臣政務官 |
2017年 | 佐藤正久 参議院議員 |
2018年 | 薗浦健太郎 総理大臣補佐官 |
2019年8月 | 鈴木憲和 外務大臣政務官 |
2022年4月 | 上杉謙太郎 外務大臣政務官 |
2022年8月 | 鬼木誠 防衛副大臣 |
2023年3月 | 林芳正 外務大臣 |
2023年11月 | 堀井巌 外務副大臣 |
2024年5月 | 石原宏高 総理補佐官(総理特使) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1983年 | ウルファアル蔵相 |
1984年 | タラササ外相 |
1985年 | トヴァ外相(万博賓客) |
1985年 | ケジョア蔵相、ハルヒル経済計画相 |
1987年 | バートレット経済計画相 |
1987年 | ケニロレア副首相 |
1988年 | アレブア首相 |
1988年 | トヴァ経済相 |
1989年 | レピン総督夫妻(大喪の礼) |
1990年 | ポール天然資源相(花博賓客) |
1990年 | レピン総督夫妻(即位の礼) |
1991年 | ケニロレア外務・貿易相、ゲレ航空・観光相 |
1992年 | アベ蔵相 |
1995年 | フィリップ副首相兼外相(高級実務者招聘) |
1997年 | ウルファアル首相(日・SPF首脳会議) |
1998年 | デヴエシ副首相 |
1999年 | オティ外務・貿易相 |
2000年 | ウルファアル首相(第2回太平洋・島サミット) |
2001年 | ケマケザ副首相 |
2003年 | チャン外務・貿易相(水フォーラム) |
2003年 | ケマケザ首相(第3回太平洋・島サミット) |
2003年 | リニ副首相、キレ漁業相 |
2003年 | キレ漁業相 |
2005年 | ナエゾン商工相 |
2005年 | ケマケザ首相(博覧会賓客) |
2005年 | フォノ国家計画・援助調整相 |
2006年 | タウシンガ副首相(第4回太平洋・島サミット) |
2009年5月 | シクア首相(第5回太平洋・島サミット) |
2010年10月 | シャネル外務・貿易相(太平洋・島サミット中間閣僚会合) |
2012年5月 | リロ首相(第6回太平洋・島サミット) |
2012年7月 | フォラウ外務・貿易相(世界防災閣僚会議 in 東北) |
2013年10月 | ガル鉱業相(太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合) |
2015年3月 | マネトアリ環境・気候変動・防災管理・気象相(第3回国連防災世界会議) |
2015年5月 | エテ副首相(第7回太平洋・島サミット) |
2017年1月 | トザカ外務・貿易相(太平洋・島サミット第3回中間閣僚会合) |
2018年5月 | ホウエニプエラ首相、トザカ外務・貿易相(第8回太平洋・島サミット) |
2019年10月 | ブナギ総督(即位の礼) |
2022年9月 | マエランガ副首相兼インフラ開発大臣(安倍元総理国葬儀) |
2024年6月 | ボサワイ保健・医療サービス相(JICA招へい) |
2024年7月 | マネレ首相、アゴヴァカ外務貿易相、ボサワイ保健・医療サービス相(第10回太平洋・島サミット) |
6 二国間条約・取極
- 1978年 青年海外協力隊派遣取極
- 1978年 日・ソロモン漁業協定
7 外交使節
- (1)ソロモン国駐箚日本国大使
- 三輪 芳明 特命全権大使
- (2)本邦駐箚ソロモン大使(本国駐在)
- 任命されていない
- (3)在京ソロモン名誉総領事
- 北野 貴裕 名誉総領事