スロベニア共和国

基礎データ

令和3年5月28日
スロベニア共和国国旗

一般事情

1 面積

2万273平方キロメートル(四国とほぼ同じ)

2 人口

約209万人(2019年・世銀)

3 首都

リュブリャナ(人口29万3千人)(2019年1月(統計局))

4 言語

スロベニア語

5 宗教

カトリック 57.8%、イスラム教 2.4%、セルビア正教 2.3%、プロテスタント 0.8%、その他(含:不明・無信仰)37.7%(2002年国勢調査(統計局))

6 略史

年月 略史
6世紀末 スラヴ人(スロベニア人)定住開始。アヴァール王国等異民族による支配が続く。
1282年 ハプスブルグ家の所領となる。以後1918年までハプスブルグ帝国領
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国
1945年 ユーゴ構成共和国の一つとして発足
1991年6月 独立と主権を宣言
1992年1月
1992年5月
EU各国等が国家承認
国連加盟
2004年3月
2004年5月
NATO加盟
EU加盟
2007年1月
2007年12月
ユーロ参加
シェンゲン領域加入
2008年1月~6月 EU議長国
2010年7月 OECD加盟

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ボルト・パホル大統領(2017年12月再任、任期5年)

3 議会

2院制

4 政府

ヤネス・ヤンシャ首相(2020年3月就任)(注)3度目の首相就任
アンジェ・ロガル外相(2020年3月就任)

5 内政

  • (1)1990年に旧ユーゴ内スロベニア共和国において初の複数政党制による選挙が実施された後、1991年6月独立を宣言。2004年にはEU及びNATOに加盟した。政党としては、中道右派、中道左派の諸政党が存在し、過半数を占めるような強力な政党は無く、連立政権が政権を担ってきている。
  • (2)2014年7月に実施された総選挙では、中道左派の新党「ミロ・ツェラル党」(現「現代中央党」)が第1党となり、同年9月、ミロ・ツェラル党のツェラル党首を首相とする3党連立の中道左派政権が発足した。ツェラル内閣は、緊縮財政政策の下、財政安定化、経済成長、社会環境の改善等に取り組んだものの、医療・年金改革の遅れを理由に支持率が低迷、政権の一大投資プロジェクトのコペル~ディヴァチャ間第2鉄道路線建設事業の関連法案に関する国民投票が最高裁により無効と判断され、同プロジェクトが暗礁に乗り上げたことを契機に、2018年3月、ツェラル首相が辞意を表明した。
  • (3)ツェラル首相の辞意表明を受け、2018年6月、下院選挙が実施され、ヤンシャ党首率いる中道右派政党「民主党(SDS)」が第一党となり、2017年10月の大統領選挙でパホル大統領の対立候補として善戦したシャレツ前カムニク市長が立ち上げた「マリヤン・シャレツ・リスト」党(LMS)が第二党に躍進した。同年9月、連立交渉を経てLMSを中心とする中道左派政党によるシャレツ内閣が発足した。シャレツ内閣は民営化や社会補償額の引き上げなどを実施し、安定した支持率を推移していたが、少数政党の連立政権の運営に行き詰まり、2020年1月に突然の辞任を発表。
  • (4)シャレツ前首相の辞任を受け、民主党(SDS)、現代中央党(SMC)、新スロベニア(NSi)、年金者党(DeSUS)の4党が連立に合意し、2020年3月、第三次ヤンシャ政権が発足した(注:2020年12月、DeSUSが連立を離脱)。

外交・国防

1 外交方針

  • (1)2004年、NATO及びEUへ加盟し、2007年よりユーロを導入。2008年前半にはEU議長国を務めた。2021年後半に2度目のEU議長国を務める予定。
  • (2)近隣諸国をはじめ、EU、NATO、バルカン諸国との関係強化を重視。また、国連を中心としたマルチ外交や経済外交にも積極的に取り組んでいる。2015年7月に新外交宣言及び外交戦略を採択し、中欧諸国との政治・経済関係の強化、外国資本誘致及びビジネスの国際化等を優先事項として定めている。

2 軍事力

  • (1)予算 4億2000万ユーロ(ミリタリーバランス2018)
  • (2)兵力 7,250人(注:予備役などは除く)(ミリタリーバランス2018)

2004年3月、NATO加盟。

経済

1 主要産業

自動車等輸送機械、電気機器、医薬品、金属加工、観光

2 GDP

542億ドル(2019年・世銀)

3 1人当たりGDP

25,946ドル(2019年・世銀)

4 経済成長率

3.2%(2019年・世銀)

5 物価上昇率

+1.63%(2019年・世銀)

6 失業率

4.45%(2019年・ILO)

7 貿易額・貿易品目

(2017年(統計局))
(1)輸出 282.2億ユーロ(自動車等輸送機械、電気機械類、医薬品、産業機械)
(対日輸出は、スロベニアの総輸出の約0.52%)
(2)輸入 275.6億ユーロ(石油製品、自動車等輸送機械、電気機械類、鉄鋼)
(対日輸入は、スロベニアの総輸入の約0.38%)

8 貿易相手国

ドイツ、イタリア、オーストリア、クロアチア、フランス等

9 通貨

ユーロ(2007年1月に導入)

10 経済概況

  • (1)スロベニアは、人口約200万人と市場としては小さいため、欧州を見据えた経済活動が基本であり、製造業も欧州、EU内への供給を中心としている。GDPにおける輸出のシェアは79%(2016年)であり、輸出の約90%が欧州向け、更にそのうちの約75%がEU向けとなっており、欧州の経済動向がスロベニアに大きな影響を与えている。なお、かつてユーゴスラビア内で最先端工業地域であった経緯もあり、国内の工業水準は高い。
  • (2)欧州債務危機の影響を被ったスロベニア経済は、2012年-2.3%、2013年-1.1%のマイナス成長となったが、2014年初めより経済回復の兆しが見え始め、同年のGDP成長率は前年比3.0%に達した。
  • (3)2013年4月、EUはスロベニアのマクロ経済に過剰な不均衡が生じていると認定し、一時は10年物国債利回りが7%を超えた。スロベニアは、EUの勧告に沿って各種改革を策定、これらの施策はEUからも支持され、12月には国内銀行のストレステストと資産査定により、国際的な財政支援の必要もないことが明らかとなった。同年末より、上記施策の実行段階に入り、銀行への増資、不良債権のバッドバンク(BAMC)への移管等を行った結果、スロベニア経済に対する市場の信頼が回復しつつある。
  • (4)2020年3月に発足した第三次ヤンシャ政権は、政権発足以降、新型コロナウイルスへの対応、ウイルス終息後の経済回復、国境管理強化等の政策を推進。また、Industry4.0、Society5.0等を通じた、持続可能なエネルギー政策の展開、先端技術を駆使したスマート・コミュニティの実現、企業の国際化等を目指し、日本を含む外国からの直接投資の誘致を推進。

経済協力

1 日本の援助実績

技術協力実績 4.72億円(2004年度末まで)

  • (1)研修員受け入れ 92名
  • (2)専門家派遣 7名
  • (3)調査団派遣 40名
  • (4)機材供与 853万円
  • (5)開発調査 1件

2 主要援助国

EU

二国間関係

1 政治関係

  • (1)日本は、1992年3月17日にスロベニアを国家承認し、同年10月12日に外交関係を開設した。その後、1993年7月より在オーストリア大使館がスロベニアを兼轄していたが、2006年1月在スロベニア大使館を開設した。一方、スロベニアは、1993年2月在京大使館を設置し、1995年12月初代在京大使が信任状を捧呈した。
  • (2)両国間には大きな懸案もなく、友好関係を強化してきている。また、2013年3月にはパホル大統領が訪日し、同年6月には秋篠宮同妃両殿下がスロベニアを御訪問された。2014年5月には、パリにおいて安倍総理とブラトゥシェク首相が会談した。2015年11月、武藤外務副大臣がスロベニアを訪問した。また、2019年8月には河野大臣が日本の外務大臣として初めてスロベニアを訪問した。同年10月には、パホル大統領が即位礼正殿の儀参列のため訪日し、安倍総理とも会談を行った。2021年4月には茂木大臣がスロベニアを訪問し、外相会談の他、ヤンシャ首相及びパホル大統領への表敬を実施。
  • (3)日本では1996年日本・スロベニア友好議員連盟が発足。スロベニアでは1995年スロベニア・日本友好議員連盟を結成。
  • (4)2016年9月、塩崎厚生労働大臣(日・スロベニア友好議員連盟会長)が「ブレッド戦略フォーラム」出席のためスロベニアを訪問し、ツェラル首相への表敬、エリヤヴェツ外相との会談等を行った。また、同年10月、ツェラル首相が「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」のため訪日し、安倍総理との首脳会談等を行った。

2 経済関係

  • (1)2014年3月、二国間の経済関係強化のため、スロベニア日本ビジネス協会が発足。
  • (2)2015年5月、スロベニア政府は「ビジネス国際化計画」及びその付属文書として「国際化への課題」を採択し、今後、スロベニア政府が経済外交に力を入れていく国である「優先市場」の一つに我が国を指定。
  • (3)2016年には19年ぶりに経団連ミッションがスロベニアを訪問したほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とスロベニア関係機関が共同でスマート・コミュニティ実証事業を行うことを決定。
  • (4)2016年10月に安川電機は産業用ロボットの欧州製造拠点をスロベニアに設置することを決定し、2018年5月には産業用ロボット用のインバーター等の製造工場建設にかかる追加投資を発表。また、関西ペイント社が塗装業界大手のヘリオス社の株式を買収、住友ゴム工業がロンストロフ社の子会社として精密医療用ゴム製品の製造工場建設を決定するなど日本企業による投資は増加傾向。
  • (5)2019年10月(於:リュブリャナ)及び2020年2月(於:東京)に日・スロベニアビジネスセミナーを開催。
日・スロベニア貿易額・品目(2020年、財務省貿易統計)
  • 対スロベニア輸出 172億1千万円(輸送機器、織物用糸・繊維製品等)
  • 対スロベニア輸入 161億7千万円(輸送機器、化学製品等)

3 文化関係

  • (1)1995年秋にリュブリャナ大学に日本語コースが開設。
  • (2)平成8年度より国費留学生の受け入れ開始
  • (3)2001年9月、スロベン・グラデッツ市と新潟県妙高市が姉妹都市協定を結び、現在も交流が続いている。
  • (4)近年、日本文化に対する関心は高まりつつあり、伝統的な日本文化をはじめ、若者の間では日本のアニメに代表されるポップカルチャーが浸透しつつある。
  • (5)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、新潟県妙高市、福井県福井市、鹿児島県鹿屋市、石川県小松市がスロベニアのホストタウンとして登録されている。

4 在留邦人数

150人(2021年4月現在)

5 在日スロベニア人

321人(2020年6月末現在)

6 要人往来

(1)往
年月 要人名
1997年10月 経団連ミッション(樋口経団連副会長)
2000年10月 清子内親王殿下
2001年9月 原田友好議連会長
2004年9月 荒井外務大臣政務官
2005年12月 塩崎外務副大臣
2006年1月 山中外務大臣政務官
保岡友好議連会長
相沢友好協会会長
2006年7月 中野厚生労働副大臣
2006年8月 北側国土交通大臣
2006年11月 武見厚生労働副大臣
2007年7月 松島外務大臣政務官
2008年7月 横路衆議院副議長
2009年 今井最高裁判所判事
2013年6月 秋篠宮同妃両殿下
2015年11月 武藤外務副大臣
2016年9月 塩崎厚生労働大臣
2016年10月 経団連ミッション(石塚ヨーロッパ地域委員長)
2018年1月 牧原厚生労働副大臣
2019年6月 関経済産業副大臣
2019年8月 河野外務大臣(日本の外務大臣として初の訪問)
2021年4月 茂木外務大臣
(2)来
年月 要人名
1992年2月 ルーペル外相
1992年6月 タンツィグ科技相
1993年10月 クラチューン副首相兼経済相
1994年4月 ターレル議会外交委員長
1996年4月 ウメック科技相
1996年10月 デジェラク経済関係開発相
1997年10月 ドラゴニャ経済相
1998年9月 フルレッツ外相
1998年12月 マリンチェック科技相
1999年2月 シュピレティッチ友好議連会長
1999年3月 スモルコリ農林相
2000年3月 ポドブニク国民議会議長、ペトリン経済相
2004年2月 カチン国民議会外交委員長
2006年8月 ズヴェル教育スポーツ相
2006年12月 コカル友好議連会長
2008年4月 ヤンシャ首相、(ヴィズャク経済相同行)
2008年5月 ポドブニク環境・空間計画相
2008年6月 バユク財務相、ルーペル外相
2010年10月 ジャルニッチ環境・空間計画相
2012年10月 シュシュテルシッチ財務相
2013年3月 パホル大統領
2014年4月 オメルゼル・インフラ空間計画相
2015年5月 ゾルマン友好議連会長
2016年10月 ツェラル首相
2017年5月 ムラク労働・家族・社会問題・機会均等相
2017年9月 ボフ教育・科学・スポーツ副相
2018年4月 レーベル・インフラ副相
2019年4月 カンタルティ経済開発・技術副相
2019年6月 ベルトンツェル副首相兼財務相
2019年10月 ピカロ教育・科学・スポーツ相
2019年10月 パホル大統領(即位礼正殿の儀参列のため)

7 二国間条約・取極

1994年2月、旧ユーゴ政府との間で締結された通商航海条約、科学技術協力協定、文化協定、査証免除取極等の承継を確認するための口上書交換。

8 外交使節

  • スロベニア駐箚日本大使 松島 浩道(まつしま ひろみち) 特命全権大使
  • 日本駐箚スロベニア大使 アナ・ポラック=ペトリッチ 特命全権大使
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