セーシェル共和国
セーシェル共和国(Republic of Seychelles)
基礎データ
令和7年4月16日


一般事情
1 面積
460平方キロメートル(ほぼ種子島大、115の島から成る。)
2 人口
119,878人(2022年:世銀)
3 首都
ビクトリア(マヘ島)
4 住民
クレオール(ヨーロッパ人とアフリカ人の混血)が多数
5 言語
英語、仏語、クレオール語
6 宗教
キリスト教(約90%)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1756年 | 仏領 |
1814年 | 英領 |
1976年 | 独立(マンカム初代大統領) |
1977年 | クーデター、レネ首相が大統領となる |
1978年 | 一党制宣言(セーシェル人民進歩党:SPPF) |
1984年 | レネ大統領再任 |
1989年 | レネ大統領再任 |
1991年 | 複数政党制移行 |
1993年 | 第1回大統領・国民議会選挙、レネ大統領再選(SPPF政権継続) |
1998年 | 第2回大統領・国民議会選挙、レネ大統領再選 |
2001年 | 第3回大統領選挙、レネ大統領再選 |
2002年 | 国民議会選挙(SPPF政権継続) |
2004年 | レネ大統領退任、ミッシェル大統領就任 |
2006年 | 第4回大統領選挙、ミッシェル大統領勝利 |
2007年 | 国民議会選挙(SPPF政権継続) |
2011年5月 | 第5回大統領選挙、ミッシェル大統領再任 |
2011年10月 | 国民議会選挙(人民党政権) |
2015年12月 | 第6回大統領選挙、ミッシェル大統領再任 |
2016年10月 | ミッシェル大統領退任、フォール大統領就任 |
2020年10月 | 第7回大統領・国民議会選挙(セーシェル民主連合(LDS)政権)、ラムカラワン大統領就任 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
ワーベル・ジョン・チャールズ・ラムカラワン(Wavel John Charles RAMKALAWAN)大統領
3 議会
一院制国民議会
4 政府
- (1)首相
- なし
- (2)外務・観光相
- ルイ・シルベストル・ラデゴン(Louis Sylvestre RADEGONDE)
5 内政
- (1)1976年に英国より独立し、1978年の一党制宣言以来セーシェル人民進歩党(SPPF)による独裁であったが、1991年12月複数政党制導入を決定。1993年に行われた複数政党制導入後初の選挙ではルネ大統領が再選され、与党SPPFが圧勝した。第2回、第3回大統領選挙でもルネ大統領が再選された。
- (2)2004年、ルネ大統領は健康上の理由により任期途中で退任し、憲法の規定に従い、ミッシェル副大統領が大統領に就任した。2006年7月に大統領選挙が実施され、ミッシェル大統領が得票率53.73%で辛勝した。2007年5月には国民議会選挙が実施されたが、議席数には変動なく、与党が23議席を維持した。
- (3)2009年6月、与党は「人民進歩党(SPPF)」から「人民党(Parti Lepep)」に改名。
- (4)2011年5月に大統領選挙が実施され、ミッシェル大統領が得票率55.46%で再任された。10月の国民議会選挙では与党人民党が30議席を獲得(全31議席)。
- (5)2015年12月に大統領選挙が実施され、1991年の複数政党制導入以来初の決選投票の結果、ミッシェル大統領が得票率50.15%で辛勝した。
- (6)2016年10月、ミッシェル大統領は、同年4月の憲法改正により大統領及び副大統領が連続して務められる任期が3期から2期になったことを理由に任期途中で退任し、憲法の規定に従い、フォール副大統領が新大統領に就任した。2016年の議会選挙以降、議会の半数を野党が占めている「ねじれ現象」起きており、新たな閣僚を任命できないため、大統領及び副大統領が多くの閣僚職を兼務している。
- (7)2018年11月、与党「人民党」は「セーシェル連合(United Seychelles)」に改名。
- (8)2020年10月、第7回大統領選挙及び国民議会選挙が実施された。同大統領選挙は、現職のフォール大統領(セーシェル連合(US))とラムカラワン・セーシェル民主連合(LDS)党首の一騎打ちとなった。野党候補のラムカラワン候補が54.9%の票を獲得し、1977年のクーデター以降のセーシェル内政史上初の民主的選挙による政権交代が実現した。大統領選挙と同日に行われた国民議会選挙は、小選挙区26議席のうち、LDSが20議席、USは6議席を獲得。9つの比例議席を与野党で分け合い、LDSは35議席中25議席前後を占めることになり、歴史的な圧勝となった。
外交・国防
1 外交基本方針
- (1)小島嶼国であるセーシェルは全方位外交を展開しており、歴史的に関係の深い仏、英国及び南部・東部アフリカに加え、近年はインド、中国、UAE等とも関係を強化。南部アフリカ開発共同体(SADC)、環インド洋連合(IORA)、インド洋委員会(IOC)等の地域的枠組みにも加盟。
- (2)2003年、財政的な理由により、6か国にあった在外公館の半分(英国、マレーシア、南アフリカ)を閉鎖したが、経済回復に伴い、2007年、南アフリカ、イタリア、中国(日本を兼轄)に公館を開設し、2010年に在英国大使館を再開させた。現在は、英、仏、中、印、米、ベルギー、エチオピア、南アフリカ、スイス、アラブ首長国連邦に在外公館を有している。
- (3)2015年3月にWTO加入議定書を締結、同年4月にWTOに正式加入。
2 軍事力
- (1)兵役
- 18歳から可能。徴兵制なし。
- (2)兵力
- 総兵力420人(陸軍200人、沿岸警備隊200人、空軍20人)(2020年ミリタリーバランス)
経済(単位 米ドル)
1 主要産業
観光業、漁業(まぐろ)、農業(ココナツ、シナモン、バニラ)
2 GDP
15,9億米ドル(2022年:世銀)
3 一人当たりGNI
15,874米ドル(2022年:世銀)
4 経済成長率
4.3%(2023年:世銀)
5 インフレ率
1.4%(2023年:世銀)
6 失業率
4.3%(2020年:世銀)
7 貿易(2021年、世銀)
- (1)輸出
- 1,952百万ドル
- (2)輸入
- 1,848百万ドル
8 主要貿易品目(2021年:世銀)
- (1)輸出
- 船舶関連、マグロ缶詰、石油
- (2)輸入
- 船舶関連、石油、自動車部品
9 主要貿易相手国(2021年:世銀)
- (1)輸出
- ジブラルタル諸島、ケイマン諸島、バミューダ諸島、ベリーズ、フランス
- (2)輸入
- 南アフリカ、オランダ、アラブ首長国連邦、イタリア、フランス
10 通貨
セーシェル・ルピー(SCR)
11 為替レート
1ドル=13.43SCR(2023年3月15日時点)
12 経済概況
セーシェル経済は観光業に依存。また、漁業も大きな外貨収入源となっており、同国経済多角化の柱となっている。
経済協力
1 日本の経済協力概況
セーシェルの1人あたりのGNIはアフリカ諸国において群を抜いて高く、2018年1月にDACリストからも卒業したものの、小島嶼国特有の脆弱性を有しており、経済的・社会的に支援を必要とする状況が認められることから、引き続き支援を実施。近年では、薬物犯罪取締や海賊対策等に係る課題別研修及び気候変動・防災対策に係る技術協力を中心とした支援を実施しているほか、海上保安能力向上に係る無償資金協力(供与額8億円)を実施。
2 日本の援助実績(単位:億円)
- (1)有償資金協力(2021年度末まで、E/Nベース)なし
- (2)無償資金協力(2021年度末まで、E/Nベース)64.29億円
- (3)技術協力(2021年度末まで、JICAベース)19.66億円
3 主要援助国(2017年OECD、単位 百万ドル)
(1)EU(5.950)(2)アラブ首長国連邦(5.681)(3)日本(3.233)(4)フランス(2.574)
二国間関係
1 政治関係
- 1976年6月29日
- 独立と同時に承認(在ケニア大兼轄)
- 1984年
- 駐日セーシェル大使任命(本国常駐)
- 1998年2月
- 駐日セーシェル大使任命(マレーシア常駐)
- 2003年10月
- 在マレーシア・セーシェル大使館を財政事情により閉鎖
- 2007年5月
- 在中国・セーシェル大使館開設(日本を兼轄)
- 2008年4月
- 駐日セーシェル大使任命(中国常駐)
- 2009年3月
- 在京セーシェル名誉総領事館開設(2024年8月31日付で閉鎖)
- 2019年1月
- 在セーシェル大使館(兼勤駐在官事務所)開設
- 2024年1月
- 在セーシェル大使館格上げ
2 経済関係
(1)日本の対セーシェル貿易(2023年累計、財務省貿易統計)
- (ア)貿易
- 輸出 11.3億円
- 輸入 85.4億円
- (イ)主要品目
- 輸出 自動車等輸送機械、機械製品等
- 輸入 冷凍魚等
(2)日本からの直接投資
なし
3 文化関係
- (1)文化無償協力
-
協力内容 金額 視聴覚用教育機材 25百万円(1981年度) テレビ放送用機材 26百万円(1983年度) 印刷機材 26百万円(1985年度) 楽器 18百万円(1987年度) テレビ番組製作機材 34百万円(1988年度) 視聴覚機材 45百万円(1990年度) - (2)国際交流基金
- セーシェル教育文化省国立芸術学校への図書寄贈(1998年度)
4 在留邦人数
20人(2023年10月現在)
5 在日当該国人数
7人(2019年6月)(法務省入国管理局)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1976年 | 早川崇議員(独立式典特派大使) |
1985年 | 糸山英太郎衆議院議員 |
1994年 | 原田昇左右衆議院議員 |
2001年8月 | 渡部衆議院副議長他 |
2006年7月 | 日AU議連(村田吉隆衆議院議員が団長) |
2009年2月 | 矢野哲朗参議院議員 |
2010年9月 | 西村康稔衆議院議員 |
2015年8月 | 城内外務副大臣 |
2018年8月 | 佐藤外務副大臣 |
2023年1月 | 日AU議連(山際大志郎衆議院議員、牧原秀樹衆議院議員) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1982年 | フェラリ計画開発相 |
1984年 | オドゥル国家開発相 |
1985年 | ギ・モレール大蔵相(万博賓客) |
1986年 | ベルモン労働社会保障相 |
1987年 | アダム運輸・観光相 |
1989年 | オドゥル国家計画相(大喪の礼参列) |
1990年7月 | ルネ大統領(花博賓客) |
1990年11月 | ドゥ・サンジョール計画・対外関係相(即位の礼参列) |
1993年10月 | ドゥ・サンジョール外務・計画・環境相(TICAD I) |
1995年12月 | ドゥ・サンジョール外務・計画・環境相 |
1996年11月 | ドゥ・サンジョール外務・計画・環境相 |
1998年8月 | ロナルド・ジュモ農業・海洋資源相 |
1998年10月 | ボンレム外相(TICAD II) |
2001年12月 | ボンレム外相(TICAD 閣僚レベル会合) |
2003年9月 | ボンレム外相(TICAD III) |
2008年5月 | ミッシェル大統領、ピレー外務国際協力相(TICAD IV) |
2009年4月 | ミッシェル大統領(実務訪問賓客) |
2011年2月 | シノン投資・産業・天然資源相(海外漁業協力財団による招へい) |
2012年10月 | ララン外務次官(戦略的実務者招へい) |
2013年6月 | ミッシェル大統領、アダム外相(TICAD V) |
2013年11月 | フォール外務省付国務長官(戦略的実務者招へい) |
2014年11月 | モンドン教育相(持続可能な開発のための教育(ESD)ユネスコ世界会議) |
2015年3月 | ディディエール環境・エネルギー・気候変動相(第3回国連防災世界会議) |
2018年12月 | ヴィンセント・メリトン副大統領兼外相(外務省招聘) |
2019年8月 | ダニー・フォール大統領(TICAD7) |
2019年10月 | ヴィンセント・メリトン副大統領兼外相(即位の礼) |
7 外交使節
- (1)当該国駐箚日本国大使
- 作田誠 特命全権大使
- (2)本邦駐箚セーシェル共和国大使
- アンヌ・ラフォルテューン 特命全権大使(中国駐在)(2023年9月信任状捧呈)