サンマリノ共和国
サンマリノ共和国(Republic of San Marino)
基礎データ
令和2年11月20日


一般事情
1 面積
61.2平方キロメートル
2 人口
33,547人(2020年4月)
3 首都
サンマリノ
4 言語
イタリア語
5 宗教
カトリック教
6 国祭日
9月3日
7 略史
4世紀初頭、ローマ皇帝によるキリスト教徒迫害を逃れるため、マリーノという石工がこの地にたてこもり、信徒を集め共同体を作ったのが建国の伝説とされている。中世にも天然の要塞を利用し外敵の侵入を防ぎ、自由と独立を守り続けた。1631年にローマ法王により独立的地位を認められた。1862年にイタリアとの友好善隣条約を結び近代国家としての主権と独立を確立した。
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
執政2名。6か月毎に議会の議員の中から互選し、毎年4月1日と10月1日に就任。
- アレッサンドロ・カルデッリ執政(2020年10月就任)
- ミルコ・ドルチーニ執政(同上)
3 議会(2019年12月召集)
- (1)構成
- 大評議会のみの一院制。任期は5年、定数は60名。
-
2019年12月総選挙結果(第18期立法期) 政党/政党連合 議席数 サンマリノ・キリスト教民主党 21 「動く明日」 15
Domani - Motus Liberi (4) 市民運動レーテ (11) リベラ 10 「共和国のための我ら」 8 「未来の共和国」 6 エレゴ 0 合計 60 - (2)選挙制度
- 比例代表制
- (3)解散・総選挙
- 2016年7月、与党の一角をなす人民同盟が内閣から閣僚を引き揚げたことが直接の契機となって与党連合が崩れ、8月下旬に大評議会が解散された。11月20日に繰り上げ総選挙が行われたが、いずれの政党連合も総得票数の過半数も議席数の半数以上も得られなかったため、12月4日に上位2政党連合による決選投票が行われ、野党「adesso.sm」連合が勝利した。
2019年9月、2020年暫定予算の承認後、任期満了前に大評議会が解散され、同年12月8日、サンマリノ大評議会の総選挙が行われた。いずれの政党・政党連合も総得票数の過半数も議席数の半数以上も得られなかったことから、第一党となった中道政党のサンマリノ・キリスト教民主党、政党連合「動く明日」(中道政党「Domani-Motus Liberi」及びポピュリスト政党「市民運動レーテ」)及び中道右派「共和国のための我ら」による連立政権が樹立された。
4 政府
国家評議会。任期は議会の立法期に同じ。
- 議長は両執政が務める。首相職はなし。
- ルカ・ベッカーリ外務・国際経済協力・通信長官
5 内政
- (1)戦後長年にわたりキリスト教民主党と社会党を中心とする左派勢力との連立政権が続いたが、2000年以後はキリスト教民主党、社会党、民主主義者党(旧共産党)及びその他の政党による連立の組み替えといった政治的に不安定な状況が続いた。
- (2)2012年11月11日に実施された総選挙では、「サンマリノ公益」連合(中道・中道左派)が勝利し、12月5日にヴァレンティーニ内閣が発足した。
- (3)2016年7月、与党の一角をなす人民同盟が内閣から閣僚を引き揚げたことが直接の契機となって与党連合が崩れ、8月下旬に大評議会が解散された。11月20日に繰上げ総選挙が実施されたが、いずれの政党連合も総得票数の過半数も議席数の半数以上も得られなかったため、12月4日に上位2政党連合による決選投票が行われ、野党「adesso.sm」連合が勝利した。
- (4)2019年9月、国家経済の悪化やIMFによる勧告を背景に、レンツィ内閣は緊縮財政について国民に信を問うべく早期解散・総選挙に打って出る意向を固め、同年12月8日、総選挙が実施された。選挙の結果、いずれの政党・政党連合も総得票数の過半数又は議席数の半数以上を得られなかったことから、野党で第一党となった中道政党のサンマリノ・キリスト教民主党は、政党連合「動く明日」及び中道右派「共和国のための我ら」との協議の末、連立に合意。2020年1月8日、ベッカーリ内閣が発足し、政権交代が実現した。
外交・国防
1 外交
- (1)サンマリノは四方をイタリアに囲まれており、歴史的・地理的・経済的に最も同国との関係が深い。イタリアとの友好善隣条約のもとに、通信や郵便等の運営協力を通じて同国と密接な協力関係にある。
- (2)約100か国と外交・領事関係を有する。
- (3)従来からユネスコ、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)等の国際機関に加盟しており、1992年には国連及び国際通貨基金(IMF)にも加盟した。欧州内においては、欧州安全保障協力会議:CSCE(現欧州安全保障協力機構:OSCE)(1972年)、欧州評議会(1988年)等のメンバー。現在は、アンドラ及びモナコとともにEU側と連携協定締結交渉を行うとともに、そのために必要な国内的措置を鋭意進めている(伊との取り決めに基づき、通貨はユーロを使用。)。
- (4)2008年サンマリノ旧市街が位置するティターノ山がユネスコ世界遺産に登録された。
2 軍事力
通常の意味での軍隊は存在せず、城塞警備隊、大評議会衛兵憲兵隊及び民兵隊からなる護衛隊が任務にあたる。
経済
1 主要産業
観光、金融、繊維、電気、製陶等
2 GDP
1,430百万ユーロ(2019年:サンマリノ統計センター)
3 インフレ率
1.0%(2019年:サンマリノ統計センター)
4 失業率
7.7%(2019年:サンマリノ統計センター)
5 総貿易額・主要貿易品目
- (1)輸出 2,423百万ユーロ(2019年)(2020年サンマリノ産業省)
- (2)輸入 1,790百万ユーロ(2019年)(2020年サンマリノ産業省)
6 主要貿易相手国
(1) 輸出:イタリア、英国、スイス、中国、ドイツ(2019年確定値)(2020年サンマリノ産業省)
(2) 輸入:イタリア、中国、ドイツ、ポーランド、スペイン(2019年確定値)(2020年サンマリノ産業省)
7 通貨
ユーロ
8 経済概況
- (1)経済面においては、2008年までは他のユーロ圏諸国平均との比較において良好な成長を続けてきた。その後状況は一変し、国際金融危機、イタリア政府による国外資産の脱税阻止政策及び緊縮財政政策等の影響を受け、2009年から2013年までの4年間で-25.4%の大幅な実質マイナス成長を記録。しかし、2014年にはGDP成長率は-1%にまで回復し、2015年以降はプラス成長に転じている。
- (2)雇用面においては、失業率は他のユーロ圏諸国平均に比べて低いものの、2009年以降増加の一途を辿っている。
- (3)新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内の経済活動が停止。政府は家計・企業に対する支援策を実施している。
二国間関係
1 政治関係
- (1)1961年、領事関係開設、1962年より名誉総領事を交換。
- (2)1996年11月、外交関係開設。
- (3)1999年3月、在本邦サンマリノ総領事館開設(2002年12月閉鎖)。
- (4)2002年12月、在本邦サンマリノ大使館開設。
- (5)2004年6月、在神戸サンマリノ名誉領事館開設。
2 経済関係
- 輸入、輸出ともに少額に留まる。
- (1)日本からの輸入
- 約6.3百万ユーロ(2019年)(サンマリノ産業省)
- (2)日本への輸出
- 約4.3百万ユーロ(2019年)(サンマリノ産業省)
- (3)日本からの直接投資
- 記録なし
3 文化関係
サンマリノ日本友好協会、日本サンマリノ友好協会等による文化事業が両国において随時開催されている。
4 在留邦人数
6人(2018年10月1日現在)(令和元年(2019年)外務省海外在留邦人数調査統計)
5 在日サンマリノ人数等
在日サンマリノ人 3人(2018年現在)(2019年法務省出入国管理統計)
訪日サンマリノ人 79人(2018年現在)(2019年法務省出入国管理統計)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | 浩宮殿下(当時) |
1987年 | 福田元総理大臣 |
2018年 | 中根外務副大臣 |
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | ガスペローニ、ブッチ両執政(即位の礼出席) |
2004年 | ベラルディ外務長官 |
2019年 | レンツィ外務・政務・司法長官(即位礼正殿の儀) |
7 二国間条約・取極
- 査証免除取極(1968年)
8 外交使節
- (1)サンマリノ駐箚日本大使(イタリア常駐) 大江 博
- (2)日本駐箚サンマリノ大使 マンリオ・カデロ