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第2回日・SAARCシンポジウム「エネルギーと域内連結性」
(概要)

平成20年6月

 6月10日(月曜日)及び11日(火曜日)、イスラマバードにおいて、当省及びイスラマバード戦略研究所(ISSI)共催による第2回日・SAARCシンポジウムが開催されたところ、概要は以下のとおり。

1.経緯

 平成17年11月の第13回SAARC首脳会議においてSAARCへのオブザーバー参加が認められたことを機に、我が国は、平成18年7月に開催された第1回日・SAARCシンポジウム(於ダッカ)において、日・SAARC間の協力のあり方について議論が行われ、次回シンポジウムではエネルギー分野を取り上げることとなった。今次シンポジウムでは、SAARC各国の関心を踏まえ、「エネルギーと域内連結性(Energy and Connectivity)」をテーマとして開催した。

2.議論の内容

 本シンポジウムにおける各セッションの主な議論の内容は、以下のとおり。

(1)第1セッション「世界的なエネルギー・トレンド:南アジアにおけるエネルギー不足への対応」

 今後、南アジアにおけるエネルギー需要は増加する見込みであり、エネルギーの安定供給及び適切なエネルギー政策は、同地域の経済成長持続する上で重要である。
 SAARC各国内においてはエネルギー資源の最適利用や省エネ、再利用エネルギー開発の促進、地域レベルにおいてはベスト・プラクティスの共有、技術移転、環境への負荷軽減、水力・電力・天然ガス資源の共有または域内のエネルギー貿易を促進することによってエネルギーの効率化を図ることが重要。日本は省エネ技術や環境保全技術の強みを活かす形での協力が可能。

(2)第2セッション「南アジア諸国におけるエネルギー政策と環境問題」

 エネルギー供給のみならず省エネやエネルギー効率化によりエネルギー需要を抑制することが重要。また、非従来型再利用エネルギーとしては風力・バイオマス・小型水力発電等があり、初期投資は高いがオペレーション・コストが低く、今後、従来型エネルギーに対して充分な価格競争力を持ちうる。なお、ネパールの水力発電開発は潜在性が高く、印とは電力供給等のエネルギー協力が進展している。

(3)第3セッション「南アジアにおけるエネルギー・インフラ整備と域内連結性の促進」

 SAARC各国間の電力供給やパイプライン構想等によるエネルギー協力や域内エネルギー貿易には大きな潜在性があり、エネルギー不足や将来のエネルギー需要増加を踏まえ、一層促進すべきである。また、エネルギー分野に対して日本は経済成長や貧困撲滅に繋がるエネルギー開発やエネルギー効率化、環境保全に関する協力を行っている。

(4)かかる議論の結果、エネルギー問題は喫緊の課題であること、SAARC地域におけるエネルギー資源の潜在性及び経済・社会開発等においてエネルギーの果たす重要な役割を認識し、以下を主要点とした提言(英文)(PDF)PDFを採択した。

1)SAARC加盟国は技術協力を活用しつつ、進捗状況や技術的ノウハウ等の情報を共有し、可能な解決策を特定する。

2)エネルギー・インフラ整備や域内のエネルギー貿易促進、水力発電資源の共有等に関する協力を優先分野とする。

3)日本及びSAARC加盟国は官民パートナーシップ等といった民間との協力強化や省エネ等に関する啓発を行う。

4)現存のガス・パイプライン建設プロジェクトの当事者は、プロジェクト遂行にかかる問題について取組む。

5)エネルギー協力に関する行動計画を遂行するために、SAARC加盟国は政府間枠組みを検討する。

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