中南米

基礎データ

令和5年8月15日
セントルシア国旗

一般事情

1 面積

620平方キロメートル(淡路島とほぼ同じ)(世銀)

2 人口

18.3万人

3 首都

カストリーズ

4 民族

アフリカ系(85.3%)、混血(10.9%)、東インド系(2.2%)、その他

5 言語

英語(公用語)、セントルシア・クレオール語

6 宗教

キリスト教(カトリック、プロテスタント、英国国教会等)等

7 略史

年月 略史
1814年 英国植民地
1958年~1962年 英領西インド諸島連邦に加盟
1967年 英国自治領
1979年 独立
1982年 総選挙、統一労働党(UWP)政権成立
1987年 総選挙、コンプトン首相(UWP)再任
1992年 総選挙、コンプトン首相(UWP)再任
1997年 総選挙、セントルシア労働党(SLP)政権成立
2001年 総選挙、アンソニー首相(SLP)再任
2006年 総選挙、統一労働党(UWP)政権成立。コンプトン首相就任
2011年 総選挙、セントルシア労働党(SLP)政権成立。アンソニー首相就任。
2016年 総選挙、統一労働党(UWP)政権成立。シャスネ首相就任。
2021年 総選挙、セントルシア労働党(SLP)政権成立。ピエール首相就任。

政治体制・内政

1 政体

立憲君主制

2 元首

チャールズ三世国王

3 議会

二院制(上院11名(選任議員)、下院17名(選出議員))

4 政府

  • 首相名 フィリップ・ピエール
  • 外相名 アルバ・ロマヌス・バプティスト

5 内政

  • (1)セントルシアは、1979年に英国から独立。
  • (2)英自治領時代から15年間にわたり、セントルシアの政権を担当してきた統一労働者党(UWP)は、独立直後の選挙で、セントルシア労働党(SLP)に敗北。しかし、SLP政権は、内部抗争、失政により1982年1月に倒れ、その後暫定内閣を経て、1982年5月の選挙でUWPが政権に返り咲いた。
  • (3)1987年及び1992年の総選挙では、与党UWPが勝利を収めコンプトン首相が再任されたが、同首相の引退に伴い、1996年4月、ルイス首相に交替した。
  • (4)1997年5月の総選挙で野党SLPが勝利し、アンソニー政権が誕生した。2001年12月の総選挙でも、アンソニー首相が再任。
  • (5)2006年12月の総選挙では、野党UWPが勝利し、元首相のコンプトンUWP党首が約10年ぶりに首相に就任したが、2007年9月逝去、キング首相代行が首相に就任。
  • (6)2011年11月の総選挙では、与党であったUWPの汚職問題を追求した野党SLPが11議席を獲得し、5年ぶりに政権を奪取。アンソニーSLP党首が首相に任命された。アンソニー政権はインフラ開発や元教員というバックグラウンドから、特に教育政策に力を入れる一方、25%とも言われる高失業率、2013年集中豪雨等の影響による経済の低迷、治安の悪化を食い止めることができなかった。
  • (7)2016年6月の総選挙では、UWPが11議席を獲得し、5年ぶりに政権を奪取。シャスネUWP党首が首相に任命された。(同氏の下院議員選出は初)シャスネ政権は、主要課題として、持続可能な成長を掲げ、財政再建、人材開発、インフラ改善、社会保障の充実に取り組んでいる。
  • (8)2021年7月の総選挙では、与党であったUWPの汚職問題と新型コロナウイルス感染拡大防止対策の不備を追求した野党SLPが13議席を獲得し、5年ぶりに政権を奪取。ピエールSLP党首が首相に任命された。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)近隣の東カリブ諸国機構(OECS)諸国やバルバドス、並びに歴史的に関係の深い英・米を中心とする欧米諸国との関係を重視。英連邦に加盟。
  • (2)カリブ共同体(CARICOM)、東カリブ諸国機構(OECS)に加盟。OESCの中央事務局はセントルシアに所在。
  • (3)台湾承認国であったが、SLP政権下の1997年9月中国と外交関係開設。UWP政権下の2007年4月に台湾と外交関係回復。2011年にSLP政権へ、2016年に再びUWPへ政権交代があったものの、現在まで台湾と関係を維持している。北朝鮮と国交あり。

2 軍事力

  • (1)1996年3月、OECS6か国及びバルバドスの7か国の間で域内安全保障システム(RSS)設立。
  • (2)独自の軍隊は持たない。

経済

1 主要産業

観光業、農業(バナナ、ココナッツ等)

2 GNI

20億1,000万米ドル(2022年 世銀)

3 一人当たりGNI

11,160米ドル(2022年 世銀)

4 GDP成長率

15.4%(2022年)(世銀)

5 インフレ率

6.4%(2022年)、2.7%(2023推定値)IMF

6 失業率

17.4%(2022年)(ILO)

7 総貿易額

(1)輸出
5,900万米ドル(2021年 WTO)
(2)輸入
6億100万米ドル(2021年 WTO)

8 主要貿易品目

(1)輸出
輸送機器、装飾品、アルコール飲料
(2)輸入
燃料、食料品、機械、輸送機器、化学製品

9 主要貿易相手国(2019年 WTO)

(1)輸出
米国、バルバドス、トリニダード・トバゴ、英国、ドミニカ国
(2)輸入
米国、トリニダード・トバゴ、EU、中国、英国

10 通貨

東カリブ・ドル(EC$)

11 為替レート

1米ドル=2.7EC$(固定相場制)

12 経済概況

 同国経済は伝統的にバナナを中心とする農業に依存していたが、 EUによるカリブ産バナナへの関税特恵の廃止、国際市場の価格変動、ハリケーンなどの自然災害等により、バナナの生産量及び輸出量が大幅に落ち込んだ結果、近年は多くのカリブ海諸国と同様に観光業が主な産業となっている。

 2008年の金融危機以降、経済は低迷していたが、2016年頃からの観光業の成長により、近年プラス成長を遂げてきた。2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、20.2%のマイナス成長となったものの、2021年以降は回復基調にある。

 観光業が収入・雇用・外貨獲得手段の要であるため、欧米からの観光客の増減や、化石燃料をほぼ輸入に依存しているため燃料の国際価格の変動、またハリケーン等自然災害等の外的要因による影響を受けやすい経済構造となっており、公的債務の削減とあわせ、長期的な安定をもたらす経済多角化の達成が課題。

経済協力

1 日本の援助実績(累計)

  • (1)有償資金協力(2020年度まで、交換公文ベース) なし
  • (2)無償資金協力(2020年度まで、交換公文ベース) 92.49億円
  • (3)技術協力実績(2020年度まで、JICAベース) 38.50億円

2 主要援助国(2019年 OECD/DAC)

  • (1)日本
  • (2)フランス
  • (3)カナダ
  • (4)英国
  • (5)イタリア

二国間関係

1 政治関係

 1979年2月22日独立後、日本は同年3月9日これを承認。

 1980年1月11日外交関係開設、1981年より日本側は在トリニダード・トバゴ大使館が同国を兼轄、2023年4月、在カストリーズ名誉総領事を設置。セントルシアは駐日大使館を設置していない。

2 経済関係

(1)対日貿易(2022年 財務省貿易統計)
(ア)貿易額
対日輸出 87.6万円
対日輸入 14.01億円
(イ)主要品目
対日輸出 アルコール飲料(蒸留酒)
対日輸入 自動車、原動機
(2)日本からの直接投資
なし

3 文化関係

文化無償協力 2件(音響・照明機材)(1990年度、1996年度)

4 在留邦人数

16名(2022年10月)

5 在日当該国人数

8名(2022年12月)(法務省)

6 要人往来

(1)往訪
年月 要人名
1992年9月 東力衆議院議員
1994年1月 山下徳夫衆議院議員、亀谷博昭衆議院議員
1999年5月 亀谷博昭農林水産政務次官
2010年5月 武正公一外務副大臣
2013年5月 鈴木俊一外務副大臣
2015年1月 宇都隆史外務大臣政務官
2015年5月 中山泰秀外務副大臣
2017年7月 薗浦健太郎外務副大臣
2018年9月 平木大作経済産業大臣政務官
2019年1月 小野寺五典衆議院議員
2023年5月 武井俊輔外務副大臣
(2)来訪
年月 要人名
1986年5月 コンプトン首相
1990年8月 マレット副首相兼貿易・産業・観光相
1990年11月 コンプトン首相(即位の礼)
1998年6月 アンソニー首相
2000年6月 オドラム外務・貿易相(小渕総理大臣政府葬)
2000年11月 オドラム外務・貿易相(第1回日・カリコム外相会議)
2001年1月 エリアス農業相
2001年2月 オドラム外相
2004年3月 ハント外務兼貿易・航空相(国連総会議長としての訪日)
2004年6月 ジャン農業相(水産庁主催シンポジウム出席)
2007年2月 ジョセフ農業相(IWC正常化会合)
2010年9月 ブースケイ外相(第2回日・カリコム外相会議)
2014年11月 バプティスト外務・国際貿易・民間航空相(第4回日・カリコム外相会合)
2016年10月 エステファン公平・社会主義・エンパワーメント・スポーツ・文化・地方自治省付大臣(スポーツ・文化・ワールドフォーラム)
2018年9月 リゴバード教育・革新・ジェンダー関係・持続可能な開発相
2019年7月 ジョセフ農水自然資源相 (水棲生物資源の持続可能な利用に関する会合)
2019年10月 ローラン特使(即位の礼)

7 二国間条約・取極

  • 1994年8月 青年海外協力隊派遣取極
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