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日・南ア外相会談及び麻生大臣主催夕食会

平成18年12月4日

 麻生外務大臣は、12月4日19時40分から約20分間、ドラミニ=ズマ南ア外相との間で外相会談を行い、また、これに引き続き、約1時間40分間、同外相歓迎夕食会を催したところ、概要以下のとおり。なお、先方からはングバネ駐日大使、マッジラ外務省アジア・中東担当副次官他が、当方からは坂場外務報道官、杉田国協局審議官、森アフリカ第2課長他が同席した。

1.冒頭、麻生大臣から、ドラミニ=ズマ外相の訪日を歓迎するとともに、日本と南アが実質的かつ緊密な関係を享受していることは喜ばしい、今後も連携を強化していきたいと述べた。また、麻生大臣から、南ア駐在企業について企業内転勤ビザの期間が4年に延長される方向となったことを評価しているとしつつも、南アの治安悪化が同地に滞在する外交団、企業関係者の不安要素になっているとして、早急な改善を申し入れた。

2.これに対して、ドラミニ=ズマ外相から以下の発言があった。

(1)今回の訪日招請に感謝。自分(ドラミニ=ズマ外相)にとって8回目の訪日となる。日本と南アは、政治、経済、文化等の分野で関係が緊密化している。今後の連携強化の観点から、現在、事実上、副大臣レベルで行われている日・南ア・パートナーシップ・フォーラムを本来の大臣レベルに戻して行いたい。

(2)南アフリカは、年5%の経済成長を享受する一方、多数の貧困層・失業者を抱えており、技能育成のための経済成長加速化戦略/人的資源育成イニシアティブ(ASGISA/JIPSA)を推進している。日本からも御協力を頂きたい。

(3)南アの治安事情については具体的事例をうかがって対処したい。

3.これに対して、麻生大臣から、以下のとおり応じた。

(1)日・南ア・パートナーシップ・フォーラムについては、双方の都合がつくのであれば、外相間で行ってもいいと考える。

(2)我が国も人材育成を重視しており、より具体的な協議を行う用意がある。

(3)日本はアフリカ開発会議(TICAD)を基軸に対アフリカ外交を展開している。来年3月に「持続可能な開発のための環境をエネルギー」をテーマとするTICAD閣僚会議をアフリカで開催すべく調整中であり、ドラミニ=ズマ大臣にも御出席いただきたい。また、2008年の第4回TICADには、ムベキ大統領の御出席を要請したい(ドラミニ=ズマ外相は、双方につき是非、前向きに検討したいと応答)。

4.国連安保理改革については、麻生大臣から、南アが日本の常任理事国入りを支持していることに対する感謝を伝え、改革の早期実現の必要性について再確認するとともに、来年から南アが安保理非常任理事国となることから種々の協力を要請した。ドラミニ=ズマ外相からも、現状を変える必要があり、国連加盟国間の合意を得るための議論の枠組みが必要であるとの認識が示された。

5.また、麻生大臣から、核兵器、拉致等の北朝鮮問題について我が国の懸念を伝え、我が国が国連総会に共同提案している「北朝鮮の人権状況」決議への支持を要請した。
 さらに、スーダン、今般大統領選挙が無事に終了し大統領就任式の運びとなったコンゴ民主共和国など、アフリカ諸国の情勢について意見交換が行われた。
 これに対し、ドラミニ=ズマ外相からは、南アは北朝鮮の核兵器開発に対して明確に非難する立場を取っている、また、拉致問題については、より国際社会に知られる必要があるが、驚くべき暴挙であるとの見方が示された。

6.会談終了後に行われた歓迎夕食会では、極めて和気あいあいとした雰囲気の中、教育問題、2010年の南ア・ワールドカップ・サッカー、JETプログラム等、多岐に亘る話題につき意見交換を行った。

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