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貿易経済に関する日露政府間委員会第8回会合(結果概要)

平成20年10月21日

 10月21日17時30分から約1時間50分間、飯倉別館において、中曽根外務大臣(貿易経済日露政府間委員会日本側共同議長)は政府間委員会露側共同議長であるフリステンコ産業貿易大臣との間で標記会合を行ったところ、概要以下のとおり。本会合の結果、両議長により署名された覚書の骨子は別添のとおり。

 日本側からは、外務省、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の関係者が、ロシア側からは、産業貿易省、経済発展省、外務省、地方発展省、エネルギー省、運輸省等の連邦政府関係者及び地方政府関係者等が出席した。

1.意義

(1)今後予定されるハイレベルの政治対話の準備を行った。

(2)極東・東シベリア地域に重点を置きつつ、互恵の原則に基づく協力を発展させるため政府間の取組として環境整備に向けた共同作業を確認した。

(3)グルジア紛争等のカントリーリスクを抱えるロシア経済に対する金融危機の影響が顕著という背景の下、ロシアが建設的な役割を果たすことを確認した。

2.主な成果

(1)グリーン投資スキーム(GIS)メモランダムの締結に向けた協議を開始することで一致した。

(2)エネルギー分野において、ロシア側が外国資本を引き続き尊重していくこと、及び資源開発において環境問題にも配慮していくことを確認した。また、本年4月のJOGMECとイルクーツク石油の共同探鉱開始に続き、8月にJOGMECと「統一石油グループ(UOG)」が合弁事業契約を締結したことを歓迎し、東シベリアにおける日露の探鉱協力の拡大を奨励することとなった。

(3)金融・資本市場の混乱や世界経済の減速といった昨今の情勢について触れつつ、一体化が進む世界経済において、両国が建設的な役割を果たしていくことを確認した。

3.個別のやりとり

(1)日露関係全般

 日露間の貿易高の著しい増加など近年の日露経済関係の拡大を歓迎し、更なる発展のために協力していくことを確認した。

(2)極東・東シベリア地域における協力

 本年9月に実施された地域間交流分科会の成果を歓迎するとともに、政府として両国民間同士の協力を後押しするため、露側からの情報提供の必要性を確認した。

(3)エネルギー

 ロシア側が、外資の尊重との絡みで石油・ガス分野において可能な限り透明性をもって手続を実施すること、また環境問題への配慮との絡みでサハリンI・IIに関連してすべての環境規制が履行されるよう政府としても注視していくことが確認された。来年予定されているサハリンIIからの日本へのLNG供給開始に対するロシア政府の協力を確認した。

(4)運輸

 運輸協力に関する政府間作業グループ第2回会合を早期に開催することで一致するとともに、極寒地における高速旅客鉄道の技術的課題を話し合う技術者会合を開催すべく、政府間作業グループ第2回会合で議論することとなった。

(5)環境

 GISメモランダム締結に向けた協議の開始で一致した他、次期枠組み交渉について日露双方が引き続き連携しつつ、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも半減させるという長期目標を国連交渉の場で合意すること、途上国の差異化の問題、セクター別アプローチの3点について考え方が共有された。

(6)貿易投資環境の改善

(イ)ロシアの貿易投資環境を引き続き改善する必要性を確認した。

(ロ)世界経済において両国が建設的な役割を果たすことを確認した。ロシア側より、ロシアは既に世界経済の一部であり、今後も外に対して開かれ続けていくとの発言があった。

(ハ)我が方より、来年1月に予定されるロシア政府による未加工木材に対する 輸出税引き上げ措置について再検討を求めた。

(7)金融

 国際協力銀行及び我が国民間銀行による融資を含む、金融分野における協力拡大を歓迎し、更なる協力進展への期待を表明した。

(8)漁業

 我が方より、未だにロシアに拘束されている我が国漁船の早期返還を求めたのに対し、ロシア側より、出来るだけ早い司法的解決を期待する旨述べた。

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