2月13日(水曜日)及び14日(木曜日),東京にて,「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD:Conference on the Cooperation among East Asian countries for Palestinian Development」が開催されたところ,概要と評価は以下のとおり。なお,我が国からは,開会レセプションに岸田外務大臣が,本会合に鈴木外務副大臣が出席した他,飯村政府代表兼中東和平担当特使がファイヤード・パレスチナ自治政府首相と共に共同議長を務めた。
1 会合の概要
(1)日時:
2月13日(水曜日) 18時~20時 (開会レセプション)
14日(木曜日) 9時半~15時 (本会合)
14日(木曜日) 9時半~15時 (本会合)
(2)場所:
三田共用会議所 (東京)
(3)参加国・国際機関:
日本(主催),パレスチナ(共催),インドネシア,シンガポール,タイ,マレーシア,ベトナム,ブルネイ,韓国,アラブ連盟,イスラム開発銀行,国連,国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA),世銀 (参加者氏名(PDF)
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2 意義・評価
- (1)CEAPADは,東アジア諸国がパレスチナの国家建設努力に対する新たな支援や協力のあり方を協議するための国際会議。中東・北アフリカ地域の中核的課題である中東和平問題について,「二国家解決」を通じた和平実現を後押しすべく,日本のイニシアティブの下で設立された。
- (2)CEAPADは中東和平問題に対するアジア諸国の積極的な貢献を促す枠組みであるとともに,東アジア諸国間の協力関係の強化・拡大にも資するもの。
- (3)本会合では,今後,それぞれの経済発展の経験や開発支援の知見を融合させた,東アジア諸国独自の支援のあり方を継続的に協議していくため,以下のメカニズムの必要性を確認した。
- CEAPADの継続的開催。インドネシアが2014年に次回会合を主催する旨発表。
- 支援ニーズ調査,案件選定,援助協調等のため,各国の援助機関を含めた定例協議の実施。
- パレスチナとの貿易・投資の拡大や中小企業の発展に向けた,アジア諸国及びアラブ諸国のビジネス・リーダーによる会合の開催。
- パレスチナ支援調整委員会(AHLC)を始め,既存のパレスチナ支援に関する国際的な枠組みとの連携。
- (4)本会合マージンでは参加国・国際機関同士のバイ会談が多数開催され,パレスチナ支援のための新しいパートナーシップ形成に寄与。
3 議論の内容
- (1)開会レセプションでの岸田外務大臣によるスピーチにより開幕。本会合では,冒頭,鈴木外務副大臣が日本の中東和平に対する立場やCEAPAD設立の背景等を説明。(外務大臣スピーチ(PDF)
・外務副大臣スピーチ(PDF)
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- (2)本会合第1部では,ファイヤード・パレスチナ首相からパレスチナの国家建設努力の現状や政治的・経済的困難について報告があり,続いてマルティ・インドネシア外相,エルアラビー・アラブ連盟事務総長,セリー国連中東和平担当特別調整官,グランディUNRWA事務局長からパレスチナ支援の現状や今後の関係国・国際機関間の協力の可能性等についてスピーチ。
- (3)第2部では,ズルキフリ・シンガポール内務兼外務担当上級国務大臣やイサラパックディー・タイ外務副次官を始めとする東アジア諸国の参加者から,対パレスチナ支援の現状や今後の取組について説明がなされた他,パレスチナと共有すべき各国の経済発展の経験等にも言及。
- (4)第3部では,アリ・イスラム開発銀行総裁,シャーマン世銀代表,堂道JICA副理事長が,これまでの自らの対パレスチナ支援を総括しつつ,今後のアジア諸国との協調の可能性等について説明。
- (5)第4部では,東アジア諸国の一層の協力,CEAPADへの更なるアジア諸国の関与,民間セクターの果たすべき役割,既存の国際的なパレスチナ支援枠組みとの協調等について,参加者の間で活発な議論が行われた。
- (6)最後に,本会合での議論を踏まえた共同声明が採択され,閉会した。(共同声明和文骨子(PDF)
・共同声明英文(PDF)
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- 各国・地域情勢
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