ペルー共和国

基礎データ

令和2年11月2日
ペルー共和国国旗

一般事情

1 面積

約129万平方キロメートル(日本の約3.4倍)

2 人口

約3,199万人(2018年、世銀)

3 首都

リマ

4 民族

先住民45%、混血37%、欧州系15%、その他3%

5 言語

スペイン語(他にケチュア語、アイマラ語等)

6 宗教

国民の大多数はカトリック教徒

7 略史

年月 略史
1821年 スペインから独立
1968年~1980年 軍事政権
1980年~1985年 ベラウンデ政権(民政移管)
1985年~1990年 ガルシア第一期政権
1990年~1995年 フジモリ第一期政権
1995年~2000年 フジモリ第二期政権
2000年~2001年 フジモリ第三期政権、同政権退陣、パニアグア暫定政権
2001年~2006年 トレド政権
2006年~2011年 ガルシア第二期政権
2011年~2016年 ウマラ政権
2016年7月~2018年3月 クチンスキー政権
2018年3月~ ビスカラ政権

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

大統領 マルティン・アルベルト・ビスカラ・コルネホ

3 議会

一院制(130議席)

4 政府

  • 首相 ワルテル・ロヘル・マルトス・ルイス
  • 外相 マリオ・フベナル・ロペス・チャバリ

5 内政

 1980年に軍事政権から民政に移管し、90年代のフジモリ政権によるテロ及び経済問題への取組により国政が安定化した。同政権時代に基礎が作られた経済政策を踏襲したトレド政権以降でペルーは躍進を遂げる。その一方で、貧富の格差の是正は進まず、2006年にウマラ候補は貧困層の代弁者として大統領選に立候補するが、ガルシア候補に惜敗。5年後の2011年4月の大統領選挙、国会議員選挙の際、大統領候補を出さなかった与党アプラ党は惨敗し、ウマラ候補率いる勝利するペルー連合が国会第一党になった。同年6月にウマラ候補とケイコ・フジモリ候補の間で大統領選挙の決選投票が行われ、地方の貧困層及び南部に支持基盤を有するウマラ候補が僅差で勝利し、7月大統領に就任した。

 社会的包摂を伴う経済成長を掲げるウマラ政権は、政権当初から選挙公約である各種社会プログラムを開始した。制度面では、抽選による徴兵制の導入、国家公務員法にあたる「市民サービス法」の公布、「大学法」改正等に着手した。他方、既得権益を手放したくない一部の抵抗勢力からの反発、若者によるデモ及び野党からの圧力、大統領夫妻に関する政治スキャンダル等もあり、厳しい政権運営を強いられた。

 2016年4月10日の大統領選挙では、ケイコ・フジモリ人民勢力党候補が約40%、クチンスキー「変革のためのペルー」候補が約21%の投票率を獲得し決選投票に進出した。6月5日の決選投票では、50.120%のクチンスキー候補が約4万1千票差(有効投票率0.240%差)で49.880%のケイコ候補を下し当選した。
 クチンスキー政権は2016年7月28日に発足。同政権は、インフラ整備(特に上下水道)、教育の質の向上、医療サービスの改善、国内経済のインフォーマルセクターの縮小、治安改善等を重視する政策を掲げた。また、同政権は、2021年のペルー独立200周年に向けてOECD加盟入りを目指す取組やTPP11の署名を含めた二国間及び地域との経済連携を推進する取組も進めた。なお、クチンスキー大統領は、ペルー国内で収監されていたフジモリ元ペルー大統領について17年12月、人道的配慮等に基づき同元大統領に対する恩赦を決定した。
 2018年3月、ブラジルの建設会社が中南米諸国の政府関係者に公共事業発注のため贈賄を行ってきたとされる汚職疑惑事件(「ラバ・ジャト」事件)がペルー政界にも波及し、クチンスキー大統領自身にも疑惑が及んだこと等から、自らの関与は否定しつつも、ペルーの団結と調和のために最善であるとしてクチンスキー大統領は辞任。憲法の規定に従い、同年3月23日(現地時間)、ビスカラ第一副大統領が新大統領に就任。ビスカラ政権は、(1)汚職対策、(2)政治改革、(3)経済活性化、(4)社会開発、(5)地方分権の5分野推進を掲げ、特に(1)汚職対策や(2)政治改革に取り組んでおり、その他、(3)経済活性化、(4)社会開発、(5)地方分権といった分野で成果を出すことができるかが注目されている。
 2019年9月30日、ビスカラ大統領は、人民勢力党等の野党が多数の国会と対立する形で国会解散を宣言し、国会議員選挙を招集する大統領令を発出した。2020年1月26日、国会議員選挙を実施。

外交・国防

1 外交基本方針

 自国産品(特に付加価値を伴う非伝統的産品)輸出の拡大と右による雇用の創出・貧困削減を主たる目的として、自由・開放的な対外経済政策を標榜。アジア太平洋経済協力(APEC)、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の参加国であり、メキシコ、チリ、コロンビアと共に、中南米地域において開かれた経済連合を目指すイニシアティブである太平洋同盟のメンバー国である。また、これまでに日本を含む19の国・地域との間に通商協定(自由貿易協定、経済連携協定等)のネットワークを構築し、貿易総額の約90%に相当する市場をカバーする等、積極的な施策を展開している。なお、日ペルー経済連携協定(EPA)は我が国が中南米ではメキシコ、チリに次いで3番目、全世界では13番目に締結した協定であり、2009年から2010年に7回の交渉会合を開催後、2011年5月に署名、2012年3月に発効した。

 ビスカラ大統領は、歴代政権と比べても内政重視の傾向が強いともいわれるが、太平洋同盟の強化やOECD加盟、ベネズエラ問題におけるリーダーシップの発揮等の外交課題に取り組んでいる。

2 軍事力

(1)予算 21億ドル(2017年予算)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 8.1万人(陸軍4.75万人、海軍2.4万人、空軍0.95万人)
(ミリタリー・バランス2018)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

製造業、石油・鉱業、商業、農業、建設業(2017年、ペルー統計情報庁)

2 GDP

2,252億ドル(2018年、IMF)

3 一人当たりGDP

7,002ドル(2018年、IMF)

4 GDP成長率

4.0%(2018年、IMF)

5 物価上昇率

1.32%(2018年、IMF)

6 失業率

6.7%(2018年、IMF)

7 総貿易額

  • (1)輸出 489.4億ドル
  • (2)輸入 418.9億ドル

(2017年、ペルー中央準備銀行)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 銅、金、亜鉛、石油派生品、魚粉、天然ガス
  • (2)輸入 原油、軽油、衣類、電気製品

(2018年、ペルー通商観光省)

9 地域別貿易動向

  • (1)主要輸出相手国 中国、米国、インド、韓国、日本
  • (2)主要輸入相手国 中国、米国、ブラジル、エクアドル、メキシコ

(2018年、ペルー税務監督庁)

10 通貨

ソル

11 為替レート

1ドル=3.319ソル(2018年3月、ペルー中央準備銀行)

12 経済概要

 1990年代に導入された自由主義的マクロ経済路線は広く定着し、対外債務の減少、国庫収入や外貨準備高の増加等、経済基盤は近年の顕著な成長を反映して強化され内需も旺盛。ペルー経済の成長率(06年から15年までの10年間の平均年率は5.9%)は中南米地域でも有数。

 ペルーは近年、順調な鉱物資源の輸出と内需に牽引されて安定した経済成長を維持している。2018年の経済成長率は4.0%、インフレ率は1.3%で、中南米諸国の中でも、経済成長率、外貨準備率、インフレ、公的債務の割合、貧困削減率等のマクロ経済指標は順調。
 他方、ここ数年の徴税率の低下や2017年の自然災害からの復興等にかかる公的資金拠出をはじめとする財政支出の拡大などに伴い、2014年以降財政赤字が続き2017年は財政赤字が対GDP比3%に達した。また、対外債務も増加傾向にあり、2017年には対GDP比24.9%にまで至っている。現状は、主要格付け機関による格付けは投資適格を維持、見通しも安定的となっているが、ビスカラ政権は財政赤字を抑えるための政策が急務であり、税収改善のための政策として、2018年はガソリンや自動車等に係る選択消費税率の引き上げや免税優遇措置の廃止を行い、同年の財政赤字は対GDP比2.5%となっている。
 開発面においては、ペルーは依然として貧富の格差が大きく、特に、山岳地域やアマゾン地域においては、貧困層の割合が高く、電力、上下水道・衛生、灌漑等の基礎インフラが十分整備されていないなど、経済成長の恩恵から取り残されており、沿岸部と山岳地域・アマゾン地域との格差是正が大きな課題となっている。

13 対外債務残高

782.63億ドル(2018年、ペルー中央準備銀行)

経済協力

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2017年度まで、E/Nベース) 4,439.38
  • (2)無償資金協力(2017年度まで、E/Nベース) 671.69
  • (3)技術協力実績(2017年度まで) 567.68

(単位:億円)

2 主要援助国

  • (1)米国(115.76)
  • (2)ドイツ(71.33)
  • (3)日本(43.79)
  • (4)カナダ(32.12)

(2016、OECD/DAC統計、支出額ベース、単位:百万ドル)

二国間関係

1 政治関係

 外交関係設立は1873年で中南米で最も早い。日本・ペルー関係は、第二次世界大戦期を除き常に良好に推移してきた。ガルシア政権下1989年に4月3日が「日秘友好の日」として公式に定められ、以来毎年、ペルー国会では友好の日を祝う式典を開催。2009年6月には移住110周年記念式典が常陸宮同妃両殿下の御臨席を得て開催された。2013~2014年には外交関係設立140周年を記念する諸行事が行われた。

 2000年以降、フジモリ元大統領の引渡問題により、トレド政権期に、二国間関係は停滞したが、2006年成立のガルシア政権、2011年成立のウマラ政権、2016年成立のクチンスキー政権、2018年成立のビスカラ政権において、二国間関係は非常に良好である。ガルシア大統領は2008年以降3年連続3度訪日。2008年、麻生総理が日本の総理として11年振りにペルーを訪問(APECサミット出席)。2012年5月、ウマラ大統領訪日。2013年4月、岸田外相がペルーを訪問。2014年1月秋篠宮同妃両殿下がペルーを御訪問。2016年11月、安倍総理が日本の総理として8年ぶりにペルーを公式訪問し、引き続きペルーAPEC首脳会議に参加。岸田外相及び世耕経産相も同年11月、ペルーAPEC閣僚会議に参加するためペルーを訪問した。2017年11月、ベトナムAPECダナン首脳会議の機会に、日ペルー首脳会談及び外相会談が実施された。2018年8月の河野大臣の訪問時、また、同年11月のパブア・ニューギニアAPECの機会に、河野大臣とポポリシオ・ペルー外務大臣との外相会談が実施された。また、2019年5月には、パリで開催されたOECD閣僚理事会において、河野大臣とポポリシオ外務大臣との間で3度目の外相会談が行われた。

2 経済関係

(1)対日貿易
(ア)貿易額(2018年、財務省貿易統計)
輸出 2,632億円
輸入 813億円
(イ)主要品目
日本への輸出 銅、亜鉛、液化天然ガス、魚粉、亜鉛合金等
日本からの輸入 自動車、タイヤ、鉄鋼製品等
(2)日本からの直接投資
238.4百万米ドル(2015年末(ストック)、ペルー投資促進庁)
(3)進出企業数 75社(2018年10月)

3 文化関係

 考古学、人類学等を中心に日本のアンデス社会研究の中心的対象国となっており文化交流も活発。また、約10万人の日系人の存在等もあり、日本語学習熱は高く、毎年日本文化週間が開催されている。また、2019年は日本人ペルー移住120周年を記念した「日ペルー交流年」であり、両国で様々なイベントを開催している。

4 在留邦人数

3,410人(2017年10月) 日系人推定10万人(世界第3番目の規模)
(外務省「在留邦人数調査統計」)

5 在日当該国人数

48,362人(2018年12月、法務省「在留外国人統計」)

6 要人往来

(1)往(1958年以降)
年月 要人名
1958年 三笠宮同妃殿下
1959年 岸首相
1967年 皇太子同妃両殿下
1979年 園田外務大臣
1982年 鈴木総理大臣
1989年 近藤鉄雄衆議院議員(移住90周年祭)
1990年 土屋参院議長
粕谷特派大使(衆議院議員)
1995年7月 江藤隆美衆議院議員(特派大使)
1996年8月 橋本総理大臣
1996年12月 池田外務大臣
1997年3月 高村外務政務次官
1997年4月 池田外務大臣
1997年5月 橋本総理大臣
1999年5月 清子内親王殿下(移住100周年)
2000年7月 三塚博衆議院議員(特派大使)
2001年7月 遠山文部科学大臣(特派大使)
2006年7月 山中外務大臣政務官(特派大使)
2008年6月 新藤経済産業副大臣、宇野外務大臣政務官(APEC貿易担当大臣会合)
2008年8月 松村経済産業大臣政務官(APEC中小企業大臣会合)
2008年11月 中曽根外務大臣及び二階経済産業大臣(APEC閣僚会議)
麻生総理大臣(公式訪問及びAPEC首脳会議)
2009年6月 常陸宮同妃両殿下(移住110周年記念式典出席)
2009年9月 原口総務大臣
2010年3月 吉良外務大臣政務官
2011年6月 山花外務大臣政務官
2011年7月 鳩山由紀夫衆議院議員(特派大使)
2013年4月 岸田外務大臣
2013年8月 西村内閣府副大臣(外交関係設立140周年)
2014年1月 秋篠宮同妃両殿下(外交関係設立140周年)
2014年7月 松島経済産業副大臣
2014年12月 望月環境大臣(COP20)
2015年4月 山本文科大臣政務官
2015年5月 宇都外務大臣政務官
2015年10月 麻生副総理兼財務大臣(IMF・世銀リマ総会)
2016年5月 鈴木経済産業副大臣及び山田外務大臣政務官(APEC貿易担当大事会合)
2016年6月 高木内閣府大臣政務官(APEC女性と経済フォーラム)
2016年7月 二階衆議院議員(大統領就任式特派大使)
2016年8月 古屋厚生労働副大臣(APEC保健と経済ハイレベル会合)
2016年8月 あかま総務副大臣
2016年9月 井原経済産業大臣政務官(APEC中小企業大臣会合)
大野国土交通大臣政務官
礒崎農林水産副大臣(APEC食料安全保障大臣会合)
2016年10月 水落文部科学副大臣(APEC教育大臣会合)
木原財務副大臣(APEC財務大臣会合)
2016年11月 安倍総理大臣(公式訪問及びペルー首脳会議)
岸田外務大臣(APEC閣僚会議)
世耕経済産業大臣(APEC閣僚会議)
2017年1月 薗浦外務副大臣
2017年7月 田中国土交通副大臣
2017年8月 高村日ペルー友好議員連盟会長
2017年12月 野中農林水産大臣政務官
2018年1月 坂井総務副大臣
2018年3月 堀井外務大臣政務官
2018年8月 河野外務大臣
2019年4月 辻外務大臣政務官(日ペルー友好の日)
2019年7月 眞子内親王殿下(日本人移住120周年)
(2)来(1990年以降)
年月 要人名
1990年 フジモリ次期大統領
1991年 フジモリ大統領(IDB総会)
1992年3月 フジモリ大統領(国賓)
1993年6月 フジモリ大統領(非公式)
デ・ラ・プエンテ首相兼外相
1993年11月 セルパ最高裁長官
1993年11月 ヨシヤマ民主制憲議会議長(衆議院議長招待)
1994年2月 ゴールデンベルグ首相兼外相
1994年6月 フジモリ大統領(非公式)
1995年8月 チャベス国会議長(衆議院議長招待)
1995年9月 フジモリ大統領(立ち寄り)
1996年11月 フジモリ大統領(立ち寄り)
1997年4月 ホイ・ワイ国会議長
1997年7月 フジモリ大統領(橋本総理大臣招待)
1998年6月 フジモリ大統領(IDB・輸銀共催シンポジウム出席)
1998年11月 フジモリ大統領(立ち寄り、2回)
1999年5月 フジモリ大統領(公式実務)
2000年6月 ブスタマンテ首相(小渕前総理大臣葬儀)
2000年11月 フジモリ大統領(立ち寄り)
2006年04月 レモール生産相(海外漁業協力財団招待)
2006年11月 ガルシア・ベラウンデ外相
2007年10月 レイ生産相(海外漁業協力財団招待)
2008年3月 ガルシア大統領(公式実務訪問、5閣僚随行)
2009年2月 ガルシア・ベラウンデ外相(外務省賓客)、アラオス通商観光相
2009年5月 ブラック環境相(オピニオン・リーダー招待)
2009年8月 コルネホ運輸通信相(総務省招待)
2009年11月 ガルシア大統領(実務訪問、2閣僚随行)
2010年6月 ペレス通商観光相(APEC貿易担当大臣会合)
2010年10月 ブラック環境相(COP10出席)
2010年11月 ガルシア大統領(APEC首脳会議、ガルシア・ベラウンデ外相同行)、フェレイロス通商観光相(APEC閣僚会議)
2011年5月 フェレイロス通商観光相(EPA署名)
2011年6月 ジャンピエトリ第一副大統領
2012年3月 ペイラーノ文化相
2012年5月 ウマラ大統領夫妻(公式実務訪問、ロンカリオロ外相、カスティーヤ経済財政相、シルバ通商観光相随行)
2012年10月 カスティーヤ経済財政相、ベラルデ中銀総裁(IMF・世銀東京総会)
2013年3月 メリノ・エネルギー鉱山相
2013年6月 フォンヘッセ農業灌漑相
2014年1月 オタロラ国会議長
2014年4月 サラサール国会生産委員長
2015年9月 ベラルデ中銀総裁
2017年2月 ビスカラ第一副大統領兼運輸通信相

7 二国間条約・取極

  • 1961年 通商協定
  • 1972年 査証免除取極(1971年12月締結、1972年2月発効)
  • 1979年 青年海外協力隊派遣取極
  • 1980年 技術協力基本協定
  • 1985年 文化協定
  • 2009年 投資協定(2008年11月署名、2009年12月発効)
  • 2012年 経済連携協定(2011年5月署名、2012年3月発効)
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