パラグアイ共和国

基礎データ

令和6年5月2日
パラグアイ共和国国旗

一般事情

1 面積

40万6,752平方キロメートル(日本の約1.1倍)

2 人口

約678万人(2022年、世銀)

3 首都

アスンシオン

4 民族

混血(白人と先住民)95%、先住民2%、欧州系2%、その他1%

5 言語

スペイン語、グアラニー語(ともに公用語)

6 宗教

主にカトリック(信教の自由は憲法で保障)

7 略史

年月 略史
1811年 スペインから独立
1864年~1870年 三国戦争(対ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ連合軍)で人口激減
1932年~1935年 チャコ戦争(対ボリビア)に勝利
1954年 ストロエスネル将軍がクーデターにより政権掌握。以後35年間にわたり独裁政権継続
1989年2月 クーデターによりロドリゲス将軍が政権掌握
1989年5月 ロドリゲス将軍、大統領に就任
1993年8月 ワスモシ大統領就任(文民政権)
1998年8月 クーバス大統領就任
1999年3月 ゴンサレス大統領(前上院議長)就任
2003年8月 ドゥアルテ大統領就任
2008年8月 ルゴ大統領就任
2012年6月 上院によりルゴ大統領が弾劾、フランコ副大統領が大統領に昇格
2013年8月 カルテス大統領就任
2018年8月 アブド・ベニテス大統領就任
2023年8月 サンティアゴ・ペニャ大統領就任

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

サンティアゴ・ペニャ・パラシオス大統領(任期は2028年8月まで)(任期5年再選禁止)

3 議会

二院制(上院45、下院80、任期5年)

4 政府

(1)首相
首相職なし
(2)副大統領
エルクレス・ペドロ・ロレンソ・アリアナ・ロドリゲス
(3)外相
ルベン・ダリオ・ラミレス・レスカノ

5 内政

 1954年より35年にわたったストロエスネル軍事独裁政権は、1989年2月、ロドリゲス将軍のクーデターにより倒壊。政治活動・言論の自由、労働者の団結権等を保証する新憲法が1992年に公布され、1993年8月、同国で初めて民主的選挙が実施された。
 2008年8月、中道左派のルゴ元司教(野党連合「変革のための愛国同盟」)が大統領に就任し、61年ぶりの政権交代を果たした。しかし、ルゴ大統領は国会内の少数与党出身で政治的基盤が脆弱であったことに加え、農地改革や治安問題の解決に向けた取組の遅れに対する不満が与野党各方面から噴出。2012年6月にパラグアイ上院においてルゴ大統領は弾劾され、憲法の規定に基づき、フランコ副大統領が新大統領に昇格した。
 2013年8月に就任したカルテス大統領(コロラド党(中道右派))は、政権の優先課題として貧困の撲滅を掲げるとともに、積極的な外国企業誘致を推進した。
 2018年8月に就任したアブド大統領(コロラド党)は、前政権の開放的経済政策を引き継ぐとともに、貧困対策、治安・麻薬対策、汚職対策に積極的に取り組んだが、社会格差などの問題への対処で課題を残した。
 2023年4月に行われた大統領選挙では、与党コロラド党から出馬したサンティアゴ・ペニャ候補が勝利し、同年8月に大統領に就任。保育園無償化、公共料金の値下げ、住宅取得支援、新規雇用の創出などに取り組むことを約束している。

外交・国防

1 外交基本方針

 伝統的に中南米諸国との関係を重視し、特にメルコスール(南米南部共同市場)を戦略的同盟と位置付け、加盟諸国間との関係強化を図る一方、これらと歩調を合わせることで対外交渉力の拡大を狙っている。また、南米で唯一台湾との外交関係を維持する。

2 軍事力(ミリタリーバランス2022)

(1)予算
約2億7,400万米ドル
(2)兵役
徴兵制
(3)兵力
13,950人(陸軍7,400人、海軍3,800人、空軍2,750人)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

農業、製造業(自動車部品など)、電力

2 GDP(名目)

417億ドル(2022年 世銀)

3 一人当たりGDP(名目)

6,153ドル(2022年 世銀)

4 経済成長率(GDP)

0.1%(2022年 世銀)

5 物価上昇率

9.8%(2022年 世銀)

6 失業率

6.8%(2022年 世銀)

7 総貿易額(2023年暫定値 パラグアイ中銀)

(1)輸出
172.8億米ドル
(2)輸入
158.1億米ドル

8 主要貿易品目

(1)輸出
大豆(大豆粉、大豆油等含む)、電力、牛肉、トウモロコシ、コメ
(2)輸入
燃料・鉱油、電子機器類、原子炉・ボイラー、自動車・トラクター、肥料

9 主要貿易相手国(2023年、パラグアイ中銀)

(1)輸出
アルゼンチン、ブラジル、チリ、米国、ロシア、台湾
(2)輸入
中国、ブラジル、米国、アルゼンチン、ドイツ、インド

10 通貨

グアラニー

11 為替レート

1米ドル=7,288グアラニー(2023年平均暫定値 パラグアイ中銀)

12 対外債務

143.38億米ドル(2023年末暫定値 パラグアイ中銀)

13 経済概要

 経済は、農牧畜業と電力が輸出総額の8割以上を占めており、アルゼンチン、ブラジルの経済状況に依存している。主要農作物は、大豆、トウモロコシ、コメ、小麦、綿花、マテ茶、ゴマ等。とりわけ日本人移住者が導入し急成長した大豆の輸出量は世界6位(2022年、FAO)、その他トウモロコシが世界7位(2022年、FAO)、コメが世界5位(2022年、FAO)、マテ茶が世界3位(2022年、FAO)、ゴマが世界18位(2022年、FAO)の輸出量である。また、世界第10位の牛肉輸出国(2022年、米国農務省(USDA))でもある。近年、積極的な外資誘致策、低い税率、安価な労働力や電力等を背景に、自動車部品等製造を中心に、日本企業を含めた外国企業の進出が活発化している。2020年からの新型コロナ感染拡大による影響は、他のメルコスール諸国と比較して小さかった。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度までの累計)

  • (1)有償資金協力 1,732.13億円
  • (2)無償資金協力 403.21億円
  • (3)技術協力実績 908.57億円

2 主要援助国(2020年DAC諸国二国間援助)

  • (1)韓国(65.44百万ドル)
  • (2)日本(53.44百万ドル)
  • (3)フランス(43.01百万ドル)

 1976年以降、2004年、2011年、2014年、2020年を除き、日本が最大の援助国。

二国間関係

1 政治関係

 外交関係樹立日:1919年11月17日
 経済技術協力と日本人移住者及び日系人(約1万人(推定))の存在を基盤として友好協力関係にある。

2 経済関係

対日貿易

(1)貿易額(2023年 財務省貿易統計)
対日輸出 51.5億円
対日輸入 155.5億円
(2)主要品目
対日輸出  ごま(採油用)、飼料(植物性油かす)、非鉄卑金属くず
対日輸入 輸送用機器、電気機器、一般機械、ゴム製品

3 在留邦人

3,757名(2023年10月、外務省海外在留邦人数調査統計)

4 在日当該国人数

2,215名(2023年6月末、法務省在留外国人統計)

5 要人往来

(1)往
要人名
1978年 皇太子同妃両殿下、二階堂進衆議院議員(日・パラグアイ協会会長)
1983年 中尾栄一衆議院議員(大統領就任式特派大使)
1986年 常陸宮同妃両殿下
1990年 土屋参議院議長
1991年 鈴木外務政務次官
1993年 二階堂衆議院議員(大統領就任式特派大使)
1996年 小川外務政務次官、相沢英之衆議院議員
1997年 岡野労働大臣
1998年 有馬政府代表(大統領就任式特派大使)
1999年 高円宮同妃両殿下(非公式)
2001年 植竹外務副大臣
2003年 河本英典参議院議員(大統領就任式特派大使)
2004年 小野寺五典外務大臣政務官
2005年 福島啓史郎外務大臣政務官、保坂三蔵経済産業副大臣、河村建夫衆議院議員(日・パラグアイ友好議連会長)
2006年 秋篠宮殿下、玉澤徳一郎衆議院議員、宮腰光寛農林水産副大臣、扇参議院議長、山中外務大臣政務官(移住70周年記念祭典出席)
2007年 山際大志郎衆議院議員、井上信治衆議院議員
2008年 高円宮妃殿下、玉澤徳一郎衆議院議員(大統領就任式特派大使)
2009年 玉澤徳一郎衆議院議員
2011年 松本剛明外務大臣、高橋千秋外務副大臣(メルコスール首脳会合出席)
2012年 加藤敏幸外務大臣政務官
2013年 若林外務大臣政務官(大統領就任式特派大使)
2014年 松島経済産業副大臣
2015年 宇都外務大臣政務官
2016年 眞子内親王殿下(移住80周年記念式典御臨席)、宮沢洋一衆議院議員(移住80周年記念式典出席)、黄川田外務大臣政務官
2017年 世耕経済産業大臣、薗浦外務副大臣、木原財務副大臣、岡本外務大臣政務官、細田農林水産大臣政務官
2018年 安倍総理大臣、谷公一衆議院議員(大統領就任式特派大使)、宮腰光寛総理大臣補佐官、土屋品子衆議院議員、水落文部科学副大臣、笹川博義環境大臣政務官
2019年 辻外務大臣政務官、尾身外務大臣政務官
2021年 茂木外務大臣
2022年 奥野信亮衆議院議員
2023年 林外務大臣、武井外務副大臣(大統領就任式特派大使)
(2)来
要人名
1972年 ストロエスネル大統領
1976年 モンタナロ内相
1977年 サマニエゴ国防相
1979年 セントゥリオン商工相、ベルトーニ農牧相
1981年 ノゲス外相、カセレス公共事業通信相
1984年 サルディバル外相
1986年 アルガーニャ最高裁長官
1987年 セントゥリオン商工相
1988年 ミルトス下院議長、サルディバル外相
1989年 アルガーニャ外相(大喪の礼)
1990年 ロドリゲス大統領(即位の礼)、フルトス外相、ベルトーニ農牧相
1992年 スカボーネ商工相
1994年 ワスモシ大統領(公式実務訪問)(外相、農牧相、公共事業相、商工相同行)
1995年 バレイロ蔵相
1997年 ソサ企画庁長官
2002年 モレノ外相(外務省賓客)
2004年 マテオ・バルメリ上院議長、ラチド外相(外務省賓客)、フィリッピ企画庁長官
2005年 ドゥアルテ大統領(公式実務訪問)(ラチド外相、ベルヘン蔵相、アルデレテ公共事業通信相、ベラ商工相、ボガード下院議長、カナサワ三軍司令官他同行)ボルダ蔵相(IDB沖縄総会出席)
2006年 アルカラス商工副大臣(JETRO三ヶ国展)
2007年 クラメル観光庁長官、モリナス農牧相
2010年 ラコニャタ外相(外務省賓客)
2012年 ルゴ大統領(実務訪問賓客)
カセレス外務次官(経済担当)
2013年 アファラ次期副大統領、サバラ商工相、ゴドイ農牧相(投資誘致ミッション)
モラレス環境庁長官(水俣条約外交会議)
ロハス蔵相(日・ラ米ビジネスフォーラム)
2014年 カルテス大統領(実務訪問賓客)
(ロイサガ外相、ロハス蔵相、レイテ商工相他同行)
2015年 ロア国家緊急事態庁長官(第3回国連防災世界会議)
ヒメネス・ガオナ公共事業通信相
カベージョ筆頭外務次官
2016年 ロイサガ外相(外務省賓客)
レイテ商工相
2017年 リエラ教育相
2018年 カスティグリオーニ次期外相
2019年 ベラスケス副大統領(即位の礼)
2021年 アセベド外相(外務省賓客)
2024年 ラミレス外相

6 二国間条約・取極

  • 1959年 移住協定
  • 1978年 海外青年協力隊派遣取極(2021年 改正)
  • 1979年 技術協力協定
  • 1989年 移住協定改定(効力無期限延長)
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