アジア

平成25年5月1日
1.概要

(1)国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の第69回総会閣僚級会合が,4月29日から5月1日まで,タイのバンコクにおいて開催された。我が国首席代表として若林健太外務大臣政務官が出席した。

(2)本総会には,域内外加盟国,準加盟国等49カ国・地域,国連機関,専門機関,国際機関,NGO等22組織から,約600名が参加した。

(3)会合のテーマ等
ア 持続可能な開発及び2015年より先の開発目標に関する閣僚級パネルが行われるとともに,地域の政策的課題として,「アジア太平洋地域における包摂的かつ持続可能な経済・社会開発に対する主要課題」につき,各国首席代表より政策演説が行われた。
イ 本総会の主要テーマである「自然災害及び主要な経済危機に対する強靭性の構築」についての閣僚級ラウンド・テーブルでは,複合的な危機(impact)にも耐えうるような強靭性を構築する上での課題や対策等について議論された。

(4)若林政務官(首席代表)の政策演説PDF
  29日,若林政務官は要旨次のとおり政策演説を行った。

ア  防災は,都市化が進展し,多くの自然災害に見舞われるアジア太平洋地域にとって重要な課題であり,アジア太平洋地域が世界に向けて貢献できる分野。災害は長年の開発成果を一瞬にして水泡に帰しかねないものであり,我々は,防災の主流化に向けて,先陣を切るべき。

イ 何よりも,防災は人命を救うためのものであり,弱者への配慮を求めるもの。人間一人ひとりに着目し,個人の保護と能力強化を通じ,豊かで持続可能な社会を実現させることを目指す人間の安全保障を推進してきた我が国は防災を重視。防災に対する関心を高め,必要な資源が動員されるようにするためには,2015年より先の新たな国際開発目標に防災がしっかりと位置付けられることが肝要。

ウ 防災を始め,国際社会が直面する課題に対処する上で,地域的連携の重要性は高まっており,多様性とダイナミズムに富むアジア太平洋地域においてこそ,そのような連携の強化が必要不可欠。我が国として,ESCAPとの連携を一層強化するとともに,地域的連携の強化を主導していく決意。
 
(5)決議の採択
  我が国が提出した「防災及び持続可能な開発のための宇宙技術・GIS利用に関するアジア太平洋行動計画2012~2017年の実施」を含む17の決議が採択された。
 
2.評価

(1)我が国はESCAPに対する上位拠出国であり,本総会に若林政務官が出席したことは,ESCAPにおける我が国の取組と存在感を示す上で大変有意義であった。

(2)我が国首席代表演説において,我が国が推進する防災について,我が国の考え方を明確に表明することを通じ,防災の主流化に貢献した。また,上記1.(5)のとおり我が国が提出した決議が採択され,我が国の国連及び国際社会への貢献姿勢を改めて示すことができた。

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