中東

湾岸協力理事会(GCC)概要

平成25年10月17日

  • GCC加盟国

一般事情

1.湾岸協力理事会(GCC)の概要

 1980年にアンマンで開催されたアラブ・サミットでのジャービル・クウェート首長の提案を受け,翌1981年にサウジアラビア,アラブ首長国連邦(UAE),バーレーン,オマーン,カタール,クウェートによって設立。本部(事務局)はサウジアラビアの首都リヤドに所在。正式名称は,「Cooperation Council for the Arab States of the Gulf(アラビア語:Majlis Al-Ta’aawni li Duwali Al khalyiji Al-‘arabiya)」であるが,Gulf Cooperation Council(GCC)という略称が用いられることが多い。

 防衛・経済をはじめとするあらゆる分野における参加国間での調整,統合,連携を目的としている。

2.現議長国

バーレーン(2013年12月頃まで)
  (注)次期議長国はクウェート

3.現事務局長

アブドゥル・ラティーフ・アル・ザヤーニ氏(H.E. Mr. Abdul Latif Al Zayani)(元バーレーン内務省警察本部長)

4.組織及び活動内容

(1)最高理事会(首脳会議)(The Supreme Council)
 GCC加盟国の首脳によって構成され,会議は年1回(通常は12月),議長国は原則アラビア語のアルファベット順に,各国持ち回りで開催される。最高理事会における議事の成立のためには,3分の2以上の国の出席が必要。各国が一票ずつ持ち,重要事項に関する決議は全会一致,手続事項に関する決議は多数決で成立する。
(2)閣僚理事会(外相会議)(The Ministerial Council)
 各国外相又は外相の代理を務める大臣によって構成される。同理事会は,あらゆる分野に関する政策提起や,最高理事会の準備・企画を担う。会議は,原則3ヶ月毎に開催される。議事成立のための手続は,最高理事会と同様。
(3)GCC事務局(The Secretariat-General)
 リヤドに所在し,GCC各国より派遣された事務局員によって構成される。
(4)その他
(ア)外相会議以外にも,財政,国防をはじめとする閣僚レベルの会合が開催され,統一関税や防衛問題等各分野におけるGCC加盟国間協力のあり方についての協議が行われている。
(イ)軍事面での協力として,サウジアラビア東部州ハフル・バーティンに「半島の盾」軍(85年10月,サウジアラビア軍の指揮の下,サウジアラビアの一個旅団,クウェートの二個大隊を中心とした約7000人規模で設置。)の司令部が置かれている。ただし,湾岸戦争後にGCC諸国はそれぞれ米国や欧州諸国と個別に二国間安全保障協定を締結するようになり,「半島の盾」軍は名目的なものとなっている。
(ウ)イエメンからの加盟申請を受けており,これまで教育,社会,保健,スポーツ各委員会へのイエメンの参加を認めている。

5.GCCの沿革

年月 主な出来事
1981年5月 GCC発足
1983年3月 統一経済協定発効(域内貿易の自由化)
1985年10月 「半島の盾」軍創設
1991年 GCC貿易相会議で関税同盟結成を議論
1999年11月 対外統一関税の導入で合意
2000年12月 域内通貨統合で合意,共同防衛協定署名
2001年 統一経済協定改定
2003年1月 対外統一関税導入(GCC関税同盟)
2005年 通貨統合基準,経済指標目標値の決定
2008年1月 共同市場の発足(ヒト,モノ,カネの移動の自由化)
2008年8月 通貨評議会の設立に合意
2009年5月 GCC通貨銀行をリヤドに設置することが決定
2009年12月 GCC通貨統合協定がサウジアラビア,クウェート,カタール及びバーレーンの4ヶ国間で発効
2012年11月 GCC内相会合でGCC治安協力協定改正案が合意

基本データ

1.人口

4,590万人(2011年:GCC統計局発表値)

2.GDP

1.37兆ドル(2011年:GCC統計局発表値)

3.一人あたりのGDP

29,900米ドル(2011年:GCC統計局発表値)

4.エネルギー資源

 世界の原油埋蔵量の約3割を有し,原油生産量の約2割,天然ガス生産量の約1割を産出。

政策

1.概況

 GCCは,経済をはじめとするあらゆる分野における域内の調整,統合,連携を目的としている。しかし,設立当時はイラン革命,ソ連のアフガニスタン侵攻,イラン・イラク戦争等の国際情勢の急激な変化があり,これに脅威を感じた湾岸アラブ6ヶ国が,類似の王制・首長制国家の立場から相互の結束を強化してこれらの脅威に対処するために設立されたとみられている。そのため,設立当初は集団安全保障体制としての色合いが強かった。

2.最近の政治面での動向

  • (1)所謂「アラブの春」を受けた動き
    • イエメン問題解決のため仲介外交を実施。
    • 2011年3月,バーレーンの治安維持のためGCC合同軍を派遣。
  • (2)「統合」への動き
    • 2011年12月の首脳会議にて,アブドッラー・サウジ国王は,湾岸諸国の安定と安全が脅かされているとした上で,湾岸諸国が「『協力(Cooperation)』の段階から『連合(Union within a single entity)』」の段階へ移行することを提案したが,その後具体的な進展はない。

3.経済統合に向けた動き

  • (1)1981年の統一経済協定(Unified Economic Agreement)の締結,1983年の同協定発効による域内貿易の自由化実現以降は,大きな進展は見られなかった。しかし,1990年代半ばになり,経済のグローバル化や原油価格の低迷などの問題もあり,GCCの経済統合に向けた機運が高まった。
  • (2)GCCは,2003年に統一関税(The GCC Customs Union)を導入し,域外共通関税(5%)を設定したが,依然GCC各国による例外品目が設けられている。
  • (3)2010年末までに統一通貨制度(The GCC Monetary Union)を導入することが検討されていたが,通貨統合を巡る各国の立場の温度差等により,現在に至るまで実現していない。(2009年12月,GCC通貨統合協定がサウジアラビア,クウェート,カタール及びバーレーンの4ヶ国間で発効したが,うち3ヶ国は自国通貨がドル完全ペッグ制であるのに対し,クウェートは複数通貨のバスケット制であるため,4ヶ国ですら通貨統合は実現していない。)

我が国との関係

1.基礎データ

(1)日本との貿易額(2012年:財務省貿易統計):
輸出 約12兆6,167億円
輸入 約1兆9,930億円
(2)日系企業数:452社(2011年)
(3)在留邦人数:5,636人(2011年)

2.日・GCC戦略対話

3.日・GCC自由貿易協定(FTA)交渉

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