アフリカ

平成25年5月31日
ソマリア特別会合 (1) (写真提供:内閣広報室)
ソマリア特別会合 (2) (写真提供:内閣広報室)
1.概要
 5月31日、横浜において、第五回アフリカ開発会議(TICAD V)に先立ち、ソマリア特別会合が日本政府、ソマリア政府、アフリカ連合委員会(AUC)により共催。我が国から安倍総理大臣が冒頭挨拶を行い、岸田外務大臣、モハムッド・ソマリア大統領、ラマムラAUC平和安全保障委員が共同議長を務めた。
 アフリカ諸国からはハレマリアム・エチオピア首相、ゲレ・ジブチ大統領、キクウェテ・タンザニア大統領、サルヴァキール・南スーダン大統領を始めとする7名の国家元首・首脳級を含む15のカ国、13の国際・地域機関、その他英、米、EU、トルコ、伊他ドナー国が参加した。(計35カ国、機関が参加)。

2.評価
  • 昨年秋に発足したソマリア新政権による国家構築及び平和構築に関する経済社会面での取組に対する国際社会としての支援のあり方について議論することを主たる目的として開催された本会合では、モハムッド大統領の「6本柱政策」の下での経済復興及び政府による各種社会サービスの提供に向けたソマリア支援のあり方について焦点をあてる形で活発な議論が展開された。その中で、ソマリアにおいては今後、これまでの短期的な人道支援から長期的な復興開発支援へとシフトしていくことが重要であること、ソマリアの人々やコミュニティの強靱性を構築することが重要であること、さらに市民への社会サービスの提供の一途として地方政府が強化されなければならないとの点で、参加者の認識が一致した。その上で、ソマリアの開発課題において一人ひとりの能力構築に重心を置く人間の安全保障の視点をソマリアの開発課題に取り入れる必要性についても見解が一致した。
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  • さらにソマリア国民に占める若年層の高い割合及びその高い失業率に鑑み、ソマリアにおける雇用機会の創出のあり方についても議論が行われ、多くの参加者が持続可能な経済復興の重要性について指摘した。さらにソマリア連邦政府及び地方政府における人材育成が喫緊の課題であり、国際社会が然るべく支援を進めていく必要があるとの認識でも一致した。
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  • ソマリアの治安・司法強化及び公的財政管理に議論が集中する中、ソマリア情勢の不安定化の根本的な要因となっている貧困等社会経済問題に焦点を当て、ソマリアの平和と安定並びに国造りにおける社会セクター及び経済復興の重要性について参加国・機関の合意を得るとの成果を上げることができた。また、依然としてソマリアの陸地及び海における治安回復・維持のニーズがあることにかんがみ、治安維持と社会経済開発は車の両輪であり、ソマリアの復興のためには双方を並行して推進していくことが重要であることが改めて確認された。さらに今後のソマリア支援において我が国が提唱する人間の安全保障の概念の重要性を指摘した上でも意義あるものであった。
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  • 本会合での議論の成果は、去る5月7日のソマリアに関するロンドン会議での議論の成果とともに、9月に予定されているソマリアに関するEU会合で後押しする「ソマリア復興支援に関するソマリアと国際社会の協約(コンパクト)」の策定の一助となることが期待される。

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