中東
「イスラム世界との新時代パートナーシップ構築セミナー」
(湾岸安全保障ラウンドテーブル:概要と評価)
平成25年10月29日
10月9日,ドーハにおいて,湾岸地域の安全保障をテーマとする「イスラム世界との新時代パートナーシップ構築セミナー」(湾岸安全保障ラウンドテーブル)が,開催されたところ,その概要及び評価は以下のとおり。
1 概要
(1)主催:日本国外務省,ブルッキングス・ドーハ・センター
(2)参加者
日本側及び湾岸諸国からの有識者が20名程度出席した他,日・カタール両国外務省関係者,湾岸諸国所在の我が国在外公館から公館長等が参加。
(3)目的
日本と湾岸諸国の有識者が,湾岸諸国が直面する伝統的・非伝統的な安全保障問題について議論することにより,湾岸諸国との対話を促進し,我が国と湾岸諸国との協働の方策を模索すること。
(4)本ラウンドテーブルは,以下の3つのセッションが設けられ,議論が行われた。(議題(英文,PDF) )
(ア)開会挨拶
サルマン・シェイク ブルッキングス・ドーハ・センター所長
門司健次郎 駐カタール大使
(イ)第1セッション 「湾岸諸国を取り巻く安全保障問題」
湾岸諸国が直面する安全保障問題につき,政治改革,経済の多角化,イランの核問題,宗派間対立,大量破壊兵器の拡散といった国内外の課題に焦点を当てて議論。
(ウ)第2セッション 「アラブの春」後の地政学的変化
「アラブの春」やシリア情勢等が湾岸諸国へ及ぼす影響につき議論。
(エ)第3セッション 「日本と湾岸諸国のありうべき協力」
日本と湾岸諸国との間の政策調整,防衛交流の促進,日本の文化等のソフトパワーを通じた協力等について議論。
(オ)閉会挨拶
岡 浩 外務省中東アフリカ局審議官
(注)本ラウンドテーブルでの議論は,発言者を対外的に言及しないとのチャタムハウス・ルールに則って行われた。
サルマン・シェイク ブルッキングス・ドーハ・センター所長
門司健次郎 駐カタール大使
(イ)第1セッション 「湾岸諸国を取り巻く安全保障問題」
湾岸諸国が直面する安全保障問題につき,政治改革,経済の多角化,イランの核問題,宗派間対立,大量破壊兵器の拡散といった国内外の課題に焦点を当てて議論。
(ウ)第2セッション 「アラブの春」後の地政学的変化
「アラブの春」やシリア情勢等が湾岸諸国へ及ぼす影響につき議論。
(エ)第3セッション 「日本と湾岸諸国のありうべき協力」
日本と湾岸諸国との間の政策調整,防衛交流の促進,日本の文化等のソフトパワーを通じた協力等について議論。
(オ)閉会挨拶
岡 浩 外務省中東アフリカ局審議官
(注)本ラウンドテーブルでの議論は,発言者を対外的に言及しないとのチャタムハウス・ルールに則って行われた。
2 評価
(1) 今回のラウンドテーブルは,共催機関であるブルッキングス・ドーハ・センターの協力の下,湾岸諸国から幅広い有識者の参加を得て実施されたもの。本年4-5月及び8月の安倍総理の湾岸諸国訪問時に湾岸諸国との間で政治・安全保障分野での協力の強化で一致しており,今回のラウンドテーブルの開催は時宜を得たものであった。
(2) 本ラウンドテーブルでは,我が国と湾岸諸国の外務省関係者及び有識者の間で活発な議論が行われ,湾岸地域の安全保障に関する双方の理解が深まるとともに,我が国が湾岸地域において外交政策を展開する上での有益なインプットが得られた。(3) 本ラウンドテーブルにおいて,湾岸諸国側から,安全保障の多角化の観点から,湾岸諸国が日本を含むアジアとの関係強化を進めているとの指摘があり,日本が中東でより目に見える形で一層の政治的役割を果たすことへの期待感が表明された。我が国と湾岸諸国の安全保障分野における一層の関係強化や,同地域の安全保障において我が国の果たしている役割についての積極的な情報発信の必要性が看取された。
(4) 湾岸諸国側から,東日本大震災や津波を経験した日本の危機管理分野における知見の共有や,日本と湾岸諸国の間の留学生増加による人的交流の促進について期待感が表明された。