アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
平成20年5月14日
写真提供:内閣広報室
福田総理とクラーク・ニュージーランド首相は、5月14日(水曜日)、午後3時05分から約50分間、官邸において日ニュージーランド首脳会談を行ったところ、概要以下のとおりです。
(1)総論
両首脳は、アジア太平洋地域の重要なパートナーとして、今回発出する共同プレスステートメントに基づいて日ニュージーランド関係の更なる強化に向け協力していくことで一致。クラーク首相より、福田総理に対しニュージーランド訪問の招待があり、福田総理より今後検討していきたい旨応答。
(2)政治・安全保障協力
両首脳は、日本とニュージーランドが、インド洋での活動を含む「テロとの闘い」や大量破壊兵器の不拡散への取り組みをはじめとする安全保障分野において、引き続き協力していくことで一致。福田総理より、本年9月のニュージーランド主催PSI訓練への我が国の参加を表明。
(3)経済関係
両首脳は、エネルギー、知的財産、税関の分野において具体的な協力が進展していることを歓迎し、東アジアにおける地域経済統合に向けて両国が協力していくことで一致した。
クラーク首相より、ニュージーランドが中国とFTAを署名したこと等を紹介しつつ、日ニュージーランド間でEPAが可能か否かにつき共同で研究したい旨提案した。これに対し福田総理より、ニュージーランドとのEPAは両国の貿易構造にかんがみ困難である旨述べた上で、共同で研究する可能性につき事務レベルで協議させたい旨述べた。
(4)環境・気候変動
両首脳は、気候変動問題を含む環境問題について協力関係を強化していくことの意義を確認するとともに、気候変動問題を解決するためには、中印等の新興経済国を含む世界全体としての排出削減が不可欠であるとの認識で一致。
クラーク首相より、「クールアース推進構想」やセクター別アプローチ等、気候変動問題に対する日本の取り組みを高く評価している旨述べた。
(5)科学技術協力
福田総理より、科学技術協力協定の締結も含めた科学技術協力に関する事務レベル協議を立ち上げる旨提案し、クラーク首相よりこれを歓迎する旨表明した。
(6)捕鯨
クラーク首相より、この問題について両国間で立場の違いはあるが、良好な両国関係を損ねることのないようIWC等の場を利用して意見交換していきたい旨述べた。
(1)中国
福田総理より、先般の胡錦濤国家主席訪日の成果について説明したのに対し、クラーク首相より、日中関係がアジア太平洋地域の平和と安定にとって重要である旨述べた。
(2)韓国
福田総理より、李明博大統領との間で「日韓新時代」を拓いていく考えである旨述べたところ、クラーク首相より、この後韓国を訪問する予定であり、ニュージーランドとしても韓国との関係を強化していく考えである旨述べた。
(3)北朝鮮
福田総理より、非核化と拉致問題を含む日朝関係の双方で前進が得られるよう、関係国と連携しつつ日本として努力する考えを示し、クラーク首相より拉致問題を含む日本の立場を支持する旨明言した。
(4)東アジア首脳会議(EAS)
クラーク首相より、EASへのニュージーランドの参加に対する我が国の支持につき謝意を表明。両首脳は、EASの枠組みを発展させるため両国が今後も緊密に協力していくことを確認した。
(5)太平洋島嶼国
両首脳は、太平洋島嶼国の平和と安定に関し、引き続き協力・連携していくことで一致。福田総理より、明年前半に開催する予定の太平洋・島サミットへのニュージーランドより然るべきレベルの参加を要請した。