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日本海呼称問題
第9回国連地名標準化会議

平成19年9月

 ニューヨークの国連本部で本年8月21日から30日まで開催された第9回国連地名標準化会議において、現地時間8月27日午前、韓国及び北朝鮮が日本海呼称問題を提起し、「日本海」と「東海」を併記すべきである等述べました。
 これに対し、日本より、事前に提出したポジションペーパーに基づき、本件会議は「日本海」といった個別の地理的名称を議論すべきではない、「日本海」は歴史的・国際的に確立した唯一の名称である等述べました。
 これを受け、議長より、関係国間で協議すること及び協議の結果を5年後の次回会議に報告することを奨励する旨発言がありました(前回会議と同様)。なお、本件に関する特段の決定や決議の採択は行われませんでした。

1.我が国代表団の主張のポイント(小寺次郎国連代表部大使)

 (提出したポジションペーパー:英文(PDF)日本語訳

(1)本会議はそもそも「日本海」といった個別の地理的名称を議論する場ではない。

(2)「日本海」の名称は、当該海域に歴史的、国際的に確立した唯一の名称である。

(3)「日本海」の名称は、18世紀末から19世紀初頭にかけて欧米において確立したものであり、日本の朝鮮半島支配とは無関係である。

(4)国連公式文書において標準的な地名として「日本海」が使用されなければならないとの慣行が国連事務局によって明確に確認されているほか、国際水路機関も一貫して「日本海」の呼称を使用している。

(5)韓国とは2003年以降毎年二国間協議をしており、今後も開催していく用意がある。

2.韓国代表団の主張のポイント(宋永完(Song Young‐wan)外交通商部国際機関局長)

(1)「日本海」と「東海」を併記するのが唯一の解決方法であり、世界の地図出版社等でも併記が拡大している。

(2)韓国は日本に対して「日本海呼称問題」に関する協議を申し入れているが、主に日本が実質的な議論を行おうとしない。

3.北朝鮮代表団の主張のポイント(白トク訓(Pak Tok Hun)国連代表部次席大使))

(1)「日本海」呼称は、日本の植民地主義の残滓である。

(2)北朝鮮は「朝鮮海/日本海」又は「朝鮮東海(East Sea of Korea)/日本海」と併記することを求める。

(注) 国連地名標準化会議

(UNCSGN:UN Conference on the Standardization of Geographical Names
各国の地図作成当局の専門家らが、地名に関する用語の定義、地名の表記方法等について技術的観点から議論を行う会議。1967年以降、原則として5年ごとに開催されている。同会議は個別の名称を決定する権限は有していないことから、「日本海」の名称が議論されることは本来想定しておらず、議題にも上がっていない。

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