ODAと地球規模の課題
国際水路機関(IHO)
1 国際水路機関(IHO)とは
国際水路機関は、国連海洋法条約に規定された権限のある国際機関であり、水路に関する成果物等に関する国際基準の確立及び統一や各国の能力形成の促進、データ等の利用可能性及び質の向上等を目的とする技術的な性格を有する機関。海上における安全及び効率を促進するため、すべての沿岸国及び利害関係国が積極的に関与し、海洋環境の保護及び持続可能な利用を支援する権威のある世界的な水路機関となることを目指している。
1921年に国際水路局が設立され、1967年に作成された国際水路機関条約により、1970年にIHOが設立された(2016年、国際水路機関条約の改正議定書が発効)。加盟国は104か国・地域。本部はモナコに所在。
現在、マティアス・ヨナス氏(ドイツ)が事務局長を務めている(2026年4月のIHO総会で次期事務局長にルイージ・シナピ氏(イタリア)が選出され、2026年9月に同氏が事務局長に就任する予定)。
2 IHO総会及び理事会
総会は3年ごとに開催される(次回は2029年開催予定)。また理事会は少なくも年1回開催され、各地域水路委員会から選出された20か国と船舶トン数上位10か国の計30か国から構成される。現在、我が国はIHO理事国となっている。
3 「大洋と海の境界(S-23)」
(1)「大洋と海の境界(S-23)」
各国の水路機関による海図作製の便宜を図る目的で、IHOが海洋の境界を示すガイドラインとして編纂している図誌。
(2)日本海呼称
「大洋と海の境界(S-23)」は1929年の初版から現行の第3版(1953年作成)に至るまで、一貫して国際的に確立された唯一の名称として日本海呼称を使用。
韓国は、1990年代以降、各国の政府・市販の地図や国際機関の地図において、「日本海」を「東海」と改称するか、「東海」と「日本海」を併記すべきと主張してきており、1997年以降、IHOの場でも同様の主張を継続してきている。
(3)最近の動向とS-130
2020年の第2回IHO総会において、「大洋と海の境界(S-23)」が引き続き公に利用可能なIHO出版物であることが決定されるとともに、海洋の境界をデジタル化し、数字(ID)で管理することを目的とするS-130の作成が承認され、2026年の第4回IHO総会においてS-130のデータセットが承認された。
4 我が国の対応
韓国は日本海呼称について問題提起を行ってきているが、「大洋と海の境界(S-23)」における日本海呼称の単独表記は変更されておらず、また、2020年には第2回IHO総会において、「大洋と海の境界(S-23)」が引き続き公に利用可能なIHO出版物であると決定されている。今後も我が国として、日本海は国際的・歴史的に確立された唯一の名称であり、日本海単独表記を変更する必要性も根拠もないとの基本的立場に基づき、あらゆる機会をとらえて日本海呼称に関する我が国の考え方を主張していく。

