ニカラグア共和国

ニカラグア共和国(Republic of Nicaragua)

基礎データ

平成31年1月16日

  • ニカラグア共和国国旗

一般事情

1 面積

130,370平方キロメートル(北海道と九州を合わせた広さ)

2 人口

622万人(2017年:世銀)

3 首都

マナグア

4 民族

混血70%,ヨーロッパ系17%,アフリカ系9%,先住民4%

5 言語

スペイン語

6 宗教

カトリック,プロテスタント等(国教に関する憲法規定はない)

7 略史

年月 略史
1502年 コロンブスにより「発見」
1573年 グアテマラ総督領に編入
1821年 独立宣言
1823年 中米諸州連合結成
1838年 完全独立
1936年 ソモサ将軍政権掌握
1979年 サンディニスタ革命
1985年 オルテガ大統領就任
1990年4月 チャモロ大統領就任
1997年1月 アレマン大統領就任
2002年1月 ボラーニョス大統領就任
2007年1月 オルテガ大統領就任(第1期)
2012年1月 オルテガ大統領再任(第2期)
2017年1月 オルテガ大統領再任(第3期)

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ダニエル・オルテガ・サアベドラ大統領
(2017年1月~2022年1月,任期5年)

3 議会

一院制,議員数92名,任期5年

4 政府

  • (1)首相名 首相職無し
  • (2)外相名 デニス・モンカダ・コリンドレス

5 内政

  • 1936年にアナスタシオ・ソモサ・ガルシア将軍が大統領に選出されて以来,1979年までの43年間ソモサ一族が独裁政治を続けたが,1970年代末になると,ソモサ独裁に反対する中道・左派が幅広く結集し,1979年7月,武力によりソモサ独裁政権を倒し,サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)主導による革命政権を樹立した(サンディニスタ革命)。
  • その後,革命政権は急速に左傾化し,国内の政治闘争が深刻化した。同時に,1981年に米国でレーガン政権が発足し,反革命武装勢力「コントラ」への支援と対ニカラグア経済制裁が行われた。内戦が激化するとともに,ハイパーインフレ等により経済活動は滞り,ニカラグア社会は極度に混乱・疲弊した。
  • 1987年の中米和平合意に沿って,1988年,政府・反政府勢力との間で暫定停戦合意が成立。1990年には,国連等による国際監視の下,大統領選挙が実施され,国民野党連合(UNO)で親米保守派のチャモロ候補が勝利した。チャモロ政権は,平和構築,民主化,経済自由化という大変革に着手し多くの成果を残した。
  • 1997年に発足したアレマン政権(立憲自由党:PLC)は,経済自由化を推し進める政策をとり,経済構造,行政組織,司法制度改革等を実施したが,1999年以降は,野党FSLNと政治合意を結び二大政党に有利に働くよう憲法改正や選挙法の改正を行った。
  • 2002年1月に発足したボラーニョス政権(PLC)は汚職に対して断固たる対応をとり,アレマン政権時代の汚職を厳しく追求し,アレマン元大統領を逮捕にまで追いやったが(2002年12月),この逮捕をきっかけとして与党PLC主要派閥アレマン派との関係が悪化し,国会における支持基盤を失った。さらに,PLCアレマン派は野党FSLNと政治合意を結び,ボラーニョス大統領と対立するなど内政危機に陥ったが,米州機構(OAS)等の仲介が功を奏し,情勢は安定,ボラーニョス大統領は2007年1月まで任期を全うした。
  • 2006年11月の大統領選挙で当選したオルテガ候補は,2007年1月,17年ぶりに政権に復帰した。オルテガ大統領は政権発足後,主要課題である貧困削減に向け,低所得者向けプログラム等を推進した。
  • 2011年11月の大統領選挙では,「大統領の連続再選は憲法違反(注)」との非難の声も上がったが,オルテガ大統領は出馬し,60%超の高い得票率で再選を果たした。(注:大統領の連続再選問題については,2009年10月,オルテガ大統領の申し立てに対し,ニカラグア最高裁が,「憲法の連続再選禁止規定は,同じく憲法が定める「法の下の平等」原則に抵触するため,同規定を適用不可」と判断し,同国最高選管もこれを追認したため,オルテガ大統領再選への道が開かれた)。また,2012年11月に実施された統一市長選挙において,与党FSLNは153市中134市で勝利し,地方への影響力を拡大した。
  • 2014年12月,憲法改正により,大統領の無期限再選が可能となった。
  • 2016年11月,大統領選挙が実施され,オルテガ大統領が70%超の得票率で連続三選された。副大統領にはオルテガ大統領夫人であるムリージョ大統領府広報官が選出された。同日に行われた国会議員選挙においても,与党FSLNが92議席中71議席を獲得した。
  • 2017年1月,オルテガ大統領が就任した(連続3期目,通算4期目)。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)サンディニスタ政権時代は,キューバやソ連等社会主義諸国との関係が緊密であったが,チャモロ政権以後,米国との関係を修復し全方位外交を展開。2007年1月に発足したオルテガ政権では,米州人民ボリバル同盟(ALBA)への参加を通じたベネズエラやキューバとの関係が一層緊密化するとともに,イランやロシアとの関係を強化している。移民や貿易面においては深いつながりを有する米国との関係も維持されているものの,オルテガ大統領の反米的発言も目立つ。
  • (2)中米統合機構(SICA)加盟国(中米司法裁判所所在)。
  • (3)台湾と外交関係あり。

2 軍事力(2016年:ミリタリーバランス)

(1)予算
73百万米ドル
(2)兵役
徴兵制なし(1990年に廃止)
(3)兵力
12,000人(陸軍10,000人,海軍800人,空軍1,200人)

経済

1 主要産業

農牧業(コーヒー,牛肉,金,豆,砂糖,乳製品,ピーナッツ)

2 名目GDP

138.1億米ドル(2017年:世銀)

3 一人当たりGNI

2,130米ドル(2017年:世銀)

4 経済成長率

4.9%(2017年:世銀)

5 物価上昇率

5.68%(2017年:中銀)

6 失業率

3.27%(不完全雇用率:42.74%)(2017年第4四半期:中銀)

7 貿易総額

(1)輸出(FOB)
2,548.3百万米ドル(2017年:中銀)
(2)輸入(CIF)
45,661.4百万米ドル(2017年:中銀)

8 主要貿易品目

(1)輸出
牛肉,コーヒー,金,砂糖,乳製品,ピーナッツ等(2018年:中銀)
(2)輸入
ディーゼル・ガソリン・潤滑油,食糧品,医薬品,原油,衣服・靴等(2018年:中銀)

9 主要貿易相手国

(1)輸出
米国,エルサルバドル,コスタリカ,グアテマラ,メキシコ(2018年:中銀)
(2)輸入
米国,中国,メキシコ,コスタリカ,グアテマラ(2018年:中銀)

10 通貨

コルドバ

11 為替レート

1米ドル=32.3305コルドバ(2018年末:中銀)

12 外貨準備高

2,260.1百万米ドル(2018年10月:中銀)

13 対外債務残高

11,728百万米ドル(2018年6月:中銀)

14 経済概況

  • (1)1990年に発足したチャモロ政権以降,ニカラグアは,内戦で破壊された経済の再建のため,経済安定化,構造調整,累積債務削減に重点を置く政策を講じ,1995年には経済成長率4.2%を達成した。また,1990年に1万%を越えていたインフレ率も,1997年には7.3%まで減少した(2015年は3.1%)。近年では,年間経済成長率4%台を維持しているが,1980年代内戦時の負の遺産を拭い切れず,現在も同国は中南米における最貧国の一つである。
  • (2)2007年のオルテガ政権発足後は,2008年の国際原油価格及び食糧価格の高騰によるインフレ(一時,年率24%),2009年11月に実施された統一市長選挙後の内政の混乱による欧米諸国からの援助と海外投資の減少はあったものの,ベネズエラからの巨額の経済協力の影響等もあり,良好な経済パフォーマンスを維持。これについてはIMFも評価しており,2010年10月,IMFは経済プログラム(拡大信用供与ファシリティ)の延長を承認した。
  • (3)ニカラグアは重債務貧困国(HIPC)に認定されており,2001年9月には貧困削減戦略ペーパーが完成し,債務救済に関する協議が行われた。また,構造調整政策を進めるため,2002年に新規貧困削減成長ファシリティー(PRGF)に関するIMFとの合意に達し,2003年には「国家開発計画」も策定された。こうした努力により,2004年1月にHIPC完了時点(コンプリーション・ポイント)に到達し,対外債務60億米ドルのうち45億米ドル相当の債務免除が認められ,我が国も約130億円の債権放棄を行った。しかしながら依然として,ニカラグアの貧困は深刻で,現政権の最重要政策課題は貧困削減。オルテガ政権は,農村部での飢餓撲滅・生産振興を目的とした「飢餓ゼロ計画(アンブレ・ゼロ)」等の社会プログラムを推進している。
  • (4)米・中米・ドミニカ(共)自由貿易協定(DR-CAFTA)が,2006年4月に発効。メキシコとの間では,1998年に自由貿易協定(FTA)が発効。2008年1月に台湾,2009年11月にパナマとのFTAが発効。中米EU経済連携協定が2013年8月に発効。2012年10月にチリとの間でもFTAが発効。2018年2月21日には中米・韓国FTAが締結された。
  • (5)2012年7月,ニカラグア両大洋間運河建設法が国会において可決され,運河庁が設立された。2013年6月,香港企業HKC社へのコンセッション付与を含む運河関連法案が可決された。HKC社傘下のHKND社が計画を進め,2014年7月には,運河ルートが発表され,同年12月には起工式が実施された。2015年11月,政府により環境社会影響評価が承認された。しかし,その後運河建設に大きな動きは見られない。
  • (6)2018年4月に始まった政情不安により,融資の低迷,投資家からの信頼度低下,税収の低迷,米国の制裁等,経済成長へのマイナス要因が多数発生しており,国際機関等による2018年GDP成長率予測値は,およそ-4%と見込まれている。

経済協力

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2016年度までの累計,交換公文ベース) 225.75億円
  • (2)無償資金協力(2016年度までの累計,交換公文ベース) 789.74億円
  • (3)技術協力実績(2016年度までの累計,JICA経費実績ベース) 251.34億円

2 主要援助国(2015年,単位:百万ドル)

  • (1)米国(41.08)
  • (2)スイス(21.69)
  • (3)日本(16.47)
  • (4)カナダ(13.92)
  • (5)ドイツ(11.93)

二国間関係

1 政治関係

1935年2月
外交関係樹立。
1941年12月
外交関係中断。
1952年11月
外交関係再開。
1963年
互いに大使館を設置。

2 経済関係

対日貿易

(1)貿易額(2017年:財務省貿易統計)
輸出 37.68億円
輸入 95.11億円
(2)主要品目(2018年:財務省貿易統計)
輸出 コーヒー,衣類他,動植物性原材料,ゴマ等
輸入 機械類及び輸送用機器,鉄鋼,化学製品,ゴム製品等

3 文化関係

  • 一般文化無償資金協力 12件,計5.58億円
  • 草の根文化無償資金協力 1件,計998万円 (ともに2016年度までの累計額)

4 在留邦人数

141名(2017年10月現在)

5 在日ニカラグア人数

107名(2017年12月現在:法務省)

6 要人往来

(1)往訪(1967年以降)
年月 要人名
1967年 村上勇特派大使(ソモサ大統領就任式)
1974年 坂田道太特派大使(ソモサ大統領就任式)
1977年 永野重雄経済使節団
1987年 列国議会同盟(IPU)議員団(団長 小宮山重四郎衆議院議員)
1990年 唐沢俊二郎特派大使(チャモロ大統領就任式)
1991年 鈴木宗男外務政務次官
1993年 土屋義彦埼玉県知事
1997年1月 佐々木満特派大使(アレマン大統領就任式)
1998年12月 斉藤斗志二衆議院議員
1999年6月 土屋品子衆議院議員
2001年8月 山口泰明外務大臣政務官
2002年1月 斉藤斗志二特派大使(ボラーニョス大統領就任式)
2003年 若林秀樹参議院議員
2005年2月 有馬政府特使(外交関係樹立70周年記念式典)
2005年10月 常陸宮同妃両殿下
2006年8月 猪口邦子内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)
2007年1月 松島みどり特派大使(オルテガ大統領就任式)
2008年6月 西村康稔衆議院議員
2012年1月 山根隆治外務副大臣(オルテガ大統領就任式)
西村康稔衆議院議員
2013年6月 西村康稔衆議院議員
2014年8月 土屋品子衆議院議員
2014年8月 参議院ODA調査団(団長:中西祐介議員)
2015年7月 宇都隆史外務大臣政務官
2015年12月 アントニオ猪木参議院議員
2017年1月 土屋品子特派大使(オルテガ大統領就任式)
2017年5月 金子めぐみ総務大臣政務官
薗浦健太郎外務副大臣
2018年2月 堀井巌外務大臣政務官
(2)来訪(1985年以降)
年月 要人名
1985年 レビテス観光庁長官
バレンスエラ建設相
ルイス対外協力相
1988年 カルデナル文化相
ヒュッペル大蔵相
1989年 ルイス対外協力相
ヒュッペル大蔵相(大喪の礼参列)
1990年 トレホス最高裁長官(即位の礼参列)
1991年 チャモロ大統領(公式実務訪問賓客)
ロサーレス労働相(外務省招聘)
1992年 セサル国会議長(参議院招聘)
1993年 クルーガー対外協力相(PDD東京特別会合)
1994年 レアル外相(外務省賓客)
1996年 レアル外相(日・中米フォーラム)
ベリー教育相
1996年12月 モンタルバン次期外相(就任直前。外務省招聘)
1997年10月 マルティネス厚生相
1998年7月 ソロルサノ水道庁長官
1999年2月 ロブレト対外協力庁長官
2000年5月 アレマン大統領
2000年6月 エスコバル国会議長(小渕前総理大臣葬儀)
2000年12月 ロブレト教育相
2000年12月 マレンコ水産庁長官
2002年6月 モラレス通商振興副大臣(IWC下関会合)
2002年11月 ゴメス対外経済協力庁長官(中米エンカウンター・イン東京)
2002年11月 サルボ保健相
2004年5月 ゴメス経済協力庁長官
2004年6月 ボラーニョス大統領(公式実務訪問賓客)
カルデラ外相(公式実務訪問随員)
アラーナ通商産業振興相(公式実務訪問随員)
2005年7月 カルデラ外相(外務省賓客)
2005年8月 リソ副大統領(日本・中米首脳会議出席/博覧会賓客)
カスティージョ特使(中米展)
2006年11月 サルボ農牧相
2007年9月 マルティネス運輸インフラ相(一般無償業者契約)
2008年7月 マルティネス運輸インフラ相(外務省招聘)
2009年10月 モラレス副大統領(科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム)
2010年1月 サントス外相(FEALAC外相会合)
2011年5月 マルティネス運輸インフラ相(一般無償業者契約)
2011年6月 サントス外相(MDGsフォローアップ会合)
2011年10月 マルティネス運輸インフラ相(一般無償業者契約)
2012年5月 バルトダノ投資貿易振興政府代表
2012年10月 アコスタ財務相(IMF世銀総会)
2013年6月 サントス外相
2013年12月 バルトダノ投資貿易振興政府代表
2014年5月 オキスト国家政策担当大統領秘書官
2015年8月 カスティージョ通信郵便庁長官
2016年3月 オキスト国家政策担当大統領秘書官
2016年4月 マルティネス運輸インフラ相
2016年10月 オキスト国家政策担当大統領補佐官

7 二国間条約・取極

  • 1991年 青年海外協力隊派遣取極
  • 2001年 技術協力協定
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