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佐々江外務審議官ステートメント(仮訳)
NATO(北大西洋条約機構)首脳会合におけるアフガニスタン会合
平成20年4月
- 福田総理に代わり、また、日本政府を代表し、アフガニスタン復興という重要課題に関する日本の考え方を述べたい。
- 日本は、アフガニスタン復興に向けた国際的取組を非常に初期の段階から支え、2002年に東京会合を主催し、政治プロセス、復興及び治安分野での支援は、今日、14億ドルに達する。日本政府として重要な今次会合への招待に感謝。
- 私は、昨晩、カブールからここブカレストに到着。現地では、ISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)の献身的努力を通じた進展、国連及び国際社会全体の支援を受けたカルザイ大統領及びアフガニスタン政府による精力的な努力を目にし、士気の高さを感じ取ることができた。他方、テロリストが非対称攻撃を続け、また、多大な復興ニーズが引き続き満たされる必要があり、我々として大きな課題に直面。その対処に当たっては治安と開発とが車の両輪となる。
- 日本としても治安の改善のために貢献を行ってきている。インド洋では海上自衛隊の艦船がテロリストの移動の阻止・抑止を支えるために展開。国境管理や警察改革支援とともに、国連との協力を通じ、国境地域の安定化の取組を支援。NATO・PfP(平和のためのパートナーシップ)信託基金を通じ、弾薬管理能力強化に向けたアフガニスタン国軍の能力強化支援を行っている。さらに、日本は、成功裡に終了した旧国軍兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)を主導し、非合法武装組織解体(DIAG)への取組を強化している。
- 日本は、NATO・PRT(地方復興チーム)との連携を通じた草の根・人間の安全保障資金協力支援を開始し、現在、医療、教育及び職業訓練の分野で19件の事業が実施されている。NATO文民代表部へ指名された我が国の連絡調整員を通じ、このNATO・PRTとの協力の下での支援を加速していく。
- しかしながら、治安分野では更なる取組が必要。アフガニスタン国家警察の能力強化のため、我が国としても、アフガニスタン警察要員の日本国内での訓練プログラムを拡大する。また、追加的機材を供与する用意がある。
- 治安と開発の両分野に亘る包括的アプローチが、現場において一層目に見える行動に移される必要があることは明らかである。また、アフガニスタン・パキスタン間の協力が一層進展するとともに、パキスタン支援についても焦点が当てられる必要がある。G8議長国として、日本は、これらの優先目標に対処し、また、目標達成を支援していく。
- アフガニスタンが将来の大統領選挙、議会選挙を控え、我々は、安定し、民主的で、繁栄する国家を建設するとのアフガニスタン国民の希望の実現にとって重要な時期にある。我々は、アフガニスタン国民及びカルザイ大統領に対する一致した支持を強化するために参集している。この文脈で、ISAFの戦略的ビジョンを歓迎する。
- 日本政府を代表し、日本としてこうした共通の取組の重要なパートナーとして関与していくとの強固な意思を確認したい。