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日・モザンビーク首脳会談

平成19年1月23日

 安倍総理は、1月23日18時より約50分間、アルマンド・エミリオ・ゲブーザ・モザンビーク共和国大統領との間で日・モザンビーク首脳会談を行い、引き続いて、約1時間30分間、同大統領夫妻歓迎夕食会を催したところ、概要以下のとおり。また、首脳会談と夕食会の間に、地方道路橋梁整備及びマラリア対策に関する無償資金協力案件の交換公文の署名・交換式が行われた。
 なお、先方からはゲブーザ大統領夫人(夕食会のみ)、アブレウ外務協力大臣、ザカリアス公共事業・住宅大臣、ムテンバ漁業大臣、フェルナンド商工大臣、アントニオ駐日大使他が、当方からは安倍総理夫人(夕食会のみ)、大野功統衆議院議員(日・モザンビーク友好議連会長)(夕食会のみ)、世耕弘成総理補佐官、安藤内閣官房副長官補、三木駐モザンビーク大使、目賀田外務省アフリカ審議官他が同席した。

1.冒頭、安倍総理から、ゲブーザ大統領の訪日を歓迎するとともに、日・モザンビーク外交関係樹立30周年を迎えた今月に実現した本件訪日が、二国間関係の更なる強化に繋がることを確信している旨発言。

2.これに対して、ゲブーザ大統領より、外交関係樹立30周年という記念すべき年に訪日できたことは光栄、二国間関係を強化していきたいとの発言があった。

3.安倍総理から、以下のとおり述べた。

(1)我が国は1993年から1995年のPKO要員派遣やODAを通じてモザンビークの政治的安定と開発を支援してきている。

(2)昨年10月の債務免除(約71億円)に加えて、本日、地方道路橋梁整備及びマラリア対策に関する交換公文の署名・交換式を行うことは喜ばしい。モンテプエス・リシンガ間道路改善計画について、アフリカ開発銀行との協調融資により円借款を供与する方針を決定した。

(3)TICADプロセスを基軸とした我が国のアフリカ重視政策は不変であり、「アフリカの年」であった2005年に表明した対アフリカODAの3年間の倍増等の国際公約を着実に実施したい。2008年のTICAD IVには、ゲブーザ大統領に御参加いただきたい(ゲブーザ大統領は、喜んで参加することを約束すると応じた)。

(4)安保理改革については、モザンビークが日本の常任理事国入りを支持していただいていることに感謝。改革実現のため、アフリカ諸国の現実的かつ柔軟なアプローチを強く期待。

(5)北朝鮮の核問題については、安保理決議1718が求める措置の着実な実施が必要であり、協力をお願いしたい。拉致問題は政権の最重要課題であり、国際的な連携を通じて一日も早い解決が必要。

4.これに対してゲブーザ大統領は次のとおり述べた。

(1)日本より頂いている各々の支援にモザンビーク国民を代表して感謝申し上げる。日本からの支援で、モザンビークで進めている改革は一層進展する。

(2)TICADはアフリカ全体と日本がアフリカの開発について共に考えることのできる貴重な機会であり、日本の開発経験から多くを学べる場として評価している。また、G8サミットの場でアフリカを取り上げていることにも感謝。

(3)日本としてアフリカで初のPKO要員派遣をモザンビークで行っていただいたことに感謝。現在でも日本の経済協力に加え、多くの青年海外協力隊員がモザンビークの開発に貢献している。また、日本からは民間投資も入っており、今後、一層こうした分野での協力が深まることを期待。

(4)訪日の途次、ベトナムに立ち寄ったが、日本、モザンビーク、ベトナム三国間の協力が行えないかと考えている。(これに対し、安倍総理より、アジア・アフリカ協力は日本としても強調してきているところであり、三国間協力についても具体的に検討したい旨応じた。)

(5)安保理改革については、我々が先に一つの機会を逃したのは事実であるが、より多くの利益が代表されることがアフリカの一致した立場であり、モザンビークとしても改革の実現に向けて進んでいきたい。(これに対し、安倍総理より、来週行われるAUサミットの場でも改革のあり方について現実的な対応を強く求めている旨述べた。)

(6)北朝鮮に関して、日本人拉致問題を非常に残念に思っている。被害者の全てが早期に解放されることを願っている。モザンビークの持つ影響力に限りはあるが、できることはやっていきたい。核問題についても国際社会が北朝鮮に強く働きかけていくことが重要。

5.首脳会談終了後に行われた歓迎夕食会では、極めて和気あいあいとした雰囲気の中、民間企業からの出席者(三菱商事宮司顧問)やモザンビーク派遣自衛隊経験者からの発言も交えながら、モザンビークへの自衛隊派遣、モザンビーク最大の企業であるモザール・アルミ精錬所への日本企業の投資、独立闘争時代のゲブーザ大統領の体験や2010年の南アでのサッカー・ワールドカップの機会にモザンビークを訪問する日本人がより増えるであろうこと等に話題が及んだ。安倍総理からは、同席の大野議員の年齢を引き合いに、安倍政権では70歳以上の方にも如何に活躍していただくかが大切であるとの発言があって、一同の笑いを誘い、また、心と心の通い合う両国友好が最も大切であることから、青少年の交流も一層進めていきたいとの点で、双方の意見が一致した。

6.また、安倍総理夫人は夕食会に先立ち、ゲブーザ大統領夫人と歓談し、モザンビークを含む南部アフリカで深刻な問題となっているHIVエイズ問題等につき意見交換を行った。

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