モンテネグロ
モンテネグロ(Montenegro)
基礎データ
令和5年11月6日


一般事情
1 面積
13,812平方キロメートル(福島県とほぼ同じ)
2 人口
62万人(2020、モンテネグロ統計局)
3 首都
ポドゴリツァ(人口約19万人、モンテネグロ統計局2011年国勢調査)
4 民族
モンテネグロ人(45%)、セルビア人(29%)、ボシュニャク(9%)、アルバニア人(5%)等(2011年国勢調査)
5 言語
モンテネグロ語(公用語)、セルビア語等
6 宗教
キリスト教(正教)、イスラム教等
7 国祭日
7月13日(国家の日)
8 略史
年月 | 略史 |
---|---|
6~7世紀 | モンテネグロ人等スラブ系民族がバルカン半島に定住。 |
11世紀 | セルビア王国の一部となる。 |
15世紀後半 | オスマン・トルコのバルカン半島進出に伴い、同帝国の領域に入る。 |
1878年 | ベルリン条約によりモンテネグロ公国の独立承認。 |
1910年 | 公国から王国となる(1916年に王政廃止)。 |
1918年 | 第一次世界大戦後、セルビアに編入され、ユーゴスラビア王国の一部となる。 |
1941年 | 第二次世界大戦中、イタリアに占領される。ユーゴスラビア王国消滅。 |
1944年 | 「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国」(6共和国で構成)の1共和国となる。 |
1992年 | ユーゴ解体の中で、セルビアとともに「ユーゴスラビア連邦共和国」を創設。 |
2003年 | 「セルビア・モンテネグロ」に国名変更。 |
2006年6月 | 「モンテネグロ共和国」として独立を宣言。 |
2007年 | 新憲法を制定(10月)し、国名を「モンテネグロ」に変更。 |
2017年 | NATO加盟 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
ヤコブ・ミラトビッチ大統領(2023年5月就任、任期5年)
3 議会
1院制(定数81名)
会派名 | 議席数 |
---|---|
ヨーロッパ・ナウ!(PES)選挙連合 | 24議席 |
共に!君のいる未来のために! ダニエル・ジブコビッチ選挙連合 (含むDPS) | 21議席 |
モンテネグロの未来のために | 13議席 |
アレクサとドリタン 勇気は大切だ!選挙連合(民主モンテネグロ(DCG)、URA) | 11議席 |
ボシュニャク党 | 6議席 |
SNP DEMOS 君のために選挙連合 | 2議席 |
アルバニア・フォーラム(AF)党 | 2議席 |
アルバニア同盟 | 1議席 |
クロアチア市民イニシアティブ(HGI)党 | 1議席 |
4 政府
- 「ヨーロッパ・ナウ!(PES)選挙連合」を中心とする連立政権
- 首相:ミロイコ・スパイッチ(2023年10月就任)
- 外務大臣:フィリップ・イバノビッチ(2023年10月就任)
5 内政
- (1)モンテネグロはユーゴスラビア社会主義連邦共和国(旧ユーゴ)を構成していた共和国の一つ。
- (2)1991年から2020年まで、社会主義者民主党(DPS)が政権を担った。2020年8月の総選挙で政権交代が行われ、その後も類似にわたって不信任案が提出・可決され、不安定な状況が続いた。2023年6月の選挙を経て、親EU、親NATOのヨーロッパ・ナウ!を中心とする政権が10月に発足。
- (3)2023年4月、ヨーロッパ・ナウ!の副党首のヤコブ・ミラトビッチ氏が大統領選挙で当選。2023年5月に就任。
外交・国防
1 外交基本方針
- (1)優先目標は、EU加盟。2010年12月にEU加盟候補国となり、2012年6月から加盟交渉が開始された。2023年5月就任のヤコブ・ミラトビッチ大統領も親欧州路線を受け継ぐ。
- (2)NATOには、2017年6月に加盟を実現(社会主義民主党(DPS)政権下)。
- (3)西バルカン各国との間で良好な関係を構築している。
2 軍事力
総兵力は2,350名(2023ミリタリー・バランス)
経済
1 主要産業
農業、製造業、観光業
2 GDP
61億米ドル(2022年、世銀統計)
3 一人当たりGNI
10,400米ドル(2022年、世銀統計)
4 経済成長率
6.1%(2022年、世銀統計)
5 物価上昇率
13%(2022年、モンテネグロ統計局)
6 失業率
14.7%(2022年、モンテネグロ統計局)
7 貿易額(2022年、モンテネグロ統計局)
- (輸出)7億ユーロ
- (輸入)35.33億ユーロ
8 主要貿易品目(2022年、モンテネグロ統計局)
- (輸出)非鉄金属、アルミニウム及びアルミニウム合金、電力、コルク及び木材製品、金属含有鉱石・金属スクラップ
- (輸入)石油・石油製品、自動車、電力、医薬品、電気機械
9 主要貿易相手国(2022年、モンテネグロ統計局)
- (輸出)セルビア、スイス、ボスニア・ヘルツェゴビナ
- (輸入)セルビア、中国、ギリシャ
10 通貨
ユーロ(2002年、独自に導入)
11 経済概要
- (1)モンテネグロ経済は、 2008年後半以降の世界金融危機及びそれに続く欧州債務危機の影響を受け、一時マイナス成長に陥ったが、2010年以降は、おおむね回復基調にあった。2010年から2019年までの10年間の平均成長率は約3%であり、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響によりマイナス成長となったが、2021年及び2022年にはプラス成長となり、回復基調にある。同国は、2025年のEU加盟を目標とし、EU基準に合わせた制度改革に取り組みつつ、主要産業である観光業の促進、エネルギー分野などでの海外直接投資の誘致、インフラ整備などに取り組んでいくとしている。そのためのビジネス環境改善、行政サービスの質の向上などによる民間セクターの一層の成長が重要である。
- (2)2022年におけるモンテネグロ全体の観光客は約218万人(2022年、モンテネグロ統計局)で、前年比約30%増となった。その内訳は、国内旅行客が約14.8万人で、外国人観光客約204万人である。国別の外国人観光客数はセルビアが約43.5万人(21.4%)で最多となっており、ボスニア・ヘルツェゴビナが約21.1万人(10.4%)、ロシアが約17万人(8.3%)と続いている。なお、宿泊せず、クロアチアのドゥブロブニクからの日帰りでモンテネグロを訪れる日本人観光客も多い。
- (3)モンテネグロは、中欧自由貿易協定(CEFTA)を締結しており(同協定は2007年7月にモンテネグロに対し発効)、また、2012年4月にWTOに加盟した。
二国間関係
1 政治関係
日本は2006年6月16日、モンテネグロの独立を承認し、同年7月24日に外交関係を開設。
日本は在セルビア日本国大使館がモンテネグロを管轄。モンテネグロは駐日大使館を設置していない(領事業務は駐日セルビア大使館が代行)。2016年7月に初代日本国駐箚モンテネグロ大使としてヨバン・ミルコビッチ特命全権大使(本国常駐)が就任(2018年5月退任)。
2 経済関係
- (1)日本の対モンテネグロ貿易額・品目(2022年、財務省貿易統計)
- 輸出:4.27億円(鉄鋼、一般機械)
- 輸入:0.47億円(一般機械)
- (2)日本の直接投資(1件):大同メタル工業の工場(コトル市)。その他、アザレア船員トレーニングセンター(ビエラ市、商船三井が主要株主のAzalea Maritime B.V.(オランダ)の子会社)などが所在。
3 経済協力
- (1)日本の二国間援助実績
- 2020年度までの援助実績は、無償資金協力41.10億円、技術協力9.36億円。
- (2)主要ドナー・援助額(2019年、単位:百万ドル)
- 1.ドイツ(14.62) 2.米国(4.86) 3.ノルウェー(2.30)
4 在留邦人数
15名(2023年5月現在)
5 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2006年6月 | 山中外務大臣政務官 |
2013年5月 | 城内外務大臣政務官 |
2016年9月 | 滝沢外務大臣政務官 |
年月 | 要人名 |
---|---|
2007年3月 | ラドゥノビッチ保健・労働・社会福祉相 |
2007年6月 | ジュカノビッチ前首相(当時) |
2012年6月 | ローチェン外務・欧州統合相(外務省賓客) |
2014年10月 | ブラホビッチ科学相(STSフォーラム出席) |
2018年11月 | ダルマノビッチ外相 |
2019年10月 | ジュカノビッチ大統領(即位礼正殿の儀参列) |
2021年7月 | クリボカピッチ首相(東京オリンピック競技大使会開会式参加) |
6 外交使節
- (1)モンテネグロ駐箚日本国大使 今村朗特命全権大使(兼轄)
- (2)日本国駐箚モンテネグロ大使 不在